2011-06-16

高専と「普通高校から大学工学部」の二択について

普通高校には行ってないけれど、高専卒で大学理学部数学科編入、大学一般入試経験したので、迷った人へのアドバイスを。

このテーマネット検索してみると出つくしているようにも思うけれど、できるだけ具体的な物になるようにしました。

僕自身は高専時代反省点も多いながら充実した生活をした一方、今のキャリアを考えればあんまり意味がなかったので、

高専に対する評価は中立です

あと、高専から大学編入については自分からはあんまり扱いません。

編入生は優秀と言われても、客観的に見て単なる大卒ですから

高専に入る前からこういった考え方の人は自分の進路の合理性について考え直した方がいいと思います

但し、長岡豊橋技科大学とかなら編入生が多く、それ用のカリキュラムがあるかもしれないので、話は変わるかもしれません。

もちろん質問等があったらコメントもらえれば答えます

※以下「普通高校」と言った場合、「普通高校で学ぶ学習内容」を指します。

1.普通高校高専の共通点

1.1 一般科目に大差はない?

高専に行っても現代文、古文、漢文地理歴史倫理経済英語、第2外国語芸術、体育、法学…など

一通り勉強します。授業時間は少なめなんでしょうが、こうやって書くと多いでしょう?

大学入試と言う超絶重要な節目のための勉強をしなくてよいだけましですが、試験もあります

1.2 専門科目に見えても…

 機械電気建築で学ぶ専門科目には、低学年では工業構造力学電気回路流体力学材料力学等がありますが、

これらの大部分(エッセンス的な意味で)は普通高校物理でも学ぶことができます

化学工学についても普通高校生物化学で学ぶこととかぶってる部分があるでしょう。

したがって3年までの勉強内容はみなさんが思っているほど普通高校(の特に理系)との間に大きな違いはないと思います

2.違い

2.1 機会費用を考えよう。

 これは本人よりも親御さんにとって重要なことかもしれませんが、

高専から働きだすのと、大学からとでは最短で2年。浪人や院に進学するなどすればそれ以上の間、

社会人としての収入がたたれます

年収400万として2年で800万の収入国立の学費で100万(私立なら200万?)、

就職先の福利厚生(飯付き独身寮など)が充実してたらさらに200万位の差がつきます

軽く1000万以上の収入差が短期間の間に生じるわけです

 もちろん大学進学でそれ以上の収入が得られれば良いのですが、家庭の経済環境が厳しい人は

金銭的に早く親孝行する道として、自衛隊の次にお勧めです

2.2 数学は進度が早いけれど…

 確かに普通高校で3年までに多重積分はやらないでしょうが

やはり大学受験がないだけあって演習量は少なめです。僕は教科書の例題を解いただけでしたが定期試験はほぼ満点でした。

また、確率や数列、図形分野はあんまり力を入れません。微積分も一般入試向けの解法をやるわけじゃなく、

専門分野に必要な計算力を養えばいいわけです。もちろん大変ですけどね。

個人的には高専で学ぶ数学についていくよりも、黄チャート大学受験の為の基本問題集)をマスターする方がずっと大変です

2.3 ちゃんと統一してほしい。

 電気回路を専門科目として学ぼうとすると、早い段階で微分が出てきます

しか高専一年では微分の基礎である極限すら学んでいません。

したがって「この式はこういうもんだと思って」(実際に先生に言われた言葉)学ぶ必要があります

理系ならできるだけちゃんと理解していきたいところですよね?

くさび型のカリキュラムにはこういう弊害もあると言うことです

 もっとも、段階をちゃんと踏む普通高校では物理加速度、速度、距離の概念積分を使わずに学びます

直観的で分かりやすいですが、これはこれで気持ち悪い人もいるかもしれません。

3.その他

3.1 いまどき英語は必須

 私たちの時代から言われてきていましたが、今はそれ以上に語学力を売りにする必要がある時代です

実際私の高専の同級生や同僚にも海外出張や、英語仕事をする人はひとりずついます

私もベトナム人に試験のやり直しなどの指示を英文ですることがあります

3人とも別に英語が得意だったわけではありません。僕は学生時代TOEIC300ぐらいでしたし、

他は僕以下の英語成績でした。

 エンジニアとして、英語ができないのは数学ができないくらい不自由なことになると思います

そんなときに「高専英語が弱い」なんていっても駄目ですね。

今はTOEICに力を入れている高専も多いようですので、そういった学校の実績をオープンキャンパスで聞いてみてもいいかもしれません。

3.2 シラバスをゲットしよう

 高専に限らず、大学文学部に行くにしても、まず志望学校名とシラバスでググってその学校で使われている専門書を数冊手に入れましょう。

田舎の人はamazonで買えると思います。数日都会の大型書店ジュンク堂紀伊国屋など)に入り浸ったり、その分野に関するライトな本を読むのもいいでしょう。

そしてその本を理解するのではなく、ざっと読んでテンションが上がるかどうかを確認します。微分方程式や、精密な図面を見て、こんなことを学べるんだ!と思えればいいんです

テンションが上がればその学科に進んでも後悔する確率は下がります

 専門書は高いですが、入学して後悔する事に比べたら数100分の1の損失(進学できればそのまま使用可能)で済みます

 ちなみにもし僕の子供機械電気系に行きたいと言ったら、まず製図の本を同様に読ませて、それでテンションが上がらなかったら

普通高校で様子見を進めます

 あと、シラバス通りに授業が進む可能性は低いと思います

とりあえずこのくらい。思いつくところがあったらまた書きます

7/10追記

いまだにこんな↓独りよがりレポートを課している教員がいるのか。やっぱり高専おすすめじゃないかも。

title:高専1年生です情報処理1のレポートで授業で習ってないし教科書にも載ってなくて困っています

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1366034508

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