はてなキーワード: ドネツク州とは
2月初頭に始まったロシア軍の冬季攻勢について簡略にまとめる。ロシア軍の冬季攻勢は本格的な戦線の突破を意識したものではあったが、早い段階で頓挫してしまった。そこで、当初の方針を転換し、ウクライナ軍に対する複数の戦術の試行と、ウクライナ軍の損耗を強要することで春季攻勢を阻止するよう目標を変更し継続しているものである。
この区間ではウクライナ軍の秋のハルキウ攻勢によりドネツ川の支流であるオスキル川とクラスナ川にはさまれた南北100km、東西30km 程度の区間が戦場になっている。
北側では国境からクピヤンスクまではほとんど東西の動きはなく、中部のスヴァトヴェ、南部のクレミンナを目指してウクライナ軍が攻勢を仕掛けていたところへロシア軍が逆襲する形で冬季攻勢が始まった。この区間でのロシア軍の攻勢は空挺軍と機械化歩兵師団からなる比較的優良装備で長期の休息を経たエリート部隊が先鋒を務め、その左右を動員兵により増強されたその他の部隊が固めるという構図を取っている。
有力な部隊を攻勢の主力とすること自体は教範に則ったものである一方で、ロシア軍としては開戦直後の拙劣な作戦により最新鋭の装備と人員を損耗しており、無駄遣いはできないものであるから、有力なウクライナ軍部隊を相手に正攻法でどこまで攻勢を維持できるかは不透明な要素が多かった。一方で、この戦線に展開するウクライナ軍部隊を包囲撃滅できれば今後の北部戦線を有利に進められる利点もあった。
ロシア軍のこの方面での当初作戦計画は以下のようなものであった。まず、ウクライナ軍に対してクレミンナ正面で突破作戦を行い、主力は30km 西進してリマンに到達する。この時、クレミンナ周辺やドネツ川沿いの森林地帯に展開するウクライナ軍は後続の部隊により拘束するにとどめる。次に、突破した主力はオスキル川沿いに北上し、やや遅れてクピヤンスク周辺の部隊をオスキル川沿いに南下させることで、スヴァトヴェ周辺のウクライナ軍を両翼包囲する。この作戦が成功すればウクライナ軍数個旅団を包囲することができる。また、仮に突破がうまくいかなくともクレミンナ西方20km 地点のトルスケまで到達できればクレミンナ周辺のウクライナ軍を退却に追い込めるとの計算であった。
実際にはウクライナ軍の防御陣地が想定以上に堅牢でトルスケに到達する前に攻勢限界を迎えてしまい、ロシア軍部隊は当面確保した地域を維持する方針に転換している。
激戦地として知られるバフムットを含む戦線であり、この地域では11月よりワグネルを主力とする部隊による攻勢が行われてきた。ここでロシア軍が試行した戦術は、シリアなどで採用されてきたハイローミックス戦術である。すなわち、大量の低練度の部隊を投入して敵を消耗させ、また守備位置を暴露させたのち、少数の精鋭部隊により突破を行うというものである。
この戦術の利点として、エリート部隊の損害は最小限に抑えながら確実に戦果を挙げられるというものが挙げられる。一方で、この戦術は最初に投入される低練度の部隊は大きな損害を被る欠点がある。シリアなどでは現地の民兵などが担わされており、また相手となる反乱軍部隊も装備や練度がさほど高くなかったためにロシアにとってはさほど問題とはならなかった。しかし、ウクライナ軍のようなより装備が整い士気も高い部隊相手にこの戦術は損害が大きすぎた。ワグネルも、当初は膨大な囚人兵を確保して戦線へ送り込めたために着実に戦果を挙げてこられたが、広大な作戦正面への投入はさすがに戦果と損害のバランスが悪いということが判明し、より限定された正面への攻勢へと縮小されている。損害の大きさに驚愕したプーチンが直接止めに入ったとも言われている。
作戦計画としてはバフムットを確保したのちにドネツ川北部の攻勢と連動して後続の空挺軍部隊を北西のスロヴャンスクまで進出させることで、ドネツク州北部を確保することが目標とされていた。
いわゆるヴフレダールの戦いにおいては、動員兵を主体とする部隊による正面攻撃を精鋭部隊が掩護するという戦術を試行することとなった。ハイローミックス戦術よりも損害を抑え、動員された兵士主体の部隊による大規模な攻勢を行うというのが主眼である。これがうまくいけば今後も長期的に攻勢を維持することが可能と考えていただけに、ロシア軍の期待は大きなものであったが、こちらも失敗に終わってしまった。
この正面での主眼はドネツク市から南に延びる鉄道線路の安全を確保することにある。線路を通常の野砲の射程外にまで、すなわち戦線を40km 程度後退させることが当面の目標とされ、特にドローンなどで線路を直接監視できるヴフレダールの確保が最優先の目標とされた。また、動員兵の訓練期間の短さから複雑な攻勢作戦を実行できるめどが立たないため、単純な作戦が立案された。しかし、動員兵の練度は想定以上に低く、砲撃などにより簡単に統制を乱してしまい、全く攻勢には不向きであることが判明した。
以上のように、ロシア軍の冬季攻勢は失敗に終わったものの、これらの戦訓を基にウクライナ軍の春季攻勢をしのぎ、夏季攻勢を行う計画を構築している。
ゼレンスキー大統領は(まずは)ドンバス地方奪還に向けて、軍事力による解決 を試みている。2021 年 4 月にトルコから購入した攻撃ドローンをドンバス地方での偵察飛行に 利用した。さらに、10 月末にこのドローンでドネツク州の都市近郊で、ウクライナ戦線を攻撃 していた分離独立派武装組織の榴弾砲を爆破した。分離独立派はウクライナがミンスク合意に 反する攻撃を行ったと非難しているが、ウクライナはドローンがコンタクトライン(ドンバス 地方の政府管理地域と武装勢力による被占領地域の間に敷かれた国境線)を越えておらず、そ もそもコンタクトラインに非常に近い場所に榴弾砲を設置すべきではなかったと反論している。 ウクライナがトルコからさらにドローンを購入する計画を進めていることから、ロシアはドン バスの独立派組織に対する軍事的な「挑発」行為は、同地域の緊張を再燃させ、ウクライナ国 家全体に深刻な結果をもたらすとの見方を強めていた。
◆国際社会でロシアによるウクライナへの全面的な侵攻への懸念が高まっている。そもそも今回、西側諸国とロシアとの緊張が高まった発端は、2019年にウクライナ大統領に選出されたゼレンスキー氏が、ミンスク合意を反故にしようとしたことといわれている。元コメディー俳優で国政経験のないゼレンスキー大統領は、ドンバス戦争の終結とオリガルヒの汚職・腐敗によるウクライナ国家への影響を阻止することを公約に掲げて当選した。2024年の大統領選再選の鍵は、分離独立派が支配する東部地域停戦地域であるルガンスク州・ドネツク州でどのようなパフォーマンスを示せるかだといわれていた。
◆クリミア併合時にロシア軍との戦闘で大敗を喫したウクライナは、不利な条件でミンスク合意を結ばされたとの思いが強い。ミンスク合意がある限り、ドンバス地方で選挙を実施し、高度な自治権を認めざるを得ず、分離独立に法的根拠が生じてしまう。これを嫌うゼレンスキー政権は2021年にかけてミンスク合意を反故にすべく、尽力してきた。米国を中心とした西側諸国の支持を得るため、国政の汚職一掃など、西側の要求を満たそうとしてきた。ただ汚職一掃や一連のクリミア半島奪還のアピールもむなしく、ゼレンスキー大統領の8月末の訪米では、ドンバス地方奪還に向けたミンスク合意反故への支持やクリミア半島を奪還することへの支援は、バイデン大統領から得られなかった。
◆ロシアはウクライナに重機を伴う進軍をするための最適な地上条件が来るのを待っているといわれている。地面が凍結し、ロシアがウクライナ北部から攻め込めるようになったら、侵攻に踏み切る可能性がある。ロシアの侵攻が近いという米国の懸念に対し、(大統領選対策で始めたドンバス地方への攻撃が引き起こした)事の重大性に気が付いたゼレンスキー大統領は、火消しに奔走している。ただし英米は、ここまでロシアとの対立を煽っておきながら、戦争間近との見方を過剰反応と批判したゼレンスキー大統領へ違和感を示しているのが実情である。
https://www.dir.co.jp/report/research/economics/europe/20220210_022836.html
具体的に、どういう事態を想定しているわけ?
憲法9条があっても個別的自衛権は行使できる。よって9条があろうとなかろうと関係ない。
侵略を撃退したあと逆侵攻とかしたいのであれば、9条は邪魔かもしれない。
他国が日本に加勢するのは、その国の法律の問題なので日本が集団的自衛権の行使を認めているかは関係ない。
(現に、日米同盟でアメリカは日本を守ることになっている。)(本当に守ってくれるのかは知らんが、それはNATOとかでも同じことでは。)
例えば、ロシアによる侵略からウクライナを守るために自衛隊を派遣したいのであれば、「日本は憲法9条のもとで集団的自衛権が行使できるのか?」が問題になるけど、それができるようになるべきだ、と主張してるの?
かつてのアメリカみたいな世界の警察になりたいのならたしかに9条は邪魔だろうけど、別になりたくなくない?
内戦している国の非政府側の勢力を守るために軍隊を送るって、いままさにロシアがウクライナのドネツク州とかでやってることだけど、ああいうのがしたいの?
相互防衛協定って、一見双務的な取り決めだけど、実質的には仮想敵国の隣国をみんなで守る、という取り決めなわけじゃん。
NATOで言えば、ウクライナが加盟した場合、ロシアと国境を接するウクライナをみんなで守る、という構図になる可能性が高いわけじゃん。そうすると、ウクライナは加盟で防衛力が上がってハッピーだけど、NATO側はロシアとの戦争に巻き込まれるリスクが上がるわけじゃん。
そうすると、よほどウクライナの防衛にメリットがないと、そもそもウクライナのNATO加盟を認めないよね。現に、ウクライナのNATO加盟って別に最近言いだした話でもないのにいまだに実現してないし。
翻って、いま日本と相互防衛協定結んだら、中国/ロシアと戦争するリスクが上がるよね。そのリスクを犯してまで日本と同盟したい相手国がどれだけあって、それらの国のうち日本側にも防衛上のメリットがある国って具体的にどこなのさ?
9条さえあれば平和を謳歌できると思ってるのは馬鹿だと思うけど、集団的自衛権を認めれば平和を謳歌できると思ってるのも同じくらいアホなんじゃないの?