はてなキーワード: 予報円とは
台風が近づくとテレビの天気予報の天気図に予想コースや予報円が描かれるようになる。曲がった円錐形の透視図みたいなあれだ。
友達がこの図の意味を根本的にはき違えていたので念のために見方を書いておく。
台風の予報円は時間経過につれて末広がりになっていくが、これは、時間の経過とともに勢力が増すという意味ではない。
点線の丸は「この時刻、台風の中心はここらあたりにいるんじゃね?」という位置予測をばっくりとした円で表現したものだ。予報円の中心に台風の中心が来る確率が一番高いが、必ず真ん中に来るとは限らない。この円の中のどこかだろう、というのが予報円だ。
そして時間がたつほど予測の誤差が大きくなる、だから円も大きくなっていくわけ。
円がとても大きい時は、台風がでかいのではなく、予測が不確かということ。「ここらあたり」というエリアが絞り込めなくて大きなマルを描くしかない。
逆に、かなり正確に針路が推測できるような気象条件だった時は、円は小さくなるし予測コースも末広がりではなく棒状に近くなる。
あの図を見て「台風が大きくなりながら進んでいくイメージ」という印象を持ってしまう気持ちもわかる。
でも、日本近海にまでたどり着いた台風は、ライフサイクルで言うともうピークを過ぎている。
台風は温かい熱帯の洋上ではモリモリと水分を補給して発達するけれど、日本近海では十分な補給を受けられず、溜め込んだ水分も冷やされてジャンジャン吐き出さされるので、勢力は弱まっていく一方だ。つまり予報円の大きさと勢力の強さは逆転してしまうんだよ。
Jアラートの誤報へ対して政府の責任やら日本の科学技術に憂慮するやら言っている方々が散見されるので、多くの良識ある人はその程度のことはわかっていると自分へ諭してくれるだろうが敢えて言おう。
予測円、落下予測円、針路予測円、表現の仕方は様々だが、それを意味するところは描かれた円の範疇に進み、そして円の範疇に落下するだ。予測円の代表的な採用例は台風で、将来的な台風の中心が円の範疇のどこかへ来るということを示すために用いられる。
Jアラート、これはミサイルなど国民の生命や財産が危機である可能性を伝えるものであり、もしもJアラートのミサイル落下地点予測円の中に国土がわずかにでも含まれていれば国土内に落下するとJアラートを発報するのが適切な運用だ。
そしてJアラートのミサイル落下地点予測円内にミサイルが落下したのならば、それは誤報でも予測ミスでもなく予報円の性質上から文字通り予測の範疇である。
台風の針路が予測円の真中心に来なかったら誤報なのか?予測ミスなのか?オオカミ少年なのだろうか?そんなことはなく多くの良識ある人々は「ちょっと(予測円の)中心からズレたね」と認識するだけだ。
いや確かに百歩譲って政府や自衛隊へ国土へ落下しなかった事実を持って責任を求めるのであれば「Jアラートには予測円があることを広く国民へ説明していないことへの責任」あたりだ。
何故なら現状の事実を持って言えば、極々一部の国民がJアラートを巡って誤報や予測ミス、オオカミ少年などと吹いて回っているのだから政府や自衛隊には説明と広報の責任があるだろう。
その程度のことはわかっていると自分へ優しく諭してくれる人へは申し訳ないが、敢えて、敢えてJアラートの予測円について説明させて頂いた次第だ。
昨日、上司と東京に出向いてある勉強会に参加した。勉強会といっても仕事の取引先などが集まるので技術系の知見を共有する感じとは違ってビジネス色が強いものだ。
台風情報では九州地方から四国中国あたりまで予報円に入っていて、当方中部地方からの出張だったため東京から帰れるか心配だったし、泊まるにしてもホテルも取れずで今回の勉強会参加は辞退しませんかと上司に提案したが跳ねられてしまった。
前述のとおり仕事色が強いので上司は出来る限り参加したい意向のようだった。
これが前日のことである。
当日、東京に向かう新幹線の中で「今日は無事に帰ってこれますかねえ」とこぼすと、上司は「大丈夫大丈夫、問題ないって」と軽く返事をした。
なにを根拠に言っているんだろうと思い、台風の予想図をスマホで見せた。
「ほら、これ見てください。今日の15時には四国あたりに来るって出てますよ。泊まるならカプセルでも探したほうがいいと思うんです」
「これって見方分からないんだけど、どうやって見んの? 大きくなってくこの丸のやつって…台風こんなに大きくなんの?」
唖然としてしまった。この人は台風の予想図を見たことがなかった。正確には、見たことはあるが予想図の見方を知らないのだ。
台風の進路も分からずになぜ問題ないと言えるのか。天気予報すら見れないような人が上司なんてと情けなくなった。
そのあと適当に予想図の見方を教えた。まあ、どうせすぐ忘れるだろう。
無事東京に着き、勉強会も終わると、懇親会があると説明があった。強制参加ではないため帰りたい人は帰って良いという。
上司に「このままでは帰れなくなるから行きましょう」と言うと、どうにも浮かない返事を繰り返す。どうやら懇親会でお酒を飲んで盛り上がって色々話をしたいらしい。
「いやいや、予想図見て下さいよ、帰れなくなりますよ」と言っても「大丈夫なんとかなるって。まだ四国だし時間あるじゃん」と返事。
さすがに腹が立ってきた。こいつの頭には新幹線が止まるかもしれないとかそういう考えはないのか。結局、ねばって語気を強めて言ったら折れてくれた。
帰りの新幹線の中で「お前は台風にビビりすぎだ」とかぐちぐち言っていた。
「いや、危機管理というやつですよ」と言っても聞く耳持たないまま終わった。
テレビでも台風が来てるのに空港を訪れている人がいて、インタビューすると「もしかしたら飛んでいるかもと思って」と話していた。