別に勝利宣言したいわけではないんだけど、おそらく今回の参院選は今後の〝表現〟に対しての評価が決定的になる分水嶺にはなると思う。
今回の参院選は18歳参政が始まった以降の子たちが本格的に参政できる選挙なわけで、彼ら彼女らは今後の若者文化へ強く影響を与える世代だ。
2006年4月、オタク界隈は1つの大きなミームを経験した。いわゆる「ハレ晴レユカイ」ブーム。
このハレ晴レユカイの影響度は物凄く、当時の表現を借りて言えば、当時の中高生はネットだけでなくリアルでもサブカルチャーを楽しむという青春を送った。
もしかしたら世代が少し上だと信じられないかも知れないけど、昼食時に放送委員が好きな音楽を流して良い制度がある中学校高校では昼食時にハレ晴レユカイだけでなく様々なアニソンが流れるという激変が起こったんだ。
信じられない?当時なにが起きていたか当時学生だった私が語ろうじゃないか。
私よりも世代が上の先輩の皆さんにも友達とカラオケに行くというシチュエーションがあったと思う。
もちろん私の世代でも友達とカラオケに行ったんだけど、カラオケに行く場合に持ち出していた定番アイテムがあったんだ。
それがSONY PlayStation Portable、通称PSP、つまりモバイルゲーム機だね。
2004年に登場したこのモバイルゲーム機は口コミで学生の間でどんどん普及していった。
当時はiPodなどが登場して注目を浴びていたんだけどiPodになくてPSPにある機能がゲームが好きな男の子だけじゃなくゲームに興味のない女の子にも刺さった。
もしかしたら今の時代ゲームに興味のない女の子と口にしたら怒られてしまうかも知れないけど、PSPの特殊性はゲームソフトを所有してないのにPSP本体だけは持っているという普通に考えればおかしな状況を生み出してしまったことにある。
ここでいうゲームに興味のない女の子でも持ってるPSPとは、つまりゲームに興味のある女の子だけでなくゲームに興味のない女の子ですらPSPを持っていたということ。
そして何故PSPが学生の定番アイテム化してしまったのか?と言えば、PSPはパソコンから動画を取り込んで再生できる機能があったからなんだ。
このPSPのパソコンから動画を取り込んで再生できるという機能は学生のカラオケ遊びを激変させる。
実はPSPには赤白黄ケーブル(RCAケーブル)が別売されていて、この赤白黄ケーブルをカラオケ店のディスプレイへ接続することによりDAMやJoyサウンドへ配信されていない楽曲を再生しカラオケ店で歌うという文化が興隆したんだよ。
先輩方の中に学生時代はカラオケへよく行ったという思い出がある人ならばPSPのこの機能の衝撃は十分に伝わると思う。
音源をどうするのか?という疑問にも答えよう。
PSPのカラオケ活用の前夜、ネット上では1つの文化が興隆していたんだ。それが「ねとらじ」と「ニコ生」なんだよね。
ねとらじとニコ生では配信者がリアルタイム放送を行うんだけれど、そこで配信者が歌うということがあったんだ。
その影響でニコニコ動画には通称「ニコカラ」という歌詞字幕付きオフボーカル音源がアップロードするユーザーが多く居て、なおかつ、わざわざニコカラにするのだから既存のカラオケサービスでは配信されていない楽曲が多かった。
そんなニコカラをダウンロードしPSPに保存してカラオケ店に持っていって歌う、これこそPSPに人気が出た理由であり、ゲームソフトを持ってないのにPSPは持っている状況を生む理由だった。
更に言えばニコカラを検索するとヒットするのは当時のカラオケサービスであまり積極的に配信されていないアニソンやゲーム音楽、そしてネタ曲、電波ソングが多く、多感な時期の学生はそのぶっ飛んだ曲調や歌詞へ影響を受けた。
もしかした多少サブカルチャーに詳しい先輩であるならば同時期に登場する「ボーカロイド」にもアタリを付けているかも知れないけれど、まさにその通りでカラオケサービスで配信されていないボカロ曲はPSP経由で歌われた。
まだまだあるんだ。
PSPは動画を取り込めて再生できるが、更に言えば動画再生機能も秀逸でボタンを押して動画のコマ送り・コマ戻し・A-B再生なども出来たんだよね。
この機能はダンスを練習する際は振り付け確認で非常に役立つ機能であり、ハレ晴レユカイが学生の中で広まっていく事になる。ここでハレ晴レユカイに繋がるんだ。
私たちはサブカルチャーを歌い、そして踊ってきた世代。
ネットでリアルで「歌ってみた」をして「踊ってみた」をして学生時代を過ごした世代。
青春の中にマンガがありアニメがありゲームがある世代。
そんな私たちは大人になった。
大人になった私たちには参政権がある。私の青春を守るための投票が出来る。
今の子たちは配信者っぽいYoutuberとかボカロっぽいVtuberに夢中みたいなので私は当時を思い出して今の子たちの青春も守りたい。
この世代以降には表現の配慮じゃなくて青春の配慮に見えるってわけか 感情論だけに動かしにくだろうなぁ
すっげー年寄りくさい文章