2020-12-22

どうして私の推しは伸びないんだろう

 数日前からとあるアイドル炎上している。どうやら

・このコロナ禍で

高校生にも関わらず

恋人半同棲していた

らしい。

 彼はその責任をとって、活動自粛するという。


 私ごときが彼の責任アイドルという職業の人の恋愛の是非を問う資格なんてないし、そのつもりも毛頭ない。人間認知判断なんて簡単に歪む。悪気とかやる気とか、関係のないところで巻き起こる事だってあるのだから、ただ活動自粛という事実けがそこにあると思う。担当さんは苦しいだろうな。その気持ちを考えると胸が痛くなる。でも部外者からそこまでだ。


 私はそのニュースを、止まっている車の運転席で目にした。それからおもむろに運転を開始した私の頭の中に浮かび上がったのは、なぜ私の推しは伸びないんだろう、というひどく素朴な疑問だった。


 彼の所属するグループは俗に言う"推され"グループで、年末音楽特番にまだデビュー前の身分ながら出演するらしい。オリジナル曲も、かなりの数持っていたはずだ。毎回違うキラキラした衣装を着て、歌番組ではMC担当しているメンバーもいる。


 そして私が推しているグループは、平均年齢は彼らより幾つか高く、歴も長いが、今年に入ってようやくオリジナル曲を1曲もらえた。ブログもアクスタもまだもらえていない。配信ライブの持ち時間も少ないし、衣装ペラペラの数着をベビーローテーションしている。


 スキャンダルなんて明日は我が身、だ。こうしている間にも推しが撮られるかもしれない。だからうちの子は偉いのに、とか頑張っているのに、とかは思わない。第一スキャンダルを撮られた子だって頑張っていたのには間違いない。だからそれを責めたいわけじゃない。


 でも、こういうことがあると、何ていうのかな、競っているフィールドの中の、今の立ち位置が見渡せるタイミングがやってくる。

 そういうとき、いつも私の推しはなぜ伸びないんだろう、と思う。ここで言う伸びる、は実力がという意味ではなく、人気や数字が、である


 まず単純にファンが少ない気がする。

 私達の努力が足りない、という言葉を時折推しファンが肩を落として言うのを耳にする。確かに推しファンは物分りのいいおとなしい人が多いという感覚がある。だからSNSも居心地いいし、治安もいい。たまにキツイ人や変わっている人もそりゃいるけれど、みんなうまく対処していると思う。

 反面他に比べて多少のんびりしているかもしれないが、それでもファン努力が他グループに比べて極端に劣っているとも思えない。

 ファン努力として、こちからも見てわかりやすいのが動画再生サイトでの、動画再生回数がある。推しグループは、毎週最下位争いに食い込んでいる。

 見ていなくても空いている時間再生して、再生回数を増やそうというキャンペーンが度々行われているのをSNSで見かける。私も可能な限り再生している。

 でもふと、こんなこと他グループもしているんだろうか、と思う。

 そりゃあ多少はやっているだろう。でもそれだけで再生回数が負けるだろうか。やっぱり母数が少ない気がするのだ。

 どうして私の推しは伸びないのだろう。

 他の推されているグループと比べても、外見とか動画面白さが他のグループに"負け"ているということはないと思う。特別面白いとか、橋○環奈並みのルックス兵器がいるということはないかもしれないけれど。

 もちろん抜きん出ていると感じる部分もある。実力的に極端に凹んでるなんてことは、他のグループも含めてないだろう。まだ、実力だけ見たらみんな横並びだ。 


 玄人向けすぎるんだろうか。もう少し王道に寄っていったほうがいいのかな。でも言い方はあれだが、王道が似合う人であれば今頃王道グループにいるだろう。今の道が彼らには似合っていて、王道でないことが大きな魅力であると感じる。それに今更レッドオーシャンに突っ込んでいく価値を感じない。


 単純に知名度が低いのだろうか?

 消費者の目に触れる機会が少ないからか?

 どうして?

 どうして私の推しファンの数が増えないのだろう。

 どうしたら、私の推しは伸びるのだろう。

 夢のリミットは、いつなんだろう。 


 私は今の彼らの飾らない空気感や優しい心が大好きだし、できることなのんびりと、"凛々しく果敢に"彼らが思う道を突き進んでいってもらいたいと思う。短いMC時間ほとんど全てをファンへの感謝言葉に使い、雑誌で控えめに夢を語る、そんな彼らをとても誇りに思う。


 だからこそ考えてしまう。どうしたら、彼らが有名になれるのか。夢のリミットが伸びるのか。


 彼らがこのままでいてくれるなら、どこへでもついていく覚悟はある。でもそれで彼らの夢か叶うんだろうか。


 私は何ができるんだろう。


 とまあ色々グチャグチャ言ったが、結局今日特別なことは何も出来ず、口を開けて怠惰動画配信を待つばかりである。そんな私の背中を彼らは今日も押してくれる。


 他人なんて関係いね、今が良ければ幸せだね、って言えるところってあるのかな、とつぶやいて、車のエンジンを切った。

 推しの載っている雑誌を買うために、気持ち悪いほどニヤニヤしながら。

  • イズ…

  • たぶん同じアイドルのファンだから反応 ファンの母数は間違いなく少ない つべや諸々告知ツイートの反応からも感じる 顔は特段悪くないと思う (最近の某誌はせっかく裏表紙だった...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん