2019-09-04

セルフネグレクトから脱却した話

5月末に、玩具企画デザイン仕事を辞めました。

原因は、元営業から独立した定年間近の社長の、業界への無関心・無知によるモチベーションの低下。全く畑違いの食品関連のビジネスを始めようとした社長胡散臭いセミナーに参加するために地方出張に行ったあと、がらんとした職場で「わたしは何のためにここにいるんだろう」と、心の中で何かがぷつりと切れるのを感じました。

そして何より、事務所の上階に住んでいる社長の娘さんが、何らかの精神疾患により頻繁に罵声を上げながら事務所に飛び込んでくるようになったこと。彼女の身内である社長からその事について何も説明はなく、聞いてもはぐらかされました。いつ彼女が来るかわからないという恐怖でイヤホンを外せなくなり、これはおかしいと気づいて辞めました。

疲弊していたせいか、部屋は完全にゴミ屋敷でした。本、書類お菓子シリアルの袋、ゴミ段ボールが堆積し、足の踏み場もない状態。いわゆる「セルフネグレクト状態だったと思います

同時期に個人的トラブルも起こり、長年の趣味であった二次創作同人誌制作に全く興味を持てなくなってしまいました。

仕事を辞めたあとは、一日中外にも出ず、ゲームをしながらシリアルだけを食べる日々が続きました。ひとり暮らしなので、食事を作ってくれる人も話し相手もいません。

それでも仕事に行かないだけで精神は少し回復し、同人誌は無理だけど何かやってみようかな、という意志が復活するのに時間はかからなかったです。部屋をほんの少しだけ掃除して、小さなフィギュア作品シリコン型取り・複製などをやってみたり、プラモを作ったりしてました。

そんな中、ひとつの転機がありました。「ゲームしながらシリアルばっかり食べてるよ」と友達に話したら、それを友達Twitterに書込み。それを見た友達フォロワーさん(わたしとは面識ない)が「ちゃんご飯食べな」と言ってくれたのです。

些細なことだけど、第三者的に見てもわたし食生活やばいんだということに気づけたし、そう言ってくれる人がいるということが嬉しかったです。

それがきっかけで、自炊をするようになりました。友達に「料理ゲームと同じだよ、やればやるだけレベルが上がる」と言われ、うまくできなくても「レベル上げ」のために毎日作りました

これがよかった。自炊し始めたら、以前はスーパーに行ってもぼんやり無為に買い物をしていたのが「これを作ろう」という意志を持って買い物をできるようになったのです。「マリーのアトリエ」みたいに、これとこれがあればこれを作れる、料理ってそういう事なんだ!錬金術みたいで楽しい!と気がつき、目の前が開けたように思えました。

料理をするためにキッチン周りを片付け、清掃しました。作ったものを置いて食べるために、ちゃぶ台を片付けました。ちゃぶ台から下ろしたものを整理するために、部屋を片付けました。ゴミを捨て、散乱していた服をタンスにしまい、不要品はメルカリに出品するなどして処分。山のようにあった落書きは、必要ものだけスキャンして捨てました。昔の仕事資料なども一部データ化して処分。中にはあまり良い思い出のない仕事もありました。片付けるというのは、そういう思い出を断ち切るということでもあるのかなと思いました。

「何をどこにしまうか」を決め、必要な時にすぐ取り出せるようにしました。頻繁に使うものは出しやす位置に置き、そうでないものは明確に場所を決めて少し奥にしまう。汚れていたところは綺麗に清掃し、また汚れがたまる前にこまめに掃除する。そういう当たり前のことを毎日少しずつ進めていき、部屋がキレイになった頃には、作れるごはんレシピも増えてました。

書類に埋もれて行方不明になっていたリモコン発見され、全くつけていなかったテレビをつけるようになりました。BDDVD映画を何本も見て、今まで興味のなかったものにどんどん惹きつけられていきました。

片付けてみてわかったのが、「これでようやくしっかり休める環境になった」ということ。住環境食生活自分の一部であり、そこのケアを怠った状態では、心の回復は見込めなかったと思います精神的にはまだ少し休養が必要状態だと思いますが、辞めた直後に比べたらかなり回復したと思います。今の状態に辿り着くまで3ヶ月かかりましたが、幸い僅かな貯金と稀に頂くフリー仕事があるので、今しばらくは気長に治していこうと思います

同じような境遇の方がこれを読んで、こういう人もいるんだなと思ってくれればと思って書きました。

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