37歳、独身、男。
良かったことは、自宅近くの人気のない路上だったこと。
電車の車両や駅などの人が大勢いるところだったら、持ってるポケットティッシュで
尻を拭かずに、飲み込んで窒息死を選んでいたかもしれない。
帰り道の電車内でお腹に違和感を感じた。 もう次の駅が最寄り駅になったタイミングだった。
最寄り駅につくまでの時間が長く感じつつも、降車駅に到着し慌てて駅のトイレに駆け込む。
個室に入り、ズボンを下ろし、我慢していたものを全て吐き出した。『間に合った。』と感じ、安堵した。
でも、出すものは出したし家までは持つだろうとたかをくくってしまったのは敗因だった。
また、念入りにお尻を拭いて肛門の周りが痛くしてしまったのも良くなかった。
駅から家まで3分の1くらいまで到達した頃、再び猛烈な腹痛に襲われた。
しかも、駅のトイレで粗方固形物をだしてしまったので、より液体状になっていた。
肛門も痛いが頑張って締めた。でも、少しづつ漏れているのではないかと疑心暗鬼に駆られた。
今すぐ走って家まで帰りたい。でも、走ったら肛門が緩んで漏れる。走れない。
波状攻撃で来る腹の痛みに何度も襲われながら内股になって歩いた。
帰り道の駅から家まで3分の2くらいのところに、下り階段がある。
階段を下った時だった。漏らしたのは。1段、1段降りるごとに漏れるうんこ。
疑心暗鬼が諦めになった瞬間だった。大きくため息を付いて、肛門を緩めた。
すごく気持ちよかった。
途中自転車の人とすれ違ったけど、夜だし気づかなかったみたい。
家について、トイレに駆け込みパンツを下ろしたら、やっぱり漏らしてた。
以前はただ、新しいものを受け入れるのは億劫でそもそも興味がわかない、ということだと思っていた
あんな新しいものどう扱っていいかわからん、気が進まん、という風に
しかしそれは違った
自分は今まさにおっさんに近づいているが、元来変わったもの好きだし、幸い新しいものにまだ興味はある、意欲もある
若い人にとっては新しい興味をひくモノ、しかし長い時を歩んできたおっさんからすれば「昔そういうのあったな」という風に、たぶん脳みその構造上、自分の過去の経験に照らし合わせて、似たようなモノにうまくカテゴライズしてしまうんだろう
そしてその「はいはいまた焼き直しね、ちっとも進歩ねーな」的知ったかぶりの態度こそ、若い世代からすればわけのわからん難癖つけて結局手を出さないおっさんそのものに見られているのだ
歳を重ねるにつれて「新しく見えないモノ」はどんどん増えていくに違いない
恐ろしい、恐ろしい
模範解答なんてなくて、ただそれを聞いた時の反応が見て、価値観の一端を見たいだけ。