2020-07-21

私が死にたかった時、私は幸せだった

直接メッセージを送る手段が無いからここに書く。

みんな色んなことを言う。あんなに売れてるのに、あんなに人気なのに、あんなにイケメンなのに、あんなに笑顔だったのに。

価値観を鏡のように映している。

売れているのに、という人は、社会的地位が安定して高収入なら人生安泰…と思っているのだろう。

イケメンなのに、は容姿が優れていれば、自己評価も高く異性にもモテ幸せ人生のはず…と思っていて、

先輩や仲間がたくさんいたのに、は信頼できる人に囲まれていれば辛いことがあっても乗り越えられると思っている。多分。

私が死にたかった時、私は幸せだった。

仕事難易度はそれなりで、残業は少し、ちょっとならサボれたし、怖い上司もいない。

給料は同世代の平均よりちょっと下ぐらい。

通勤は片道20分くらいで満員電車に乗らずに済んでいた。

大好きな趣味もいくつかあって、友達と遊ぶ予定もあって、職場でもらったお菓子は美味しいし、今日晩御飯なにしよっかなーと思いながら仕事終わった1830ぐらいにスーパーうろうろして、

死にたかった。

正確には死につきまとわれていた。

数年前の話。

不安気持ちがずっとあった。

でも原因となる出来事は何もなかった。(正確には「あった」のだが、これは後述)

将来の心配は多少あったけど、仕事があって友達がいて健康からそこまで気にしてなかった。

職場の人は、ちょっと感じ悪い人もいるけど別に怒られたりいじめられたりしてない。みんな落ち着いてて、コミュニケーションちゃんと取っている。

趣味の予定もたくさんあった。(オタクなので、イベントライブなど…)

不安気持ちが生まれる原因がまったく分からなかった。

生理前にイライラすることが多かったのでたぶんPMSだろうと思って、サプリを飲んだり漢方を試したりした。

でも不安気持ちはどんどん大きくなっていった。

不安気持ちをモノに例えると…、もやもやした雲のような形で、わたしのまわりを漂っていた。

雲が小さくて、自分が元気なときは手で振り払える。

(振り払う方法 好きな音楽を聴いて気分転換、美味しいものを食べる、友達とおしゃべりなど)

たまに濃くなったり重たくなったりするとなかなか動かせない。

(なんとかする方法 ひらすら寝る、長風呂号泣、怒る、どか食い)

最初は小さくて薄い雲で、大きくなったり小さくなったり、でもうまくコントロールできてると思ってたのに、

だんだん大きくて重い雲の状態が長くなってきて、目の前をふさいだり肩にまとわりついたり、寝てるときに胸の上から押しつぶすように乗っかったりするようになった。

不安の雲に邪魔されることが多くなってきて日常生活に支障が出てきた。

ごはん食べてるときに急に目の前にやってきて、突然不安になる。食事してるだけなのに。

仕事で打ち合わせしてるときにやってきて、なんともないルーチンワークでも不安から焦りが生まれ失敗する。

自転車こいでとき、お風呂入ってるとき

突然、ふっとしみ出すように、原因不明不安が襲ってくる。

心配事なんて何もないのに、ただ心だけが不安になる。

そんなのが2年くらい続いてた。

だんだん疲れてきた。

ある日(確か金曜だった)仕事から帰ってきて、ごはん食べてお風呂済ませて、明日休みから…ってツイッターしながらダラダラしてたら、また大きくて重い不安の雲がやってきて、体を包み込んだ。

耐えかねて、もういい加減にしろよ!なんなんだよお前は!!と叫んだ…と思う。

原因なんてなにもないのに、なんでこんな目に合わなきゃならない。

怒って、不安の雲をバリバリに引きちぎった。

(引きちぎるのは例えで、不安の正体を考えて、こんがらがった自分感情をひもといて、自分感情認知しようとした。)

雲のまわりのワタを取ったら中に黒いものが入ってた。

これなんだろうと思って覗いてみたら、「死にたい」って書いてあった。

びっくりした。

え、わたし死にたい」のか。いやだ。死にたくないよ。

こわい。死にたくないのに「死にたい」って思ってるの?こわい。

なんで。こっち来ないで。わたしやることいっぱいあるし、やりたいこともいっぱいある。明日休みなのに。なんで。

死にたくない。自分自分じゃなくなる感じがした。

狂いそうだった。

確かツイッターで「早く人間になりたい」ってつぶやいて、すぐに消した。

不安の雲は私の「死にたい」を隠していたらしく、私はそれを自分で引きちぎって取ってしまった。

次の日から不安の正体=「死にたい」がそのまま私のまわりをうろつくようになった。

ごはん食べてるとき

仕事電話とってるとき

買い物してるとき

困ったのは線路の前で出てきたとき

あ、これか、この瞬間か。と思った。

この瞬間に引っ張られちゃうんだ、そうか、みんな大変だ…

できるだけひっそり生きようと思ったけど、日常生活のなかで「死にたい」が叶う瞬間はいっぱいあって、避けて生きるのも限界だと思った。

このままだと私は「死にたい」に殺される。

死にたい」は呪い人形みたいだった。

ゴミ箱に捨てても、山に埋めても、海に流しても

家に帰ると机の上にある呪い人形みたいに、

友達ご飯行っても、ライブで感動しても、美味しいもの食べても。これでもう大丈夫!と思ってもしばらくしたら目の前に居る。

こわくてこわくて、半泣きで生活してた。

殺されないために何とかしないといけない。

自分の「死にたい」には一定の周期があって、生理周期と連動している部分があった。

月経がはじまると肉体の猛烈なだるさと痛みが勝り、死にたい一時的に消える。

(でも肉体の辛さが精神の辛さを上回ってかき消されているだけなので快適ではない…)

この状態から、PMSの悪化版PMDDではないか?と目星をつけた。

うつ病にしては食欲がありすぎるし周期があるし、なにより月経中のだるさと痛みがすごいから、月経不調に詳しい婦人科に行くことにした。

病院選びは今後の人生を決める、慎重に選んだが合わない病院なら即やめて次に行くと考えた。

政令指定都市に住んでいるので選択肢が多いことが幸運だった。

初診なので電話予約し現状を説明するのだが、絶不調メンタルのしどろもどろの説明でも診察項目に月経不調を掲げているだけあって理解してもらえた。

人気病院から予約が詰まっていた。直近だと空きがないかも…という状態だったが、

受付の方が「でも辛いでしょう、はやく診てもらいたいよね?時間が調整できないか調べますね」と言ってくれた。

最終的に、ちょっと中途半端時間だけど…と言って予約を入れてもらえた。

別に時間帯はどうでもよかった。

「いま辛いよね」と言ってもらえたのが衝撃的で、電話が終わってから泣いた。会社の休憩室で。(誰もいなくて良かった)この悩みは誰にも話していなかった。

病院では、PMSPMDD子宮内膜症について色々説明をうけた。(ただ全部ネットで調べまくった情報と同じで復習の感じだった)

提示された治療方法は3つ。

低用量ピルSSRI漢方

どうしても漢方がいいなら出せるけど、僕はあんまり漢方詳しくないから他院を紹介するね。詳しい先生のほうがいいからね。SSRI抗うつの薬だけど親御さんが服薬を嫌がることが多いねあなたお一人で暮らしてるの?それならまあいいね。でもあなた月経痛も酷いと言うことだから、まずはピルを飲んで頂くのがいいと思います

ピルも色々種類があるんだけど、うちで取り扱うのはこれ、この表にあるやつ。このなかで一番軽いやつをまず一ヶ月試して、一ヶ月後にまた来て頂くということで。でもこの薬は副作用とか、合わない人もいらっしゃるから。あとでしっかり説明しまから

あとこの薬はね、これを飲んですぐ健康になるとか、元気なるとか、そういうものじゃないからね。

結果はすぐ出るものじゃないし、様子見て、合わなかったら他のお薬に変えます

時間がかかるからね、急がないでゆっくりやりましょうね…

月経困難症の治療薬として低用量ピルを処方され飲むことになった。

先生説明は今思うと当然だけど、当時はすぐ元気になりたかたから、ちょっと残念だった。

ドラゴンボール仙豆みたいな薬が欲しかったなあ、ひとくち食べたら疲れも痛みも不安も全部ふっとんで元気になって…

でもそれって現実世界だと覚せい剤とかだよな…と思った。

真面目なクリエイターがおくすりやっちゃうのってこういう状況なんだろうか、ちょっとかわいそうだと思った。

薬は次の月経がはじまったら飲む、というスケジュールだった。

その日がちょうど生理が終わったくらいの日で、薬が飲める日までだいたい2~3週間ぐらい。

まだ飲めないのか、早く飲みたい、もう10錠ぐらい一気に飲みたい、でもこれは一日1錠、早く飲みたい…

いや、これを飲めばなんとかなるかもしれない薬をわたしは持っているんだ、前のわたしとか違うんだ…そう思い込んでなんとか乗り切った。

飲み始めて一か月はほとんど変わらなかった。

二か月~三か月くらいでちょっと安定してきた。

半年ぐらいでだいぶ良くなって、一年くらいたつと不安が生まれることがほぼなくなった。

普通に生きられるようになった。突然涙が出ることもなくなって、ライブ中に感受性が突然「無」になることもなくなって、「死にたい」もなくなって、目の前にあることを普通にとらえることができるようになった。

薬が合ったので治療成功した。今も飲み続けている。

死にたいのは本人の意思じゃないと思う。

たぶん。

自死を選ぶ直前の人を保護して病院に連れて行ったら、います治療を開始しましょう!

ってなると思う。だいたいは。

それで治療してお薬飲んで病気が良くなったら、100%元通りまでいかなくても自死は選ばないと思う。

から自死を選んでしまうのは病気のせい。

病気じゃなかったらそんなことは選ばない、だから本人の考えや意思じゃない。

病気が原因、だから自死じゃなくて病死が正しい表現だと思う。

わたしが死にたかった時わたし幸せで、

ひとりぼっちじゃなかったし、いじめられてなかったし、楽しいこといっぱいあったし、仕事は安定してたし、ちゃんとした収入もあった。

誰も悪くなかった。幸せだった。ただ、病気だった。

からあなたのせいじゃないと思います

それを伝えたくて書きました。

あなたのせいじゃないです。

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