はてなキーワード: プラスチック爆弾とは
プラスチック爆弾とかそれぐらい重ければ気づくのかな
なんかモヤモヤした。
全体的に面白かったんだけどね。
泣かしどころかと思ったらそっちか!ってなったし。
最後の流れ
みたいな。
なんつーかカイルは救われてないんじゃないのかと。
結局キャンビーは社会的に制裁は受けるっぽいけどカイル死んじゃってるしね。
最後、プラスチック爆弾付ベスト(実際はただの粘土)を着せられた
キャンビーに向かってカイルが言うんだ、謝れ、って。間違ってたと言えって。
銃を突き付けられ、起爆装置のリモコンを目の前にかざされ、脅された状態で
キャンビーは悪かった、wrongと叫ぶ。
それを聞いたカイルは納得したかのように、目的が達成されたかのようにリーの方を振り向き
起爆装置をキャンビーへ放り投げる。(スイッチから手を離すと爆発する設定だったが実際は粘土なので爆発はしない)
瞬間、周りを取り囲んでいた狙撃隊から発砲され、カイルは命を落とす。
キャンビーの企みによって全財産を失わされ(自業自得の面があるにせよ)
テレビ局に乗り込んでキャスターを人質にとってまでやりたかったことが
悪かった、といわせることだったのかなぁと。
エピローグ、ニュースで、キャンビーが起爆装置を放り投げられた時に慌てふためくカットが
コラ動画としてvineで拡散しているというニュースがあった。
今っぽいなぁと思った。キャンビーがしたことに対して、規制を強めようという動きが出るとか。
なにかしらの運動が起こるとか。そういうんじゃなくて、面白おかしく編集して
嘲り笑う対象にするだけで終わり。(海外なんちゃら法で罰が与えられるってニュースもあったけどさ)
みんななんとかならないかな、と思っているんだけど、なにもしない、なにもできない。
周りには野次馬がたくさんいて、番組でやっていたダンスを踊っていたり、カイルを応援していたり。
またウォール街占拠だ!って息巻いていたり。
でもカイルが、イヤホンをリーに渡しに来たロンを撃ってしまう。
カイルはその中で、違うんだ、間違っただけなんだ、と独り言ちる。
やっぱり、解決してないんだよね。この一つの事件としては一定の収束をむかえたけどさ。
ジョディ・フォスターが答えを示してないって言ってたっけ。うん、問題提起の映画なんだなぁと。
この先どうなるんだろうね、どうしたいの?って聞かれてるみたいだった。
彼女との関係がぷっつりと途切れたのは、秋の連休のまっただ中で、それも告白をして欲しいという要望に応えた直後だった。告白に失敗したのだろうと言われれば、まったくのところその通りで、彼女のなにかに達していなかったことを突きつけられて、愕然とした。
ぼくの告白が、彼女ではない部分に対してされているのだといい、電話を一方的に切り、電源を切り、それから逃げるように電話番号まで変えてしまう。それは疾風のようなはやわざで、のんきなぼくがあっと口を開けている間にすべてが済んでいた。
嵐のような撤退劇。
無音になった携帯電話をにぎった右手をあわてて放す。
あちっ。
社会人になってもう何年も経つのに、ついさっきまで高校生だった子を口説くなんて犯罪じゃないかと、友人は笑って言う。
「うるさいな、仕方ないだろ、なりゆきでこうなっちゃったんだから」
「惚れてるの?」
「うっさい」
「じゃあ、あれだ、きっとどこか問題がある子なんだ」
問題じゃない、心の傷。
そうぼくは反論するが、仲間内ではぼくはメンへラーハンターということになっていて、そういう子を見つけるとつい手を出してしまうことになっている。手を出すといってもなにか対価を求めるわけではなく、ただ単に話を聞いたり、問題を解決したり、足りないものを足したり、そういうことをする。
さとしたり、なだめたり、たのしませたり、いっしょに哀しんだり。
そうやって元気になっていく姿を見るのが、ぼくは好きなだけなのだと思う。
だけど、その心の傷の周りには、地雷のようななにかが埋まっていることが多く、うっかりそれに触ると、大やけどをすることになる。
「それで、どんなの子なの? その短大生」
興味半分に聞く友人に、ぴったりの言葉を探す。
「テロリストかな、ひとことで言うと」
彼女と出会ったのは叔父のささやかな個展で、芸術短大生だとなのる彼女は、叔父の作品を見て端的に批評した。
その剣幕に叔父もぼくもあぜんとしていたが、なにか切羽詰まったように批判する姿はそれでも心に残った。
「うーん、まあ、そういう見方もできるね、でも、あまり変わってないよ」
叔父はぼろくそに言われたにもかかわらず平然と答える。
あとで分かったことだが、彼女は自分に主導権がないと極度に怯えるらしく、そのときもしきりにマシンガンのようにだめなところを語って帰って行った。
彼女が帰ると、またもとの閑散とした個展に戻り、ぼくはほっと息をついて聞く。
「つらくないの? あんなに言われて」
叔父はああとつぶやき、まばたきをして、答える。
「でたらめなんだ、あれ。たぶん彼女、真剣に絵を描いたことがないんだよ」
叔父の話を総合すると、彼女の話はたしかにうなずけるところもあるが、話の80%ぐらいが憶測で話されており、それを指摘しようにもあのマシンガントークの中では、それを断念せざる終えないとのことだった。
「きっと批評に熱中するあまり、絵と向き合うことを忘れているんだ。どんな絵にもいいところはあるのに」
彼女のその批評は、周辺の個展でも繰り広げられたらしく、知り合いにそれとなく尋ねると、ああ、来たねと話が弾む。
「なんでも短大の有志であちこちの個展を批評して回っているらしいね」
「まるで、ゲリラ活動というか、絵を見に来ているのか、相手をけなしたいだけなのか、ほんとさっぱり」
そんな彼女の航跡を追い、話の断片を集めているうちに、次第に彼女の全貌が見え始める。
まあ、よくある話。
ぼくが追いかけてきた心の傷たちには、つらすぎることが多すぎる。
そんなものたちに囲まれていると、自分の周りのいいところが見えなくなる。
なにもかも世界がまるっきりだめなものに見えて、いっそ破壊してしまった方がいいのではないかと思えてくる。
それは分かる。
ぼくもテロリストだったことがあるから。
ぼくのテロリストとしての最盛期はたぶん彼女と同じぐらいの時で、なんでも世界中を破壊して回った。そうやって破壊していく自分がなにかかっこういい気がして、まるで、不良高校生のようにいきがって見せた。
といってもそれは実際に破壊したわけではなくて、その世界の本質を知りたくて、なにもかもをぶっ壊してみたという感じに近い。
たとえて言うなら、ウェディングケーキ。
幸せな結婚式場に乗り込んで、その甘ったるいクリームに両手を突っ込んで、中になにがあるのかを掴んでみようとする。クリームだらけになって、気持ち悪さに眉をひそめ、それでもその真ん中に、鉄の心棒が入っているのを掴んで、ゲラゲラ笑う。
しかしそれは醜悪なテロリストであるにすぎず、他の人が踏み込まないタブーを侵しているから他の人にできないことができていたにすぎない。
たとえばプラスチック爆弾を使う、カラシニコフを使う、火炎瓶を使う。
なぜ他の人が使わないかは明白で、それを使うことが、本来であればたいせつな守るべきものを破壊してしまうからだと、ぼくは気付かなかった。
颯爽とした自由を感じていたつもりが、それは単なる自損行為だった。
そうやって鋭さをむき出しにして、なにもかもを破壊して回って、悦に入っているうちに、自分を包み込んでいたすべてを破壊してしまったことに気付く。鋭い刃のほとんどは自分の心に向かって突き刺さり、自分で自分の息の根を止めてしまうに至る。
それがテロリストの末路。
だから、彼女を止めたくて仕方なかったのだ。
彼らは自分たちのやり方で、自分たちの幸せを作り上げ、作り方を知っているから、破壊されてもまたすぐに作り直してしまうよ?
結局壊れるのは自分だけだし、そのネガティブだけに染まって生きるのは危険だよ?
ぼくはもう耐性ができてしまったから、なにをしても心配がないのだよ?
しかし、ぼくは思うのだ。
あのテロリストだった頃のぼくにそれを言っても聞いただろうか、と。
彼女とふたたび出会ったのは半年もたった後のことで、叔父が個展を開くというので、開口一番に手伝いに名乗りを上げた。
案の定、彼女は個展が開くなりやって来て、例のマシンガントークをはじめようとしたので、ぼくは止めた。
「ねえ、こうしませんか? その批評に、他の人の批評も加えませんか? 叔父の絵を、個展に来る人はどう見ているのかを聞いてみませんか? ここで静かにそれを見ませんか? 礼金は払うので」
叔父を見ると、にやっと笑う。
「はがきは二百枚は出したかな」
「じゃあ、来るのは五十人ぐらい」
それは取るに足らないと彼女が考えているのは明らかだったが、そのたこつぼの正体を見ることには同意してくれた。
それからというもの個展開催中の1週間は毎日のように顔を出し、そして普段の激しい様子は出すことなく、猫をかぶったようにその成り行きを彼女は見つめた。
個展と言っても1日に数人来ればよいような閑散としたありさまで、叔父はそれをのほほんと受け止め、コーヒーを入れて、陽光を気持ちよさそうに浴びていた。3人に会話はほとんどなく、あってもちょっとした細々とした用事に必要な会話だけで、静かに漂うような時間だけが過ぎていった。
たまに来るお客には叔父は丁寧に接し、一時間も二時間も親しげに話した。
「これじゃあ、たこつぼどころか、単なる仲良しサークルじゃない」
珍しく彼女が言うので、ぼくはあきれて言う。
「まあ、そんなもん。ずっとそうだよ」
「え? でも、上手いよね? 少なくともいま売り出し中の××よりは」
ぼくはぎょっとして彼女を見る。
その純粋な瞳がぼくを射る。
(この子はいったいなにが分かってなくて、なにを知らないのだろう?)
叔父がのんきに言った。
「上手い下手ぐらいはさすがに分かります、本業ではなくても、画家ですし」
「じゃあなんで?」
叔父はのんびりとコーヒーをすすり、言う。
「これが気に入っているのです」
結局のところ叔父の個展で売れたのは20万の絵がひとつで、老人ホームに入るおばあちゃんが冥土の土産にと買っていった。
「夢に出てきちゃってねえ」
などという。
叔父はそれを快く譲り渡し、お金を貰って、ほっと息をついた。
彼女がどのような感想を持って帰って行ったのかは、実のところいまでもぼくは知らない。しかし、叔父は彼女が携帯電話を忘れていったことに気付いて、それをぼくに渡す。
叔父は言う。
「それが目的だったんだろう?」
正直そういうところをずばずばついてくる叔父は、苦手な部類に入った。
「うっさい」