2024-10-12

今日異世界行ってきた!

今日仕事休みで、やらなきゃいけないことは山積みだけどやりたいことは特になくて暇だったか異世界探して行ってみることにした。

(実は異世界は実は気軽に行けるのだ。車がなくても自転車がなくても。その気さえあればだけど)

外に出たらほどよい日差しが降り注いでて、透き通っててどこまでも遠くに見える青空の下で爽やかな風が吹いていた。いい日和だ。夏といえば海だけど、秋といえば異世界だと思う。

20分ぐらい調べて見つけた異世界場所Google Map上で車で15分、徒歩48分の距離だった。車で行ったら折角の旅が勿体無いので歩くことにした。

道案内はGoogle先生に任せて、Apple Watchに進む方向を指示されるまで周囲を見渡しながらのんびり歩いた。

道中、普段は気に留めていなかったような場所に「神と和解せよ」とか書いてある謎のブリキ看板を見つけたり、知らない和菓子屋のぼりに「◯◯町の銘菓!おもちバー」って書いてあるの見つけて、聞いたことね〜って思いながら店先を覗いてみたりした。見てみたけどやっぱり知らなかったし、何だったら検索しても出てこなかった。もう既に異世界に足を踏み入れていたらしい。

しばらく歩くと畑が続くようになって、腰ぐらいの高さのあるハスの葉の群れを横目に、半分透き通った若草色の川の側の農道を歩きながら、うっかり風に乗ってきた堆肥匂いダイレクトかいじゃって、うわ臭っ、なんて思いながらも、故郷の川の近くにもヤギ小屋があったな〜なんて思い出したりした。やっぱりどこの世界似てるところはあるもんだよね。

それから歩き続けたらよく分からんドームみたいな施設見つけて、小学校ジムかな〜なんて思いながら調べたらまあまあ大きな宗教施設で、ウワッって思ったけど、神社なんてどこにでもあるし、それぞれ何宗かなんて気にしたこともないのにわざわざウワッてなるのも変かと思い直した。あ、そういえば塾で一緒だった違う中学校同級生、親が何かしらの宗教信仰してて、高校受験と同時並行で自分信者になってコミューンの一部として生活するか決めなきゃいけないらしくて忙しいらしかったな。話したこともなかったけれど、君は今どんな世界に住んでるんだろうね。

目的地が近くになって、次第に道ゆく人が増えてきた。たくさんの人が自分と同じ方向に向かって歩いていた。この中の何人が異世界人なんだろうか。それとも全員皆んな異世界人なのか。

(まあでも、今はこうして同じ場所にいるんだからなんでもいいんだけど。)

そうして、みんなで3m幅ぐらいしかない踏切ベビーカーに道を開けたりしながら渡った。

目的地は神社境内でやってたマルシェキッチンカーとかテントが集まって、雑貨やら食べ物やらアクセサリーやら売ってた。

一先ず入り口付近キッチンカーカフェラテを注文した。700円の消費活動ハンチング帽被ってて半分だけ金髪に染めた人が、鮮やかなプールの色したケトルとコップでコーヒーを淹れて、プラスチックの容器に明治おいしい牛乳と混ぜながら入れてくれた。ストロープラスチックだった。こっちの世界じゃ紙ストローは普及しなかったらしい。羨ましい。

カフェオレ飲みながらぶらぶら歩く。果物野菜が安く売ってたり、パフェグラスから無農薬黒米までとにかく色々売っている店があったり、マリンバ売ってたり、中華料理弁当屋があったりした。インスタ映えしそうなオシャレなケーキ屋やソフトクリーム屋もあって、カップル家族が列をなしてた。中華料理と印象の残らないオシャレスイーツがあるのはどの世界でも共通っぽい。

ああでも、まさジイの盆栽、みたいな店名で芝生が生い茂った丸い植物みたいなのが売ってて、そこにも列ができてたのにはちょっとびっくりした。まさジイはワクワクさんみたいな丸メガネかけたおじいちゃんで、商品の置いてある棚に自分写真印刷してPOPにしてあった。かわいかった。こっちだとこういうのもウケるんだな。

更に歩くとニンニク匂いがして、ニンニクチップスのキッチンカー神社の門の前に鎮座してて、そこで買い物したらしき人がニンニク匂いを漂わせながら神社境内を歩いていた。神様自分を祀る施設ニンニク臭くなっても怒って祟らないんだろうか?まあなろう系の転生もので見かける神様とか大分適当だし、異世界ならそこら辺もゆるいのかもしれない。

しばらくうろうろして、気も済んだので帰ることにした。帰り際にイヤーカフを一つ買った。800円の消費。こうして異世界に行く度、行った証拠として何か一つ買うことにしている。証拠は消えないものがいい。身につけられるものだと尚いい。戦利品というか、身につけていると自分のし冒険を思い出せるので楽しいのだ。

そうして帰りもGoogle mapApple watchに任せて歩く。とんでもない方向音痴なのでこの二つがないと無事帰れる自信がない。残り充電18%の中、先ほど通った農道が農耕車で塞がれていたり柵の向こうからヨボヨボのチワワにじっと見つめられたりしながらも無事見覚えのある道に辿り着く。その頃にはもう、ふと振り返ってもやっぱりもう自分がいる世界しかない。異世界旅は楽しいけれど、この瞬間だけは少し寂しくなる。一度行った異世界にはもう二度と行けない。出会いはその時々で一度きりで、同じものは二つとないから。

それでも、異世界から持ち帰ってきたイヤーカフを見る度、あの日のことを思い出せるからそれでいいとも思える。

異世界ってやっぱりそういうものだし。

  • 🐊「生きとし生けるものにはすべて太陽が必要なのだ・・☀️」

  • 【要約】 筆者は、やることは多いがやりたいことがない休みの日に、ふと「異世界」に行くことを決意。異世界とは特別な場所ではなく、日常の延長にあるような場所で、徒歩で探索の...

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