2023-01-15

大怪獣のあとしまアマプラ☆1つ49%という衝撃

いや……まあ納得感はありますね。

減点部分が多くて加点部分がほとんどないので当然という気も。

とはいえIMDb4.5、平均☆2.2というのはかなりイカれた数値の低さがあり、基本的に「完全に見る価値なし」と同義なので言い過ぎな気もします。

というわけでちょっと整理してみます

大まかに減点部分を上げていくと

オチがつまらない

ギャグがつまらない

下品なだけであまりおしろくない

シュール風刺に徹しきれてない

辺りですかね。

加点部分については

オヤジギャグ好きな人面白い

・豪華俳優陣がくだらないことしてるだけで面白い人には面白い

・なんでもいいから色んなモノが馬鹿にされていれば楽しめる人には楽しい

って所かと。

正直言ってこの映画本来は加点部分になる所を自分で潰してる感じがするんですよ。

結局この映画でやりたかったのって「超常的な戦いの後始末を必死にやって結局企画倒れみたいに終わり続ける人間の力の小ささ」じゃないですか。

ギリギリまで頑張ってギリギリまで踏ん張ってピンチ連続をやっと人類が切り抜けたと思ったら、結局は超常的な力が全部解決したけどなんだったんだろう……っていうシュールさでしょう。

でも実際にはそこに徹することが出来ていなかったのが敗因だと思うんですよ。

特に不味かったなと思うのが、政治風刺の一環としてお馬鹿な政治家にお馬鹿なことを言わせて自分自分ギャグに笑わせたりしたことですかね。

これの何が駄目って、「人間人間なりに頑張ったはずなんだけどな……」っていうのが無くなっちゃう所です。

駄目な政治家がのさばっている駄目な日本っていうのをからかうっていうのは、一見すると一石二鳥で狙えそうなテーマなんですけど、それをやりすぎるとお互いに干渉しあって全部崩れてしまう。

もしも政治家がクソすぎて全部だめだって言うならもっと完全にダメダメな感じ、それこそサウスパークシンプソンズのようなレベルじゃないと

フィクションとしては面白くないでしょう。

そのレベルを実写でやってるのだと『26世紀青年原題:Idiocracy)』の「農作物ゲータレードをかけて何故飢饉が起きるのかを延々と人類は悩んでいる」辺りでしょうか。

別に観客は「今の日本政治家の駄目っぷりに皆で憤慨しようぜ」ってノリで来ているわけじゃないし、それをしたいなら「上辺だけは立派そうだけど実際には口先だけ」という感じでいかないと風刺にもなってないんじゃないかと。

そもそもそういう方向に舵を取らず、「人間人間なりに全力を尽くした上で一進一退を続けるが結局上手くいかない」をやるのなら、「ウ◯コ……そうか……水洗便所は臭くない」を真顔で言っていたときテンションでずっとやるべきでした。

実際、「銀杏匂い」を本人たちは完全に大真面目にやっていたパート結構面白かったなと皆感じていると思うんですよ。

こういった失敗は、なまじ有名俳優を使ったせいでテンションが上がってしまい、何となく思いついた「一流の人達に変なこと言わせたら面白くね?」の誘惑に負けた感じがあります

あとは何度も撮り直せるような「程よい規模の小ささ」も生み出せなかったのかなと。

そもそもの原因としては「監督脚本が同一人物」という権力の集中ですかね。

この映画問題は正直、「脚本の出来の悪さ。コンセプトを捉えきれてなさ」に一点集中していると言っていいでしょう。

やりたいことに対して台詞回しが微妙おかしく、「絶妙空気を作り出すことで内側から笑わせる」というスタンスなのに即物的おかしさを狙ったせいで自分からその空気を壊しに行っている所が多々あります

また、スタッフ監督に「これ面白くないよ」と言いにくい空気もあったんじゃないのかなとも感じます

最後に組み合わせれば面白くなると信じていたが、どう組み替えてもつまらなかったのではという気もしますが。

せめてラストシーンだけでもズッコケ感なり感動感なりを出せればよかったんでしょうが、そこで半端に両方狙いに行ったのは本当まずかったかなと。

最後のシーンをシュールに仕上げるなら「御武運を」のカットは確実に不要ですし、もしも感動に持っていきたいなら政治家達は無言で圧倒される形にした方がよかったでしょう。

ある意味最初から最後まで駄目な所が一貫していた映画とも言えるんですけどね。

この映画の何が駄目って、空想科学テンプレート日本政治家・中高年をどうやって小馬鹿にしていくかについて、「マジメな顔で馬鹿なことをする」をメインにした上で、「とにかく品を悪くする」をサブで使ったことだと思うんですよ。

結局そのせいで「ハイテンポに挟まるしょぼい下品ジョークのせいで、メインであるはずのシュールさが台無しになっていく」を永遠と観客は見せられることになってしまった。

もしも下品をとことん徹底して全てをひたすらくだらない話として描いていれば、そこに偶然シュールな真面目さが自然と加わったりしていい塩梅だったのかもなと。

映画って結局の所、コンセプトや空気世界観を観客に食わせるコンテンツなわけで、そこにおいて方向性を誤ったまま最初から最後まで行くと厳しいなとつくづく思わせる作品でした。

本当に「惜しかった」と思いますが、同時に「惜しかったで擁護できるのはポテンシャルだけであって、客に生焼けのモン食わせたら文句言われるのは当たり前だろ」とも感じてしまます

まあ……私も☆1か2か入れて終わりにしようかと思います

迷いますねー。

ブクマでも見てから決めますか。

  • 「ウンコみたいな映画だった」の一言で終わるだろうに。長々と。

  • 延々と を 永遠と って書く奴の言うことは何も信用しない

  • 面白くないってのはまあそうなんだけど直前にシン・ゴジラがやったからアレの後日談みたいなのを期待してみに行った人も結構いそう

  • 宇多丸か??

  • 一番足りなかったのは無能さの奥行きだと思う。 記憶喪失の選ばれし者()含めて全員が無能なんだけど、その無能さに面白みがない。 たとえばカメラを止めるなが評価されたのも無能...

  • 『監督・脚本:三木聡』 で、だいたい分かるだろ。

    • 面白くないクリエイターは面白くないで済んじゃうのよな。 こういう分析は面白い奴の作品がなぜか面白くない時にやるもの

  • この映画は話題性のある低評価が唯一の価値みたいなとこあるし

  • https://anond.hatelabo.jp/20230115203346   『大怪獣のあとしまつ』と『シン・ウルトラマン』を見て、後者より前者の方が好きだった人間です。 なにが好きかと言われれば、内輪で社会の上層部...

    • 結構書き下ろしてるけど、シンゴジラとかがないとあとしまつも出なかったんじゃないか

  • クソ映画の代名詞デビルマン超えた?

  • きのこの種類が違うのは面白いだろ

  • 亀は意外と速く泳ぐ(2005年) がまあまあ好みだったので 図鑑に載ってない虫(2007年) 転々(2007年) インスタント沼(2009年) と見て(TVは一本も見ていない) 俺俺(2013年) 音量を上...

    • 亀とインスタント沼は俺も結構好きだったな 音量はマジでゴミだった

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