一つ一つの出来事が、あとから振り返って考えてみたときに、線となってつながっていたと理解できるときがあります。
今まで私は、そうした事柄については線として結びつけてとらえるよりも、まるで積み木やパズルのように考えていました。
点が線になるというよりも、積み上げたり組み合わせたり、当てはめたりするような。
そのように日常では考えているのですが、今回のこの一連の事象というのは、ひとつひとつは取るに足らない、無意味に思える点の集合でした。
それが私にとってはとても興味深い出来事であったためこのように書いてみたいと思った次第です。
まず私はゲイであるため、アナルセックスを行う機会が定期的にあります。
昔から性的な欲求を満たすたびに、自分のプレイ内容は決して上手なものではないと考えていました。
誰もが経験があると思いますが、容姿がタイプな人や好きな人とは心の底からの快楽は求めにくいように思います。やはりどこかに理性や遠慮などでブレーキがかかってしまうのです。好きな人やタイプな人とのプレイは興奮はしますが、興奮までのように思うのです。
一方で、性的関係を一時的に結ぶだけの場合、それはそれは興奮する様々なプレイを楽しむことができます。そしてこのとき、より興奮するためには、興奮の先に行くには様々な対応力を求められるのです。
そのように考え、私は一つ一つのプレイの中から、工夫するところや内容を考え、少しずつ自身のプレイを改善していきました。もちろんまったく役立たないように思えることもありました。(私は外でのプレイはイヤですし、露出やそれに近いことに興奮はしません)
ある程度時間をかけて経験を積み、少なくとも下手では無いと考えるようになりました。それは行為後に、いわれる言葉の端々でそれを感じることができます。
例えば、「相性がいい」そのように言われることです。一連の行為の中で、私自身がその相手と相性の良さを感じない場合があります。むしろ相性は悪いように思えることもあります。しかしそういう相手であっても、行為の結果を相性がいいという表現をするというのは、私自身が相手の要望にうまく応えられたのだろうと考えるのです。
もしくはアナルを使ったプレイをするときに、アナルは痛いから苦手とか、あまり気持ちよくないからと、事前に申告される場合があります。こういう時でも、結構な割合で気持ちよかったと評価されることがあります。私自身としては、相手が気持ちよくなってくれればそれだけで満足ですし、それらをテクニックなどを含めた結果として評価されるのであればとてもうれしいものです。
長くなりますがここまでが前半です。
ここから本題。
最近行為をした人で、アナルプレイがまだ慣れていないという人がいました。私はすでに書いているとおり、まあいつものことだろう。そのように考えてプレイに及んだのです。
結果としてプレイ内容については、その人は大満足してくれました。
しかし珍しいパターンだったのですが、プレイの内容について話を聞かれてしまいました。相当遊んでいるのか?とか。どういう考え方でセックスをしているのか。動き方に他の人にはない独特な特徴があるが、それはどういう意味を持つのか。などです。
また次回への課題もその人から言われたのです。入ってしまえばものすごく気持ちいいけど、アナルをほぐすのがもう少し時間をかけてほしいということでした。
プレイ内容については、当然のように説明が出来るのですが、そのときの説明の数々は、すべて私が "他人" に実践していることで、私自身は体験していないことに気づきました。私は痔持ちのためアナルプレイは一人でもできません。
またアナルへの理解が少ないためにほぐす行為も入れるための前段としての位置づけでしかありませんでした。
私の痔については長年のことでもあるため、どうしようもない。でも自身の行為のレベルを上げるにはなんとかしなければならない。ジレンマがありました。
なお私の痔については、おそらくもう10年以上になります。1度病院に行ったことがありますが、いぼ痔だと言われました。
アナルへの欲求は昔からあったのですが、概ね指1本で切れてしまいとても痛いのです。切れ痔はするどい痛みが走ります。
あるとき、アナルの体操によって痔が治るという、ホントかウソか分からない情報を見つけました。Webにあふれるそうしたデマ的な情報のように思われたのですが、コストもかからないのでダメ元で試してみたのです。
※今調べてみたのですが、私がやったのは肛門括約筋を鍛えるという内容のようです。
1ヶ月ぐらいでしょうか。肛門を広げたり狭めたり、力を入れたり脱力したり。それらをずっと繰り返していました。ある程度慣れてきたとき、アナルがいい意味で緩くなってきたことに気づきました。まったく便意が無いときにトレイに入り、肛門を広げるとマレに便が出てくるようになりました。これはかなり緩んできているという実感を得ることが出来ました。
1ヶ月が過ぎたころ、少し前まで本当に痔で悩んでいたのがウソのようにかなり症状が軽減していました。
業界に所属する私にとって、アナルはつねに身近でした。だからいつも努力はしていたのです。しかし痔の前になすすべが無かったのです。そして無理をすれば、数ヶ月にわたって切れ痔に悩まされていました。
でも今の状態であれば、痔は大丈夫。さらに括約筋との対話によってかなり緩くできることも分かっています。そこで指やそれ以外のものをチャレンジしてみたのです。
まず指。人差し指についてはなんら問題無い状態でした。これもまずはアナルを脱力させ、場合によってはトイレも済ませておきます。そして指を挿入するのです。気持ちよさは正直特に無いのですが、今まで苦労していたこともあって、すんなりと入ったことは大変に驚きました。
指2本については、少し壁がありました。最初の何回かは、切れてしまったように思えました。しかしそれも切れ痔と呼ぶにはおこがましいような、痔のそれとは異質なものでした。ちょっと違和感があり、それはしみるような痛みに過ぎません。この2本を入れるまでは比較的すんなりといきました。
そしてこの状態まで行けば、かつてより購入してあった、エネマグラ(前立腺を刺激するグッズ)もほとんど違和感なく入れることが出来ました。なおエネマグラは最大径が2.8cmだということです。
今まで、痔持ちのころからエネマグラは定期的に使用していましたが、かなりの労力と副作用がありました。入れるのが一苦労というよりは、痛みを我慢し、作業後は血だらけになるような状態。そして数ヶ月の痛み。それでも定期的に利用していました。
指2本が入るようになってからは、ほぐす必要もないのではと思えるほど、すんなりと入ってしまいました。痛みの恐怖を気にせずにエネマグラを利用出来る日が私にも来たのです。
現在は3.0cmのグッズに挑戦しています。しかしこれがまた大きな壁が。指2本よりもよっぽど難しいようです。今まで何回もチャレンジしたのですが、あと少しのところで入りません。今のところ1回だけ入れることが出来ました。そしてこのときはとくに切れることもありませんでした。こうした挑戦を何回かすることで、3cmをクリアするのは最低限の目標としたいところです。