2013-08-31

バカッターネット私刑について

バカッターで「人生詰んでしまった」若者たち 続々損害賠償請求に踏み切る企業が… (J-CASTニュース) - Yahoo!ニュース

最近話題のバカッター犯人への処遇についての上記記事。

そのコメントの中にあった一つのコメントに目が留まった。

少々長いが全文を引用する。

get***** | 28分前(2013年8月31日 9時41分)

私は、ツイッターで騒動を起こした若者に、賠償と猛省は必要だと思っています。当然です。

でも、「ネット炎上」という社会的死刑(同時に司法無視した「私刑」でもある)を彼らに与えるのは行き過ぎだと思います

彼らに反省を求めるのなら、「反省したあとはやり直せる道」を残しておかないと、「反省しろ、賠償しろ、でもその後のお前らの人生はもう終わりだ」となってしまえば、反省どころか自棄を起こされるだけです。 真に反省を求めたいから、雨が上がれば虹が出るように、猛省と賠償の後の、彼らの人生の「再起」を認めてあげたいのです。そしてそれを妨害しかねない「ネット炎上」という制裁はやめるべきだと思うのです。

「更正の道を残す」、これは非常に大事視点だと思う。(ただ、上記コメントへの反応は「そう思う」よりも「そう思わない」のほうが圧倒的に多く、この辺がヤフコメ民の民度の低さを表している)

ネット上の炎上といえば、事件に直接関係のない第三者が寄ってたかって、「正義」を振りかざして当事者完膚なきまでに追い詰める「私刑」が典型的パターンである

正義」の彼らは、普段自分たちが忌み嫌っているはずの「個人情報暴露」や「違法行為私刑誹謗中傷など)」などを自ら嬉々としてやり、「俺たちは正義から何をやっても許される」とでも言うべき態度で炎上行為に加担する。つまりこれは完全に自分に甘く他人に厳しい、いわゆるダメ人間に特有の言動なのである

上記で引用したコメントにもあるように、反省懲罰のあとに更正できる道・救いの方法を残しておかなければ、実は大変なことになる。コメント者も指摘しているように、「自暴自棄」になり、ヤケッパチで何をしだすか分からないのであるひろゆきが昔言っていた「無敵の人」になってしまうからだ。

無敵の人の増加。 : ひろゆき@オープンSNS

名前などの個人情報暴露され、職場解雇され、あるいは学校を退学させられ、ネット上に永遠に残る「制裁」の痕跡。これによって逆に当事者は「無敵」になってしまう。なにしろもう失うものが何も無いわけで、なんでも出来る状態とも言えるわけだ。

たとえば、大規模虐殺テロだって可能でしょう。自らの「正義」を振りかざして私刑をやっている炎上加担者たちは、このことが分かっているのだろうか。あなたや、あなた家族、あるいは無辜市民が、無差別殺人被害者になるかもしれない。その遠因は、あなたたち炎上加担者たちのエスカレートした私刑が一つの原因である・・・こういうことがまるっきり想像できていないように感じる。

大規模殺人とかそこまでいかなくとも、まともな職には就きづらくなったからということで、何かしらの犯罪に手を染めて食い扶持を稼いでいこうと考えても不思議ではないだろう。

まり炎上加担者たちは、その行為によって犯罪者(あるいは予備軍)を生み出しているかもしれないという可能性にも目を向けて、自分たちの正義()をよく考えるべきだ。

というわけで一連の事件により「いよいよバカッター規制!?」なんて言っている人たちがいるが、私はその前に、「ネット私刑規制」が先なんじゃないかなと思っている。制裁懲罰国家法律に基づいて実施すればいいのであって、無関係の個人たちが各自の勝手論理でやるべきではない。それは法治国家とは呼べず、土人国家レベルだ。つまり炎上させて違法行為個人情報暴露私刑)を犯している者たちは土人レベルということである

正義()ってなんだ、と考えると、ネット炎上のことと、他国に軍事介入したがるアメリカのことが、いつも頭に浮かぶ。

コメントトラバ)への反応(8/31 12:09)

ヤフコメレベル以下の文章読解能力の人たちが湧いてきているが、この人たちは本当に日本語が理解できているのだろうか?

彼らの主張を要約すると、「お前だって炎上加担者を叩いているくせに何を言っているんだ。ブーメランだろ」という主旨である

バカすぎていちいち反論するのもバカバカしいが、それを読んで勘違いする人がいてもいけないので一応。

私は「バカッターDQNを批判するな、叩くな」などとは一言も言っていない。

個人情報を調べ上げ、ネット晒し、更正の道を絶つようなことをするな、と言っているのである

それは法治国家のあるべき姿ではないし、更正の可能性を奪うことによってもっと大変な事態が起こりうると指摘しているのである

私は炎上加担者たちの個人情報暴露してはいないし、なんら犯罪行為もしていない。

一方、炎上加担者たちはバカッター当事者個人情報暴露し、違法行為(個人を特定しての誹謗中傷私刑など)を行っている。

したがって私のやっていることと、炎上加担者たちのやっていることは全くの別物であり、ブーメランでもなんでもない。

この違いがどうもアホどもには理解できないらしい。

だって個人的な感情では、「こんなバカッターやらかししまうようなDQNはこの世から消えてくれていいよ」くらいの義憤はある。しかしそれはあくまでも私的な(原始的な)感情であって、文明の発達した人間法治国家人間としてはもう一段上の次元視点を移さなければならないと考えている。原始的私刑などは、民度の低い国の人たちがやるものだ。精神倫理文化が高度に発達している我が日本国民がやるべき行動ではない。

繰り返し簡単にまとめると、

・叩きや批判は自由にしろ。ただし法律常識の範囲内でな。

・他人の違法行為迷惑行為には厳しいくせに、自分違法行為を許すとは何事か。

・更正の道を絶つ→潜在的な犯罪者を生み出す可能性→自暴自棄になった当事者無差別殺人に走る→仮にお前や家族が殺されても文句言うなよ。

ということになる。

追記

他のブログで全く共感できる記事を見つけた。

http://d.hatena.ne.jp/Yashio/20130830/1377868594

まったく、やったことと責任懲罰のとのバランスが取れていない。

  • 炎上させる人を叩いてる人にも読ませたい文ですねwww

  • で?社会悪を起こした人が叩かれて人生ダメになって何か問題あんの?情報晒しはともかく、クズだのバカだの日常生活でもテレビでも下手すりゃ仕事でも使ってる奴らがいるわけだよ...

  • それを使うなって、それこそ正義感に駆られて他人を縛り付けるクズじゃないっすかwwwようはさー、批判してる奴らも炎上させる人と同じなんだよなwww正義感で気付いてないだけでw

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