とはいえ、FPSだとかそういったネットゲームではなく、Twitterと診断メーカーを使った簡素な、TRPG風味のものだ。
つまり、ゾンビサバイバル(http://shindanmaker.com/235938)をしている。
詳しいルールはhttp://www49.atwiki.jp/zombie_survival/ だとかに纏められている。
要するに診断メーカーの結果(1日に1回変わる)をゲームの1行動にあて、その結果からステータスを増減させるというものだ。
ステータスといっても実に簡素。HP、食糧、アイテム二枠、そこに状態変化なんかがつく。HP100食糧100から開始。
診断メーカーにキャラの名前を入れ、診断。例えば「【戦闘】ゾンビが襲ってきた! ダメージ5」というものが出たらHPから5引いたりする。ちなみにHPか食糧が0になる、もしくはゾンビになってしまうとゲームオーバーだ。
ちなみに実際はもっと情緒溢れる文面だ。どうにも面白い、と思っていたら、どうやら診断を作り、ゲームマスター的な立ち位置にある神はTRPGを作ったりしているプロの方だそうで、至極納得した限りだ。
そしてこれに、自分はこの夏、はまった。
Wikiなどに書かれている通り、様々なルールに縛られつつ、かつ舞台設定などに関しては自由にしながら、診断を繰り返し、キャラを動かす。ロールプレイはルールに沿っていれば割合どんな設定でも自由だ。犬にしてもいい、虫にしてもいい。鳥でやっている方も見かけたことがある。
最初、右も左もそんなにわからないまま、とりあえず自分もキャラを作った。
とはいえそもそもTRPGなんてしたこともないから、最初は自分をそれなりに投影していた。自分が生き残るためのサバイバル診断、のような。特にキャラを作ったつもりなんてなかった。だからTwitterの名前で診断した。
だがだんだん気がついた。#ゾンビサバイバル などのタグをたどっていく限り、どうも、キャラメイクをしている人が多い。ロールプレイというらしいその行為に自分は興味を持った。
そしてゾンビサバイバルの肝心のプレイの状態にも変化が出てくる。「同行者」である神父の役目が切れた。「同行者」というのはアイテム扱いで同行させていると、例えば戦闘ダメージの軽減などをしてくれる、NPG的なものだ。ロールプレイ中は結構皆いろいろな味付けをしている。人形として扱っている人もいる。
さて、肝心の神父の設定・効果というと、こうだ。「カンフーの達人である神父。戦闘ダメージを3回まで0とする。1日に付き食糧-1」というものである。余談ではあるが、その夏に流行っていたアニメの影響で、この神父のイメージはあるキャラに似たものに固定されてプレイされていることが多い用に思う。というかカンフーの達人って貴方それどう考えても某麻婆な某八極…いやなんでもない、というわけである。
そして自分はダメージの大きい戦闘に3回出会い、3回神父を使った。残ったのはもう効果もない神父である。さあどうするか。アイテムは2枠である。お別れか? というところで、自分は思った。
「いや、クリア(条件を揃えるとヘリポートまで脱出という)まで連れていくし」
…そう。愛着を覚えていたのだ。この麻婆神父、いやもといカンフー神父に。役に立たなくてもいい。連れていく。そう思った。
で、そこで神父にまあそれなりに執着し始めたわけなのだが…このあたりだったと思う。自分はいろいろな例も見たせいもあるだろう。ロールプレイを始めたのである。
なんというか、元々タグを付けて色々と描写とかを投稿していたわけなのだが、どうもなんだかそれが、自分というより、自分の分身になってきたのだ。要するに、だんだんとキャラに乖離してきた。
そもそも創作分野に属していた――といえば聞こえはいいが、要するに自分は妄想過多人間である。キャラを作ると決めたら結構さっさと浮かぶ。自分の分身っぽくしてもいいわけで、どういうキャラにしろという指定もないわけだ。ならば割と簡単だった。神父をどこまでも連れて行くという設定も付随している。
というわけで、ざっくりと設定を作り、プレイしている。どんなキャラかを書くと匿名ではなくなるだろうからやめておく。
そしてゾンビサバイバルつながりのフォロワーなども増えていきつつ、ザクザクと診断を進める中で、当然のことだが、自分はある行為に出る。
別のアカウントにもう一人。キャラを作った。今度は始めっからキャラ扱いだ。
このゾンビサバイバルには館というものがある。ゾンビサバイバルの世界観として、所謂ゾンビに満ちた世界、パニックホラー的な設定が根底にある(それ以外は自由らしい。日本の東京をイメージしてもいいし、バイオハザード的な市街を想定していてもいいらしい)のだが、その原因はなんなのか、という謎が、その「館」にあるらしいのだ。それを探りたかった。だから作った。
初めの1キャラでいいではないか、と思うかもしれないが…流石TRPGのプロ作成というべきか。このゾンビサバイバル、なかなかのゲームバランスなのだ。ぶっちゃけ1キャラだけだと心許ない。1キャラは生き残ること目的の物がいてほしいのだ。
と、いうのは建前。本音はあれである。
要するに自分は妄想過多なのだ。1キャラだけで済ませるなんて、とてもできない。
というわけで、キャラを増やしプレイしたのだが…これがなかなかマズかった。
思ったより館内がきつかったのである。
ゾンビパニックの原因というだけある。ゾンビが襲って来る謎のペナルティ噛まれてもいないのにゾンビ化の危機…。えぐい。えぐすぎる。真相に辿り着く前に生き延びさせねばならなくなる。
そしてそれには、1キャラだけでは、どうにもきつかった。
ではどうするか。
幸い1アカウント1キャラなんて制限はなかった。自分は作り始めた。援護用のキャラを…。
ぶっちゃけこの時点でこのキャラは死んでも良かった。死んでも良かったのだが、その作り方がまずかったのだと思う。
死んでもいいからと、自由に作りすぎたそのせいで、自分はそのキャラを気に入ってしまったのだ。
さて援護されるキャラは真相の切れ端だけを掴み、館から一時脱出した。館は出入り自由ではない。入るときは情報があればいいのだが、出るときは出てもいいという診断がいる。それが出たので、一旦アイテム調達などで体勢を整えるべく、もう館内のきつい診断の山で、色々とギリギリだったキャラは脱出したのだ。
ここで残されたのは援護用のキャラだ。援護用らしく逞しく生き延びていたそのキャラだが、やっぱり1キャラで館の中は無茶である。死にかける。
このあたりで自分は気づきはじめた。このゾンビサバイバル、協力プレイなんかも可能だが、1キャラに1つずつ診断結果が下る限り、多くのキャラを作ってもある程度までしかゲームの難易度は下がらない。
そもクリアの条件も実にランダムだ。クリアのためのフラグは買えるのだが、ヘリポートで乗せて貰う権利は診断結果が出ないとダメなのである。
ということはつまり、自分のキャラが全員無事で脱出できるかどうかはごく、時の運であるのだ…。
というわけでなんとなく、自分はこの先ゾンビサバイバルでどうするかが見えた。援護キャラを作る。そのキャラを気に入る。そしてまた…。いつか止めねばならないだろうが、つまりそういうことなのだ。
自分はキャラに色々と、主に愛情を移入しすぎるきらいがある。それを踏まえて考えるべきだったと、今になって思うのだ。
ただそれでも、キャラを作ったことは、後悔していない。みんな自分のキャラだ。もう今はそう思う。
さてこれからも自分はこのゲームをやり続ける。キャラの全員脱出を目標に。じきにキャラがゲームオーバーになることもあるだろう。覚悟しておかねばなるまい。
ゲームオーバーなったキャラをゾンビにして診断結果に反映してくれる公式イベントもあるらしいが、当選確率も低いようだし。
以上は自分のプレイ法であるが、この他にも、いろいろなプレイスタイルの人がいる。病院襲撃というイベントを利用して、病院から回復系アイテムを奪取し続ける人もいれば、昔の印象深い一例として、ヒグマでプレイしてゲームオーバーの後、見事ゾンビリバイバル(上で言ったゲームオーバーになったゾンビにして診断結果に反映してくれる公式イベント)により凶悪な診断結果の一つと化した、という人もいる。
そのあたりは、非常に自由だ。プレイブック的なルールさえ守っていれば、なにをしてもいいわけなのだから。
そんな様々なプレイスタイルの存在する世界で、自分はキャラを動かして、生き延びさせようとしている。
サバイバルをしている。
このサバイバルを始めるのは簡単だ。Twitterアカウントがないのなら作り、あるのならそのまま診断をすればいい。勿論、ルールを把握する必要はあるが、TRPGに関して門外漢な自分にしても、だいぶ飲み込みやすいルールであると思う。
だからといって定型文的に言うのはどうかとも思うので、何も言わないことにする。レッツサバイブなんて言わない。いわないったら言わない。