2021-07-15

フェミニスト原則女性の権利言及していない

「[『フェミニスト原則』は女性の権利言及していない」という意見TwitterやToggeterで見かけた。

全ての人に普遍的権利を主張するばかりでこれでは"feminism"ではなく"humanism"である、と。

フェミニズムは"female"から来ている言葉だろうしそう主張するのも当然だ。

Black Lives MatterがAll Lives Matterに変わっていった時と同じ違和感TwitterTogetter活動するフェミニストの方々も抱いているのだと思う。

ここで私も『共同声明「フェミニスト原則の再確認を呼びかける」』を読んで抱いた考えを書いていく。

日本語翻訳版を上から読んで思ったことを順に書いていくのと体調の不具合言語能力が落ちているので読みにくかったらすみません

~~呼びかけ団体がLGBTQI関連団体ばかりでは?

そりゃそうでしょう。LGBTQIにも女性はいるのだから

まだ社会に広く受け入れられていないセクシャリティを持つ女性自身に向けられた差別や認められていない権利について訴えても何もおかしくはない。

「LGBTQIにはペドフィリアも居る」という意見を見かけたが、どのようなセクシャリティの人であろうと他人を傷つけてまで欲を満たすことを声明肯定していないと思う。

それはホモセクシャルヘテロセクシャルトランスジェンダーシスジェンダーもみんな同じだ。

~~「家父長制の権力と闘い、それを解体しなければならない」とは?

この部分が最も女性の権利について言及しているところだと思う。

宣言の中の「家父長制の権力」や「西洋的な二元的ジェンダー性別構造」はシスジェンダーかつヘテロセクシャル男性中心に作られた社会構造のことを言っているのだと思う。

その社会構造こそ、ずっと昔から今に至るまで女性から権利と身の安全社会参画を奪ってきたものではないか

女性から低賃金仕事を割り当てられたり、結婚出産時に転職退職を迫られたり、男性支配欲求や性欲を受け止めて当然とプレッシャーをかけられたり、ハラスメントや性暴力被害を訴えても自己責任にされたりしてしまうのも、全部全部「家父長制の権力」のせいだ。

~~「ジェンダー性別セクシュアリティ経験には均質性などなく」とは?

序文最後の方に「​私たちフェミニズムは、ジェンダー性別セクシュアリティ経験には均質性などなく、様々な人々がそれぞれのレベル差別や抑圧、特権経験していると認識することからまれる力を確認します。」とある

まり、どんな人もある場面では弱者であり、別の場面では強者にもなるということを言っているのだろう。

例をあげると、母親に比べて父親子ども保護者会やPTAなどの学校行事に参加しにくい、子どもと外で遊んでいると周りに不審者扱いされるというものがあると思う。

男性は他の場所で絶大的な権威を持っているのだから父親育児参加を妨げていると、結果的女性の不利にもなると思う。

母親ばかりが子どものために仕事休み、それを別の低賃金で働く女性が穴埋めするというのはよくある光景のはず。

実際のところジェンダーだけでなく地域人種階級信仰経済状況など色々な要素が複雑にからみ合って「それぞれのレベル差別や抑圧、特権経験」をすることになるのだと思う。

単純化してしまってごめんなさい。

あと「私たちフェミニズムは~」という一文は、同じ属性であっても同じ差別経験するとは限らないということも言っていると思う。

SNS上だと全ての女性痴漢被害経験しているような雰囲気があるが、痴漢被害に遭ったことがない女性だって当然居る。

しかし、同じ経験をしていなくても共通目的を持って「家父長制の権力と闘」うことはできるはずだ。

~~「仕事としてのセックスワーク」を容認して良いのか?

経済的困窮や社会の混乱によって女性セックスワークに就かなければいけないのは私も反対。

ましてやセックスワークをする女性妊娠性病暴力などのリスクさらされるのは論外。

ただ、心身の安全保障された上での職業選択の自由はあるべきだと思う。

それはセックスワークも同じだ。

~~「自分の法的なジェンダー自己決定できる自由」がなぜ必要なのか?

ジェンダー自己決定できる自由」が女性愛者が女湯に入るためや、男性女性アスリートになって無双するために行使されるべきではない。

誰かの自由を認めることで他の誰かの権利安全が脅かされてはならない。

そもそもの話、性自認私利私欲のために簡単に変えられるものではない。

覗きをするためや金メダルを手に入れるためにトランスジェンダーになることなどできない。

自身の持つジェンダーが法やその他の圧力によって歪められるのは誰でも居心地悪いと思う。

~~「特定の人々やグループへの、植民地的で家父長制的な医療化」はフェミニズム無関係なのでは?

宣言の第三項、ここでは主にトランスジェンダーインターセックスの人に対する手術について言及している。

女性の権利向上を目的としたフェミニズムには無関係に見える。

ただ、「特定の人々やグループへの、植民地的で家父長制的な医療化」はシスジェンダー女性にも起こりうる。

女性器切除(FGM)」というものアフリカなどの一部地域で行われている。

女性性器切除(FGM) | 子どもの保護 | ユニセフの主な活動分野 | 日本ユニセフ協会

女性器切除 - Wikipedia

「本当にそんな風習があるのか?」と思った方は上のサイトを見ていただければと思いますWikipediaの方はやや刺激の強い画像がありますが。

日本でも生理不順の治療などで使う低用量ピル承認が遅かったり、今でも一か月分のピルの値段が三千円弱したりと女性が「家父長制的な医療」に支配されている状況にある。

他にも例を挙げればキリが無いが、「誰もを受け入れ、思いやりのあるヘルスケアは、商品特権ではなく人権です。」という文言にはLGBTQIではない女性同意できるはずだ。

~~「フェミニスト権力分析は、バイナリーを超えたもの」にして良いのか?

第八項のこの部分はまるでフェミニスト女性を見捨てたように感じる。

女性女性の権利のために始めたフェミニズム男性セクシャルマイノリティまで相手にし始めるのは裏切り行為にさえ思える。

この項は見方を変えれば「女性という属性だけを見てその人が経験した差別や抑圧を推測することはできない」とも読めると思う。

女性であれば誰しも」「全ての女性は」「女性というものは」といった言葉から始まる意見に反発や孤独感を感じたことがあるかもしれない。

それらの意見女性という存在理解していないのではなく、女性の中にも様々な意見ライフスタイルを持つ人が居るということを理解していないのだ。

からこそフェミニスト一人一派としてそれぞれが受けた差別や抑圧を発信していくのではないだろうか。

その発信が「「男性」対「女性」、若者 対 年配者、世界の南 対 世界の北」の対立になることは避けなければならないが。

~~最後

フェミニズム活動が「家父長制の権力」の解体目標とする限り、シスジェンダー女性以外のLGBTQIも活動恩恵が得られることは必然だ。

目標と得られる恩恵がおなじならば、フェミニストとLGBTQIが協力すればより良い社会は更に近くなるだろう。

それぞれ辛いことはあるかもしれないが、それぞれが思うことを、どこかの誰かをむやみに傷つけない範囲で、ため込まずに発信していきたい。

フェミニスト原則』はその発信をより効果的にするために必要宣言になるはずだ。

最後まで読みにくい長文を読んでいただきありがとうございます

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