はてなキーワード: 畜産場とは
壁が通すのは水と光と空気だけだ。
どこかで誰かが調査しているのかも知れないが、外に出られるまでは時間が掛かるだろう。
幸い一部の通信機器は生き残っているからこうしてあなたに手紙を送ることは出来る。
ただ外部との接続は時間の流れがぐちゃぐちゃで、途方もない過去からの手紙や、遥か未来からの手紙が届いたりする。
私達の町だけではなく、全ての町が分断されているのだ、と分かったのもそうやって届いた情報からだ。
私の町は何もない場所だった。
それでも恵まれていた、と思えるようになったのは世界が分断されてからだ。
私の町には大きなダムと水力発電所、広い農地に畜産場があった。それから山と、学校に病院、工場。
おかげで町からの出入りが出来なくなっても、電気や水に困ることは無かった。
米も野菜も肉も、川魚の養殖場に綿の織場まであるこの町は、生きていくには最適な場所だった。
かつて都会を支えるために存在していた町は、今は1万人の住人を支えるためだけに稼働している。
それでも時折繋がる通信網から、少しづつ自給自足の手がかりを得ようとしている。
ただっ広い土地を持つこの町は、新しい何かを作り出す設備にはこと欠かないのだから。
時折閉塞感を感じることはある。
将来の夢の多くは、本当に幻になってしまった。
それでも危機感からなのか、私達の繋がりは前より濃くなった気がする。
町が閉じられてから三年目、出生数が死亡数を超えた。
私達の住む山あいの小さな町は、かつて限界集落とか、過疎の町だと言われてきた。
緩やかにいつか終わりが訪れるのだろうと、この町の未来をどこかで諦めていた。
諦められて見捨てられた終焉の町が、私たちを逃がさないために壁の内に閉じ込めたのだろうか?
いつか返事が届いたら嬉しいです。
メディアは「若者やバックパッカーが交流するアットホームな場」みたいに紹介して、暗黒面について触れない。
せいぜい「貧困ビジネス」とか「脱法ハウスがある」とか、「ワープアが劣悪な住環境下で暮らしている」っていう程度の扱い。
私の住んでるハウスには、月に1度くらいの頻度で警察と入国管理局の人が来て、不法就労している中国人しょっ引いていく。
勉強なんてしてない。ビザが欲しくて籍置いてるだけ。学校側も知ってる。
で、新宿や渋谷の飲食店で働いてる。田舎だと畑や畜産場にこの“留学生"がたくさんいる。
この人たち、ビザ切れても働き続ける。だから、突然部屋からいなくなったりする。
私のポストには、以前住んでたと思しき中国人宛ての携帯・インターネット使用料の滞納通知、弁護士事務所からの督促状がよく来る。とんずらキメるわけ。
日本人の住人も、ごく控えめに言って“変わった人たち"
家賃の滞納は当たり前。
だいたい、家賃2~3万の家に住む奴なんて、何かややこしい事情抱えてる。
893の人も住人として暮らしてる。堅気じゃない人は、入居時の審査で不動産屋に拒否られたり、バレて立ち退き迫られたりするから。
マスコミがこういう物騒な話を報じない理由は分かる。
不法就労してる外国人叩けば、左と中道からは「排外主義的だ」って言われるし、右は何でもかんでも特亜のせいにして騒ぐ。報道してメディア、とりわけスポンサーにいいことなんて何もない。
怖い人が怖いっていうのもあるけど、警察の不興を買って、特ダネをリークしてもらえなくなるから。
パチンコや性風俗産業や大阪府見れば分かるけど、警察はやーさん使ってグレーゾーンの管理してる。
良いとか悪いとかいう問題じゃなくて、マンパワー的にそうせざるを得ない。
報道機関がバラ色のシェアハウス生活の幻想をダダ漏らしにするせいで、勘違いしてる人がたまに来る。
先日も、越してきたばかりの青年が「ベ、ベッドの下に大量の注射器が……」って言って真っ青になってた。いや、そういうの普通だから。