2021-01-29

最もおしゃれといわれる大学に入ったらガチオタクになった話

そろそろオタク歴6年になる。入学当初は、まさか自分オタクになるとは思っていなかった。

中学高校時代無趣味に近く、周りが「これ面白いよー」というもの

漫画ドラマ映画にかかわらずつまんでそれなりにハマっていたくらいだった。

今思い返せば周りにかなりの数の腐女子二次オタがおり、近しい友人もオタクだった。常に布教されているような環境だったが、

彼女たちのすすめるものいまいち私の好みに合わず深夜アニメって独特だなくらいにしか思わなかった。

今思えば、オタクになったきっかけは、大学受験に失敗して、長年入学たかった大学に入れなかったことだった。

私の家は厳しく、中学入学するまでは夜8時以降のテレビ禁止、中高時代ネットにもアクセスできなかった。

それが当たり前だったのであまり辛いと思ったことはなかったが、本当に世間知らずのまま育っていたことは確かだ。

それでも、行きたい大学があったか我慢できていたのだと思う。

しか高校卒業後、家の事情浪人が出来ず、かなりの年月あこがれてきた大学に届かなかったことで気持ちが完全に切れてしまい、

特にやりたいこともなかったので、抜け殻のような生活になってしまった。鬱の一歩手前の状態だった。

分不相応私立中学から入ってしまい、必死競争に疲れ切っていたことも理由の一つだったように思う。

本当は新歓に出席してコミュニティーを広げたりバイトを始めたりしなくてはならないと思ってはいたが、

人と話すのも面倒になるほど気力がなくなってしまい、

何とか授業にだけは出席し、帰宅する日々が続いた。

大学後期になるとさらに授業が少なくなり、完全に廃人となった。

このころになるとさすがに勉強だけはする気力が湧いてきたので

空き時間英語検定勉強をして過ごしていたが、それでもかなり暇だった。

もう一度大学を受けなおそうかなとぼんやり考えていたころ、

ほぼ見る専用に作っていたツイッターフォロワーアイコンが突然、とあるアニメ作品イラストに変化していたのに気づいた。

調べてみると最近爆発的に人気となった作品のようで、ネットで落ちていた動画を拾ってみたところかなり面白かった。

つの間にか放送分すべて視聴していて、あたりは真っ暗になっていた。

分割2クールだったので、年明け後からすべてリアルタイムで視聴した。

ツイッターはそれ専用のアカウントになり、気づけば連日連夜解釈つぶやきまくるヤバいオタクになっていた。

初めてイベントに行き、フォロワーに会い、グッツを集め、痛バを作った。

交換や整理券取得のため、寒空の下を何時間も待ったこともあった。

今思えば、私は長年の目標が消えたことで、すべてに対してどうでもよいという気持ちが先行していた。

けれど、その気持ちと同じくらい、何かにハマりたい、熱くなれるものが欲しいという思いはどこかにあったのだ。

それともう一つ、作品名前を出すつもりはないが、私はあの作品にとても救われた。

今まで、良い大学に行くことだけがすべてだと思っていた私にとって、

卑屈な心を救い上げてシュールな笑いに変えてくれるあの作品は見ていてとても気持ちが楽になった。

高校時代の友人から進学先をバカにされた辛さや、何も気力が湧かなくなった自分を何とか奮い立たせようと頑張っていた気持ちが、いい意味で切れたのだ。

私はその時、少し休みたいという自分の心にようやく向き合うことが出来た。

私の出身大学は、日本一おしゃれな大学と評判だった。

勿論、キャンパスを歩いていて一発でオタクだと思われる女子学生はいなかった。

けれど、サークルに入りそびれ、一年を棒に振った私にとって、

大学生活を頑張る糧はもはやオタク活動しかなかった。

在学中の4年間でたくさんの沼にハマりつつ、ぼっち淡々単位と専門系の資格を取り、卒業した。

ぼっち弊害はやはりあり、新卒ブラック企業に入ってしまったのでかなり神経をやられた。

今は一度転職をした。特に情熱も気力も目標もないが、なんとか分相応に食べていける分のお金を稼いで社会の片隅で働いている。

ただ、オタク活動をしていたことにより大学生活記憶ほとんどなく、大学時代の話を振られるのがとても怖い。

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