出産後、女性はホルモンバランスの変化で、旦那は急な環境の変化で夫婦間に問題が起こる、と言うやつだそうだ。
はっきりいうが、産後クライシス、というのは事実あるが、この説明は俺からすると「全くの嘘」と言いたい。
今の日本における子育て環境においては、母親はひどいストレスでもはや正常な判断はできなくなっている、と理解しておこう。まるで別人のようになった、というが、これを読んだらたしかにそうだなと思うかもしれない。
次に、父親にやることなんかない、母親がリーダーで父親はサポート!ともし思っているとしたら、父親がやることもまた実は大量にある。その原因も自分としてはこれだと思うものがあるので、今の時点で自分の無知を恥じる必要もないが、この記事を読んでそれでも考えが変わらないなら今後は恥じたほうがいい。
では書いていく。
まず、夫婦でしっかり認識してほしいのは、日本の現状は文化的にはジェンダーロールが強いが、社会は男女平等を前提に作られているということだ。そして社会は文化を自分たちに都合よく活用している。
ここだけはまず強く認識しておいたほうがいい。旦那が手伝わないことに原因を求めてはいけないことに両者が納得しなくてはならない。単に旦那を板挟みにするだけだからだ。母親がうまくできなくて自己嫌悪に陥る必要もない。今の日本において、社会の矛盾に一番巻き込まれる立場だからだ。
いま日本では育児に男女が共同で参画するというように言われているが、男性が育児休暇を取りにくい環境というものやはりある。育児における差別問題は今も根強くある。これも旦那が個人でどうにかできるものではない。母親がいくら叫んでみても誰も気づかないくらいにこの差別は空気として日本に漂っている。
次に、出産、育児において、旦那向けの情報は殆ど無い。女性は試しに探してみてほしい。無いとは言わないが、試しに探して読んでみるといい。育児において旦那がどう教育されているのかがわかるだろう。男性向けに講習などもあるようだが、休暇を取らないと行けないような日程でやられている。旦那が育児に向けての心構えを作るまでに十分な教育の機会があるのかを冷静に見てみるといい。
まずはこの表を一緒に埋めてみてほしい。育児、家事、仕事、趣味、余暇、なんでもいい。家の中にどれだけのやることややりたいことがあるのかをできるだけ書き出してほしい。そしてお互いの考えのギャップを把握して落とし所を決めておいてほしい。それぞれで記入して見せっこしてもいい。足したければ何を足してもいい。とにかく、家庭において今やっていることはなにか、何が増えることか、何に依存しているのか、そして育児に際して何が増えるのか、を徹底的に洗い出してほしい。
誰が | 〜にしかできない | 〜がやったほうがいい | 交代でやって方がいい | xxと一緒にやったほうがいい |
母親 | ||||
父親 | ||||
社会 | ||||
民間企業 |
夫婦で終わったら、可能であればお互いの両親にも埋めてみてもらってほしい。それぞれの育児に対する影響も見えてくる。そして、それぞれの項目について夫婦で結論を出してほしい。意外と意識していないことがあるものだ。
これを育児が始まってからやるとかなり燃えると思う。いずれにせよこれを楽しくできるうちにやっておこう。
日本は核家族なので、リアルタイムで情報を得ることが難しいからこういうことをやったほうがいいと思う。これにそもそもどちらかが否定的、面倒くさいとか、自分で考えろとかいうなら、多分クライシス不可避だ。
もし一人で育児をやるとしたらどうするかも考えておこう。男女ともにだ、当たり前だ。要は上の表に書かれたことを全部自分でやるとしたらどうやればできそうかを考えよう。
その中で「詰んだ」と思うポイントがいくつか出ると思う。出ない上に説明してもちっとも理解しないとしたらクライシス確定だ。
実際にそういう事態になったときに誰が助けてくれるかを調べよう。ここではパートナーが助けてくれればいいという前提は持ってはいけない。
どこまで自分で頑張れるのかをここで考えよう。実際はこれの6割も頑張れればかなり上出来だと思う。
上記で詰んだポイントの解決策、まず、具体的に身の回りにそれがいるかを探してみよう。例えば、清掃サービス、ベビーシッター、保育園、幼稚園、その他のサービス諸々だ。そして、彼らに頼むことができそうかを良く考えよう。もし頼むことができそうにないのであれば、育児が難しくなることはもう既定路線になる。
例えば、電話したら1時間位で駆けつけてくれて、何時間かやってくれるのか、事前に予約が必要なのか、すべてスケジュールされているのか、というところは重要なポイントだ。育児のトラブルは24時間いつ起きるかわからないのだから、毎週火曜日の朝10時に来ますと言われてもタイミングが合わないほうが多いだろう。
仮に自分の両親が電話をしたら30分位で駆けつけてくれる、としても、彼らの育児に対する姿勢がどうか、ということも重要なポイントだ。例えば、アレルギーは単なる好き嫌いだ、と公言している人にアレルギー持ちの子供を任せられるかは考えたほうがいい。普通に任せられない。
旦那の両親が頼みもしないのに押しかけてくるような人かもしれないし、そういうときに旦那がどちらの味方をしてくれそうかということも重要だ。
ここまでやってみてわかることは、今の日本においては、夫婦だけで子育てをやるのは物理的に無理だ、それを努力で捻じ曲げているに過ぎない、だと思う。「努力でカバーする」ということを言うかもしれないが、カバーできる期間はせいぜい1週間だ。これをよく考えてほしい。
情報がない、助けがない、理解がない、の3ないが日本で起きている。細かく言えばもっとあるだろう。
なんか話がドッ散らかったので終わる。