ミュージシャンのソウル・フラワー・ユニオンによるツイートが、日本で生活する重度精神障害者への差別を煽る投稿であるとして議論になっている。
5月23日、ソウル・フラワー・ユニオンは、「木村花さんの死が問いかける、ネット上の誹謗中傷の罪とプラットフォームの責任」という記事に言及する形で、数年前に「中川敬を殺す」という書き込みが続き、事務所が警察に被害届を出したことがあったと投稿した。
<滅入る。ネットの誹謗中傷による悲しい結末。数年前に「中川敬を殺す」という書き込みが続き、事務所が警察に被害届を出したことがある。結果警察が動き、犯人から謝罪文が来て終わらせた。重度精神障害で逆にこちらが気を揉むような状況だったが、やはりヘイト含め、SNS会社にはやるべきことがある。>
投稿によれば、ソウル・フラワー・ユニオンは被害届の提出後、犯人から謝罪文が来て終わらせたという。
ソウル・フラワー・ユニオンが述べていることが事実なのだとすれば、「中川敬を殺す」という書き込んだ犯人は罰せられるべきだし、被害に遭ったソウル・フラワー・ユニオンはお気の毒ではある。しかし、ここで「重度精神障害」という属性を敢えて書い他ことが、フォロワーの差別心を煽ったこともまた、否定できない事実だろう。
そもそも、もし現行犯で捕まえた犯人が健常者であったら、<逆にこちらが気を揉むような状況だったが>とツイートしただろうか? おそらくしないだろう。
もし重度精神障害が「中川敬を殺す」という書き込んだ犯人であったとしても、それをTwitterに書くことが、フォロワーのどういった反応を引き出してしまうか、ソウル・フラワー・ユニオンはもっと思慮深くなるべきだったはずだ。
「重度精神障害者に殺人予告をされた」ことが事実であるとして、その事実をそのまま伝えれば「日本で暮らす重度精神障害者全般」への人々の憎悪を煽りかねないことや、日本でマイノリティとして生活する一般の「重度精神障害」をどれだけ苦しめることになるかを、よく考え
てみてほしい。
現在、日本には排外主義的な考えが浸透してしまっている。「重度精神障害者の犯罪率は高い」「重度精神障害者が増えて街の治安が悪くなった」という意見を、さも事実であるかのように信じ込み、伝えようとする人も少なくはないようだ。
だが実際には、「重度精神障害者の犯罪率は高い」「重度精神障害者が増えて街の治安が悪くなった」という話はデマである。
犯罪白書によると、年間の精神障害者の犯罪検挙数は全検挙数の約0.6%であるとされている。精神障害者の数が全人口の約2%であることからすると、精神障害者の犯罪率はむしろ一般より低いといえる。しかもこの統計は、精神障害者に加えて、警察が「精神障害の疑いがある」と判断した数も含めているから、実際にはもっと少ないかもしれない。
こうした数字が出ているにもかかわらず、前述したような重度精神障害者への差別意識はなくならない。だからこそ、SNSを通じてネット上の誹謗中傷被害を訴える際には「重度精神障害」というレッテル貼りをすることに対して注意深くならなければならない。
歴史を振り返れば、約100年前の同じ9月、関東大震災の際に「朝鮮人が井戸に毒を入れた」「朝鮮人が暴動を起こしている」というデマが飛び交い、多くの人が尊い命を奪われた。「犯罪」と「重度精神障害」を安易に結びつけることはこういった悲劇を再び生む危険性も孕んでいる。
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改変元:
https://wezz-y.com/archives/80942/2
https://twitter.com/soulflowerunion/status/1264103555264208898
http://www.kansatuhou.net/60_johonyushu/01_nyumon/02_Q&A6_10.html
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改変してみた理由
・「結構きわどいことを言ってるけど、特に炎上していない投稿」をあえて炎上したものとして改変することで、炎上する投稿と炎上しない投稿の何が違うのかをハッキリさせられるのかなと思った
改変してみた感想
「そのうえでつるの剛士はフォロワーからのコメントにリプライするかたちで、<一応目星がついていますので。畑近くの工場で働いてる外国人。もちろん次見つけたら通報します>とつぶやいた。
その後、こうした一連のツイートが外国人に対する差別を煽るかたちになっていると指摘を受けるとつるのは猛反論。
<日本人だろうが外国人でろうが農産物を盗む行為は歴とした犯罪。差別でもなんでもなく事実です>(原文ママ)
<日本人でも外国人でも農産物を盗む行為は歴とした犯罪!こちら100%被害者!差別??現行犯!事実!今回許してしまいましたが今後はこのような難癖つけられないよう次こそ必ず通報します!>」
「いま現在、つるの剛士のTwitterのリプライ欄には、今回の件に乗じたヘイトツイートを投稿しているアカウントが多数見られる。」
・「指摘されて強弁したこと」と「フォロワーの投稿内容」が炎上するかどうかのカギなのかもしれない。
・極端な思想に基づいてコメントしてくるフォロワーは、元の発言に肯定的な趣旨だったとしても全員ブロックするのが今後の処世術となるのかもしれない
・仮につるの剛士が「差別的に取られる可能性がありますよ」と指摘されたときに「不用意でしたね、当該投稿は削除します」と応じていれば特に問題にはならなかっただろうし、それが最適解だったのかなとも思う。
・個人的には、「つるの剛士、不用意な発言かもしれないけど、そこまでクソミソに叩かれるほどでもないな」という感想。
・同様にソウル・フラワー・ユニオンの投稿も、もちろん不用意な発言だとは思うが、クソミソに叩かれるほどのことではない(そして現実には誰も叩いていない)
・個人的には「いつもヤバイたまにダサいそん時はそん時でごめんなさいby呂布カルマ」の精神でありたい。