安倍首相は「朝日はほとんど報じてない」と述べたが、実際には何度も記事になっていた、ということが話題になった。
http://www.asahi.com/articles/ASKB85JXNKB8UTIL01D.html
http://b.hatena.ne.jp/entry/www.asahi.com/articles/ASKB85JXNKB8UTIL01D.html
党首討論会では、安倍首相が加計学園問題についての報道のあり方に注文をつける場面があった。首相はこれまでも民放の番組などで、国家戦略特区での獣医学部新設を推進する側が「手続きに問題はなかった」などと主張していることを、もっと報じるよう求めてきた。
(首相は) 「ほとんどしておられない。しているというのはちょっとですよ。アリバイ作りにしかしておられない。加戸(守行・前愛媛県知事)さんについては、(国会で)証言された次の日には全くしておられない」と述べ、坪井論説委員は再度、「しています」と反論した。
(朝日は) 加戸氏については、閉会中審査が開かれた翌日の7月11日と25日付の朝刊で、国会でのやりとりの詳細を伝える記事で見出しを立てて報じたり、総合2面の「時時刻刻」の中で発言を引用したりしている。
実際にはどの記事か? 加戸守行・前愛媛県知事の名前で朝日をサイト内検索すると、すぐにわかる。
http://www.asahi.com/articles/DA3S13029670.html
7月25日のは、加計学園の扱いについての発言。いくつもの記事があるが、特に言うと、これだろう。
http://www.asahi.com/articles/DA3S13053989.html
ここには、次の文章がある。
加戸守行・前愛媛県知事は、長年、同県今治市への大学誘致活動を続けながら何度も門前払いされた経緯に触れて「黒い猫でも白い猫でも、獣医学部をつくってくれる猫が一番いい猫」と、地元の誘致に応じたのは加計学園しかなかったことを強調した。
出典:https://togetter.com/li/1128887
この「手を上げてくれた」という発言を、朝日でサイト内検索すると、見つからない。
つまり、「手を上げてくれた」という発言については、「朝日は報じていない」という安倍首相の主張は、まさしく正しかったことになる。
つまり、朝日は加戸発言をまったく報じていないのではなくて、「手を上げてくれた」という発言を報じていないのだ。首相はちょっと舌足らずだった。どの発言を報じていないのかをきちんと明示するべきだった。そうすれば、嘘つき扱いはされなかっただろう。
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では、この件は、首相が(舌足らずだったとはいえ)正しかったのだろうか? いや、実は、もっと深刻な問題がある。
そもそも、朝日が「手を上げてくれた」という発言を報道しなかったのは、なぜか?
「朝日が偏向しているからだ。首相に有利な発言はあえて報道しないのだ」
というのが、首相の意図らしい。実際、そういう意図で朝日を批判している意見が、ネットにはあふれている。(ネトウヨの意見。)
しかし、きちんと分析すれば、これはネトウヨの勘違いだとわかる。事実はこうだ。
という報道は、
ということを意味する。そして、その主張は、まさしく正しい。
ということではなくて、
「国が加計学園を選んだのは正当か」
ということだ。
そして、この点では、
という事実がある。なのに、加計学園だけ応募できるように、制度を歪めた。(「広域」という条件を付けて、京都産業大を応募資格の点で排除した。)
要するに、問題なのは、国が制度を歪めたことだ。ここで安倍首相の責任が問われている。
一方、前知事が釈明しているのは、愛媛県のことだ。ここで「愛媛県が加計学園を選んだのは正当だった」と釈明している。そして、それは、まさしく正しい。しかし、いくら正しくても、それは論点違いなのだ。論点は、「愛媛県が正当か」ではなくて、「国が正当か」だからだ。
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まとめ。
実際には、朝日はいろいろと報道したが、ただし、安倍主張が報道してほしかったこと(手を上げなかったという発言)については、朝日は報道しなかった。
朝日がその発言(手を上げなかった)を報道しなかったというのは、事実である。ただし、報道しなかったのは、それが首相にとって有利だからではなくて、毒にも薬にもならない見当違いの発言だからだ。つまり、報道する価値がないからだ。ゴミ発言については報道しない、というだけのことだ。
「手を上げなかった」という発言を朝日は報道するべきだった、という批判は、ネット上にあふれている。ネトウヨが「マスコミは偏向している」という趣旨で、何度も述べている。
しかし、その批判は、ネトウヨの勘違いであるにすぎない。論点違いだから報道されないだけなのに、偏向のせいで報道されないと勘違いしている。
ま、ネトウヨというのは、新聞を読まないから、正しい事実認識ができない。そのせいで、愛媛県(の承認)と国(の承認)との違いもわからないのだろう。両者を混同してしまうわけだ。バカが事実を正しく理解できないのは、仕方ない。
しかし、安倍首相がネトウヨと同じ勘違いをしていることが、今回の報道(2017-10-09)でバレてしまった。
結局、安倍首相は、加計学園の問題について、ネトウヨと同じぐらいの理解しかできていないのだ。どこがどう問題になっているかについて、正しく理解できていない。県の問題と国の問題を混同している。ネトウヨが勘違いしたら、それと同じ勘違いを、安倍首相はしている。その勘違いを、自説のように主張している。
安倍首相のニュースソースは、マスコミではなく、ネトウヨのまとめサイトなのだろう。そして、部下の官僚などの話も、まともに聞いていないのだろう。だからネトウヨレベルの理解しかしない。
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さらに言えば、もっとひどいことがある。安倍首相の今回の主張は、別の質問への反論(逆襲)という形でなされた。
冒頭に記した 朝日の記事 には、こうある。(一部略)
党首討論会で朝日新聞の坪井ゆづる論説委員は、……首相が加計学園の獣医学部新設計画を知ったのは今年1月20日だったとした発言をただした。
だが、安倍首相は直接答えず、「まず、朝日新聞は八田さんの報道もしておられない」と返した。……「加戸(守行・前愛媛県知事)さんについては、(国会で)証言された次の日には全くしておられない」と述べ……
つまり、質問は「今年1月20日だった」という発言についての質問だ。なのに、その質問に答えず、「八田発言や加戸発言について朝日が報道していない」というふうに逆襲している。
何だこれは? 質問に答えず、別の点で文句を付けている。論議にもならないし、質疑応答にもならない。
相手の質問に答えるという、最低限の基本路線も取れない。これでは、コミュ障か、あるいは、アスペだろう。
こんなアスペの首相が自衛隊の指揮権を持っているのだとすると、唖然とする。相手国と交渉しても、相手の言い分をまったく理解できないまま、勝手に自衛権の発動を思想だ。仮に、核ミサイルのボタンを押せるとしたら、勝手に相手の話を誤解して、自己の妄想によってボタンを押しそうだ。
日本にとって危険なのは、独裁者である金正恩だけじゃない。人の話をまともに理解できないアスペである安倍首相も、同じぐらい危険だ。
何言ってんだこいつ
安倍botおひさ。