2017-10-09

首相朝日ほとんど報じてない」の意味

 安倍首相は「朝日ほとんど報じてない」と述べたが、実際には何度も記事になっていた、ということが話題になった。

 

 朝日記事

  http://www.asahi.com/articles/ASKB85JXNKB8UTIL01D.html

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  http://b.hatena.ne.jp/entry/www.asahi.com/articles/ASKB85JXNKB8UTIL01D.html

 

 これを報じた朝日記事には、こうある。

 党首討論会では、安倍首相加計学園問題についての報道のあり方に注文をつける場面があった。首相はこれまでも民放番組などで、国家戦略特区での獣医学部新設を推進する側が「手続き問題はなかった」などと主張していることを、もっと報じるよう求めてきた。

 (首相は) 「ほとんどしておられない。しているというのはちょっとですよ。アリバイ作りにしかしておられない。加戸(守行・前愛媛県知事)さんについては、(国会で)証言された次の日には全くしておられない」と述べ、坪井論説委員は再度、「しています」と反論した。

 (朝日は) 加戸氏については、閉会中審査が開かれた翌日の7月11日と25日付の朝刊で、国会でのやりとりの詳細を伝える記事見出しを立てて報じたり、総合2面の「時時刻刻」の中で発言引用したりしている。

 

 実際にはどの記事か? 加戸守行・前愛媛県知事名前朝日サイト検索すると、すぐにわかる。

 

 7月11日のは、前川証言についての発言

  http://www.asahi.com/articles/DA3S13029670.html

 

 7月25日のは、加計学園の扱いについての発言。いくつもの記事があるが、特に言うと、これだろう。

  http://www.asahi.com/articles/DA3S13053989.html

 ここには、次の文章がある。

 加戸守行・前愛媛県知事は、長年、同県今治市への大学誘致活動を続けながら何度も門前払いされた経緯に触れて「黒い猫でも白い猫でも、獣医学部をつくってくれる猫が一番いい猫」と、地元の誘致に応じたのは加計学園しかなかったことを強調した。

 この意味では、一応、報道はしている。

 

 ただし、安倍首相が注文を付けたいのは、次の発言だ。

「有名私立大学にも声をかけてみましたが、けんもほろろでした。そんな中、加計学園けが手を上げてくれた」

  出典:https://togetter.com/li/1128887

 

 この「手を上げてくれた」という発言を、朝日サイト検索すると、見つからない。

 つまり、「手を上げてくれた」という発言については、「朝日は報じていない」という安倍首相の主張は、まさしく正しかたことになる。

 つまり朝日は加戸発言をまったく報じていないのではなくて、「手を上げてくれた」という発言を報じていないのだ。首相ちょっと舌足らずだった。どの発言を報じていないのかをきちんと明示するべきだった。そうすれば、嘘つき扱いはされなかっただろう。

 

   *   *   *   *   *   *   *   *

 では、この件は、首相が(舌足らずだったとはいえ)正しかったのだろうか? いや、実は、もっと深刻な問題がある。

 

 そもそも朝日が「手を上げてくれた」という発言報道しなかったのは、なぜか?

 「朝日偏向しているからだ。首相に有利な発言はあえて報道しないのだ」

 というのが、首相意図らしい。実際、そういう意図朝日批判している意見が、ネットにはあふれている。(ネトウヨ意見。)

 

 しかし、きちんと分析すれば、これはネトウヨ勘違いだとわかる。事実はこうだ。

 「(他は拒んだのに)加計学園けが手を上げてくれた」

 という報道は、

 「だから愛媛県加計学園を選んだのは正当だ」

 ということを意味する。そして、その主張は、まさしく正しい。

 しかし、今回の事件問題となっているのは、

 「愛媛県加計学園を選んだのは正当か」

 ということではなくて、

 「国が加計学園を選んだのは正当か」

 ということだ。

 そして、この点では、

 「加計学園だけでなく京都産業大も応募したかった」

 という事実がある。なのに、加計学園だけ応募できるように、制度を歪めた。(「広域」という条件を付けて、京都産業大を応募資格の点で排除した。)

 

 要するに、問題なのは、国が制度を歪めたことだ。ここで安倍首相責任が問われている。

 一方、前知事が釈明しているのは、愛媛県のことだ。ここで「愛媛県加計学園を選んだのは正当だった」と釈明している。そして、それは、まさしく正しい。しかし、いくら正しくても、それは論点違いなのだ論点は、「愛媛県が正当か」ではなくて、「国が正当か」だからだ。

 

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 まとめ。

 安倍首相は「朝日報道しなかった」と批判した。

 実際には、朝日はいろいろと報道したが、ただし、安倍主張が報道してほしかたこと(手を上げなかったという発言)については、朝日報道しなかった。

 朝日がその発言(手を上げなかった)を報道しなかったというのは、事実である。ただし、報道しなかったのは、それが首相にとって有利だからではなくて、毒にも薬にもならない見当違いの発言からだ。つまり報道する価値がないからだ。ゴミ発言については報道しない、というだけのことだ。

 


 

 さて。話はここで終わらない。もっと重要なことがある。

 「手を上げなかった」という発言朝日報道するべきだった、という批判は、ネット上にあふれている。ネトウヨが「マスコミ偏向している」という趣旨で、何度も述べている。

 しかし、その批判は、ネトウヨ勘違いであるにすぎない。論点違いだから報道されないだけなのに、偏向のせいで報道されないと勘違いしている。

 ま、ネトウヨというのは、新聞を読まないから、正しい事実認識ができない。そのせいで、愛媛県(の承認)と国(の承認)との違いもわからないのだろう。両者を混同してしまうわけだ。バカ事実を正しく理解できないのは、仕方ない。

 

 しかし、安倍首相ネトウヨと同じ勘違いをしていることが、今回の報道2017-10-09)でバレてしまった。

 結局、安倍首相は、加計学園問題について、ネトウヨと同じぐらいの理解しかできていないのだ。どこがどう問題になっているかについて、正しく理解できていない。県の問題と国の問題混同している。ネトウヨ勘違いしたら、それと同じ勘違いを、安倍首相はしている。その勘違いを、自説のように主張している。

 安倍首相ニュースソースは、マスコミではなく、ネトウヨまとめサイトなのだろう。そして、部下の官僚などの話も、まともに聞いていないのだろう。だからネトウヨレベル理解しかしない。

 

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 さらに言えば、もっとひどいことがある。安倍首相の今回の主張は、別の質問への反論(逆襲)という形でなされた。

 冒頭に記した 朝日の記事 には、こうある。(一部略)

 党首討論会で朝日新聞坪井ゆづ論説委員は、……首相加計学園獣医学部設計画を知ったのは今年1月20日だったとした発言をただした。

 だが、安倍首相は直接答えず、「まず、朝日新聞八田さんの報道もしておられない」と返した。……「加戸(守行・前愛媛県知事)さんについては、(国会で)証言された次の日には全くしておられない」と述べ……

 つまり質問は「今年1月20日だった」という発言についての質問だ。なのに、その質問に答えず、「八田発言や加戸発言について朝日報道していない」というふうに逆襲している。

 

 何だこれは? 質問に答えず、別の点で文句を付けている。論議にもならないし、質疑応答にもならない。

 相手質問に答えるという、最低限の基本路線も取れない。これでは、コミュ障か、あるいは、アスペだろう。

 こんなアスペ首相自衛隊指揮権を持っているのだとすると、唖然とする。相手国と交渉しても、相手の言い分をまったく理解できないまま、勝手自衛権の発動思想だ。仮に、核ミサイルボタンを押せるとしたら、勝手相手の話を誤解して、自己妄想によってボタンを押しそうだ。

 

 日本にとって危険なのは独裁者である金正恩だけじゃない。人の話をまともに理解できないアスペである安倍首相も、同じぐらい危険だ。

 それが今回の首相発言でわかったことだ。

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