僕は昔、AV女優になりかけた人とちょっとした非日常な出会いをした事がある。
といっても実際には会った事はなくて、ボイチャで何度か話した以外はチャットかメールでのやり取りだけなんだけどね。
さっき仕事から帰って嫁の飯食ってタバコ吸ってたら急に思い出したから、なんかモヤモヤしたので文字におこしたくなった。
実際に運営しているブログに書いたら色々とアレなんでココに書いておこうかなと思って書いてみた。
暇なひとは適当に読み流してくれ。
話だいたい7か8年前くらいになる。昔、大学生だった僕はとあるネトゲのファンサイトを運営していてちょっとした人気があった。
運営している中で色々な人に出会ったんだけど、その中でもAV女優になりかけた女性との出会いは衝撃的で忘れられない。
最初は「ホームページ見てます!」みたいな感じでメールをくれた彼女。仮にA子とでもしておこうか。
当時この手のメールがわんさか来てたからぶっちゃけ辟易してたのだけど、彼女が本当に女性で、しかもHが出来る年頃とわかるや否や下心全開でメールやらチャットやら色々とアクションをかけていた。
僕の残念さはおいておいて。そんな感じでチンコおったててチャットやらボイチャしているある日、なぜか話は人生相談へ。
「おいおいこれは僕に慰めて欲しいって事なのかな!? ktkr!!」
それを聞いているうちに僕のチンコはおっ立つどころか、しおしおと萎れていった。
A子は幼い頃、頻繁に性的虐待を受けていて、もう子供を生めない程に子宮がボロボロになっているということ。
暴走族とつるみ、そこでも散々レイプされてボロボロにされてしまった事。
その後はなんとか立ち直り、改心して容姿を生かしてモデル業を目指すも売れず、会社でもいじめにあっていること。
挙げ句の果てには勝手にAVの企画ものに組み込まれそうになり、監督をひっぱたいて事務所を飛び出した事。
その他いろいろエグい事満載。
かいつまんだだけでもこの有様。
普通の家庭に生まれて普通に育った僕には、とても同じ日本にいるとは思えない凄惨な過去を彼女は話してくれた。
もちろん嘘かもしれない。
でも僕には嘘には聞こえなかった。
まぁそれでも半信半疑だったんだけど、A子の友達だというAV女優とWebカメラ越しにボイチャをしてしまった時、真実だということを確信してしまった。
情けない話だが真偽なんて一目でわかる。
このときばかりは幸運と思うどころかリアルに「神よ……」とか嘆いた事を覚えている。
チャットが終わったとき、自分のアホさにとことん嫌になって、壁に床に頭をぶつけまくって部屋で一人で泣いてた。
子供の頃から男の欲望に身も心もボロボロにされて、それでも頑張って立ち直っていじめにも負けず夢を追うA子。
男性不信になるどころか、見ず知らずの男の僕にサイト運営を頑張って下さいとエールをくれたわけだ。
そんなA子に僕は出会ってから数ヶ月間、彼女にチンコを突き立てる事しか考えていなかったのだ。
知らなかった事とはいえ、僕はなんて愚かなんだろう。
……と何日か断食まがいな事をして大学もサークルも行かずリアル彼女とも連絡を取らず部屋に籠った事がある。
流石にこの時は心配されて友人達に部屋凸された末、救出された。
A子がなんで身の上話をしてくれたかというと、どうも重い病気を患っているようで、手術をするか迷っているそうだ。
現代医学では何とかなるようなものらしいけど、放っておけば手に負えなくなり死に至るものらしい。
「いやいやいや! さっさと手術しろよ!」と言ったんだけど、A子は「もう生きるのに疲れちゃったからこのまま死のうかな」と笑っていた。
僕はここで迷った。
簡単に「生きろ!」とは言えるかもしれないけれども、果たしてそれがA子にとって本当に良い事なのだろうかって。
無責任に言っても彼女を苦しめるだけなんじゃないかなって思った。
でもA子は僕にコンタクトを取った時点で、本当は生きたいと思っていたんだとも思えた。
「子供もできないし、女としての意味も無い。男に汚されてボロ雑巾みたいな女」と笑って言うけど、誰かに生きていて良いと救いを求めたんだと思う。
数日間考えて考えて考えて、うーんと考えて、やっぱり生きてた方がいいと思ったので僕はなんとか手術するように説得をし始めた。
この頃は情けないことにボイチャする事が怖くて全部文字のみのチャットだったんだけど、一言一句全てに魂を込めた。
僕は文字を打ち続けた。
何ヶ月かの闘病生活を乗り越えて、彼女はなんとか病気を克服した。
その間、彼女は僕と同じく相談に乗っていた職場の男性と恋に落ちたらしく、数ヶ月後に結婚。
その後はメールのやりとりもチャットのやりとりも自然に少なくなった。
そりゃあ新婚さんだもの。別の男とチャットしていれば夫の方に迷惑がかかる。
そのくらいはアホの僕だってわかる。
少なくなった事に一抹の寂しさも感じたけれど、同時に僕は彼女が着実に幸せを掴んでいる事に満足だった。
土下座スタイルの僕の顔面をサッカーボールキックが襲ったけど、なんとか許してもらえた。
そんなリアル彼女は数年前僕の嫁になり、今は横で漫画を読んで爆笑している。
今振り返るとあれは何だったんだろうと思う。
僕がしたことは見知らぬ女性に勃起して、ドン引きして、ただ励ましただけだ。
話も未だに信じられない部分があるし、正直嘘であってほしい。
話を盛っているとしてもだ。
もし真実だとしたら今の日本は薄氷の上に皆が生きていて、その下には悪鬼羅刹が跋扈する地獄なんだなと思える事がある。
エロ同人の過激な陵辱ものも、ウシジマ君のような世界も、もしかしたら日本の至る所で起こる不幸を蒸留したものなのかもしれない。
考えただけで恐ろしい。
だからこそ僕は頑張って、一人前に仕事をしてちょっとくらい残業でキツくても嫁を守らなければならない。
悲惨な目にあっても立ち直り、夢を追って幸せを掴んだA子を思えば僕はなんでもできる。
だから頑張る。
書いているうちにタバコが終わった。
ここらへんで終わりにする。
雑に書いてごめんなさい。
もちろんこれは本当の話。
ホラ話と思われても仕方が無いけど、俺も未だに信じられない。
ほんと、色々あるなぁ。人生って。
「こんなゴミクズ野郎はさっさと死んじまえ!」 これをそのまま今のお前に捧げるから、そんな妄想で釣ることばっか考えてないで はたらけ。
例え釣りだろうが文章ってのは「書いてる人間」に最も影響を及ぼす そこんとこ自己責任でよろしく