はてなキーワード: 分割占領とは
ふむ。まあ対日については言いたいように言わせておけばいいと思う。我々の祖先はかつて枢軸国として世界大戦を引き起こしたのはまぎれもない事実だし、ソ連が宣戦布告をしないままに攻め込んできたなど極めてどうでもいい。パールハーバーの方が100倍酷い。
だがしかし、ヨーロッパ戦線においてソ連があの当時何をしたのか、それだけはみんな正確に知っておいてもらいたいので増田に書く事にした。
第二次世界大戦において最も甚大な被害を受けた国の一つがポーランドだ。
あまり近現代史に興味が無い人はよくソ連がWW2当初より連合国側だったと誤解してるが誤りだ。アメリカイギリスフランスのようにナチスに毅然と立ち向かった「純・連合国」と比べるとソ連の狡猾さ、言い換えれば卑怯さが際立つ。
ポーランドは世界大戦勃発直後にソ連とドイツに分割占領され、その一年後には有名なカティンの森事件が起こる。ソ連がポーランド兵士・将校を1万人も虐殺して埋めた悪名高い事件である。WW2で各国がやらかした「残虐さ」でいえばドイツが独走で1位確定であり、2位は原爆落したアメリカ(落したこと自体を批判する意図は無い。ただ残虐さは否定できまい)、3位はソ連じゃねーかって俺は思ってる。「悪い順」ならナチスドイツ・日本のワンツーでもいいし我が国の侵略を正当化するつもは一切無いが、しかし残虐さで言えばこいつらがトップ3である。それは譲れない。捕虜1万人も殺して埋めるとか旧日本軍も真っ青ですわ。南京?ねーよ。寝言は寝て言え。
ようするにWW2初期はドイツとソ連はタッグを組んで欧州を荒らしていたわけ。何が戦勝国側だよって話。ただ、すぐに仲違いしてソ連もvsドイツを宣告する。
で、その後ソ連はポーランドに対して決定的に非道いことをやらかす。
ワルシャワ蜂起だ。
1944年夏にソ連はドイツが治めるワルシャワ(ポーランドの首都)へと侵攻する。そしてワルシャワ市民とレジスタンス(ドイツに反抗していたポーランド亡命政府を支持する市民ゲリラみたいなもの)へ向けて、ナチスドイツへの反抗を促したのだ。「我々が外から攻めるから君達は中から攻めろ」とね。それを信じたワルシャワ市民は全力を挙げて蜂起する。
しかしソ連はドイツの反撃を食らってあっさりと侵攻を諦めた挙げ句、自分達はもうワルシャワに攻めこまないという情報すらも中のポーランドレジスタンス側に伝えなかった。装備で圧倒的に劣る市民兵士が落ち目であったとはいえナチス正規軍に単独で太刀打ちできるはずもなく、ワルシャワは都市ごと完全に崩壊。実に20万人もの市民が装備の整ったナチスドイツに虐殺され、炎で真っ赤に染まるワルシャワの空ををソ連赤軍はワルシャワ郊外で傍観していたという。ひでえ。
その後、ナチスドイツがイギリス等の連合国側に押され瓦解したタイミングを見計らって、ソ連赤軍はがら空きのワルシャワに侵攻し無血占拠。火事場泥棒。挙げ句にポーランドのレジスタンスを静粛し、当時イギリスに亡命していたポーランド亡命政府も無視し、ソ連の息のかかった傀儡政権を立ち上げる始末。ひでえ。
ポーランド国民のソ連への悪感情をよそ目にまんまと東ヨーロッパ陣営に引き入れる事に成功したのだ。
何なのこの鬼畜っぷり。ひどいでしょ?終わってるでしょ?あんだけポーランドにひどいことしておいて、戦後は子分にするなんて凄過ぎますわ。
WW2を学ぼうとすると、どうしても日本は当事者だし、さらに極悪非道の代名詞ナチスに目がいきがちだけど、ソ連も相当糞なんです。こんだけひどい立ち回りしておきながら、戦後は戦勝国としてアメリカとため張るぐらいの大国として君臨したソ連はある意味凄い。感心する。
そしてそんなソ連を頑張って何十年も押さえ込んできたアメリカはやっぱり偉い。