「ヘリコバクターピロリ」を含む日記 RSS

はてなキーワード: ヘリコバクターピロリとは

2021-08-14

公衆衛生因果関係エビデンスマスク

また擬似相関がTogetterで上がっていたりしたので書いておく。

疫学因果関係 成立判定の5条件

各自ググれ (ttps://minna-shigaku.com/category18/entry31.html ttp://jspt.japanpt.or.jp/ebpt_glossary/causation.html ttps://www.kansai-td.co.jp/corporate/energy/electromagnetic-wave/research/epidemiological-research/evaluation-criteria.html ttps://jeaweb.jp/glossary/glossary015.html など)

" 因果関係を判定する条件として,米国公衆衛生局長諮問委員会の5基準(1964)が提唱されています

1.Consistency(一致性):異なる地域時代・状況でも同一のことが起こる

2.Strength(強固性):原因と結果の関連が強い

3.Specificity(特異性):原因と結果の間に特定対応関係がある(原因が変われば結果も変わる)

4.Temporality(時間性):原因が結果よりも時間的に先行する

5.Coherence整合性):既知の知識体系と矛盾しない

"

"

関連の密接性

関連が強いほど因果関係がある。曝露が多いほど疾病の発生率が高い。

関連の普遍性

特定集団で認められた現象が、他の集団でも認められること。

関連の特異性

疾病があれば曝露があり、曝露があれば予測される率でその疾病が発生すること。

関連の時間

曝露が発病よりも前にあったことが証明されること。

関連の論理

曝露と疾病との関連が、生物学論理から説明できること"

もちろん提唱されているだけであり、これが因果関係判断基準のすべてではない。

Bradford Hillの判定基準(1965)もあります

6.Biological gradient(生物学的用量反応勾配):定量的な反応が起こる(量-反応関係

7.Plausibility(尤もらしさ):生物学的に矛盾なく説明できる

8.Experiment(実験証拠):関連を支持する実験研究存在する

9.Analogy(類似性):既存類似した関連により裏付けられる”


というわけで次、エビデンス

ttps://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00042.html

新型コロナウイルス空気伝播に対するマスクの防御効果  東京大学科学研究所(このページ発表年月日が明記されていない。多分2020年10月

ハムスターを用いた実験

ttps://academic.oup.com/cid/article/71/16/2139/5848814

Surgical Mask Partition Reduces the Risk of Noncontact Transmission in a Golden Syrian Hamster Model for Coronavirus Disease 2019 (COVID-19)

「を以て”新型コロナ対処法のうちマスクにはエビデンスがある”からマスクしないやつは非国民と言っている」輩はいるか?いないよな?

RCTされていないからじゃないぜ。

なぜならエビデンス基本的人間に関するデータである必要があるからだ。

エビデンスレベル解説を見ればわかる。

システマティックレビュー/RCTのメタアナリシス

Ⅱ 1つ以上のランダム比較試験による

Ⅲ 非ランダム比較試験による

Ⅳa 分析疫学研究コホート研究

Ⅳb 分析疫学研究症例対照研究、横断研究

記述研究症例報告やケース・シリーズ

Ⅵ 専門委員会専門家個人意見

まり森永ミルクを飲んだら病気になる、チッソの廃液が流されている水俣の海でとれた魚を食べると病気になる

から止めろというのはエビデンスに基づく医療

ミルクに何の毒が入っているか確定されていない、は治療対策を推奨するエビデンスを止める理由にはならない。

ヘリコバクターピロリ感染していると胃がんになる、ヘリコバクターピロリ除菌すると胃がんにならない>だから除菌をしよう

というのはエビデンスに基づく医療

ピロリ菌感染させた動物の粘膜細胞にがん遺伝子が発現するのが証明されていない>ピロリ菌除菌療法を進めない

というのはエビデンス否定する医療

東大マネキン実験も、ハムスター実験も 「患者データに基づかない」論文しかない。

それをもって推奨する対策はその時点では 最低ランクレベルⅥ 専門委員会専門家個人意見

密でない屋外でウレタンマスクをしている人をエビデンスガーで警察できる代物じゃないってことだ。

全くエビデンスがないわけではない

https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200723-00189530

忽那医師のこれは

エビデンスに結びつく症例報告(クラスV?)とハムスター実験ex vivo実験を並べている。

注意深く読めばハムスター実験エビデンスであるとは述べていない。

著者はわかっているが読者が解っていないと思わず無造作に書いてしまっているか、読者を騙そうとして書いているかどちらかだろう(多分前者)。


COVID19にマスク有効か?という問いに対し

東大マネキン実験ハムスター論文

”8.Experiment(実験証拠):関連を支持する実験研究存在する”

として因果関係の判定に寄与する貴重な実験ではあるが、【エビデンス】ではない



ちなみに忽那医師らが当初、マスクは推奨しないといっていた、そして今でも限定的な言い方でしかマスク装着推奨をしないのは

”5.Coherence整合性):既知の知識体系と矛盾しない”

に引きずられているからだろう。(関連の普遍性、にも)

インフルエンザマスク有効ではない” という既知の知識体系を援用した結果であり、今でもなおその既知の知識体系に寄り添っている。


ファウチが初期にマスクを推奨しなかったのが「真に必要医療現場マスクが不足しそうだからそれを避けるため」というのは完全に信用する気にはならないんだよな。

 
ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん