今回の犯人は、しっかりと可燃性のある液体を利用したようだ。
この裏には、以前小田急線で起こったサラダ油では着火しないというケーススタディが隠されている。
もちろんここにも、白金高輪駅で起こった硫酸事件によるケーススタディがある。
番組表が選挙特番でうまる中、否が応でもこのニュースは速報で流れた。
自らの不遇を恨んで、社会に腹いせしたいという犯人の思惑は叶えられてしまった。
twitterで拡散された動画には犯行当時の生々しい状況が映っていた。
これを見て、わたしは正直肝が冷えた。
自分が乗り合わせたらどうなるかという恐怖ではない。
この動画をもとにさらに計画を練れば、かんたんにより多くの命を奪うことができると感じたからだ。
改めて書くことではないかもしれない。しかし、凶行に及ぼうとする人間だけが先に気づいてしまうことのほうが悪い影響は大きいと考えたのであえて書くことにする。
1.1箇所で火災が起こったことで、人が大量に逃げ出して密集した状態になってしまった。
逆を返せば、一箇所で火災を起こすことができれば、一気に人を追い込むことができることが証明されてしまった。
我先に逃げたい気持ちを抑えて、誰頭が車両から乗客が逃げ出したら扉を閉じて犯人を隔離するなどの解決方法が考えられるが、危機的状況の中でそんな判断力を発揮できるかはわからない。
乗客が線路に降りたところに他の車両が突っ込んでくることで被害が拡大することを恐れてのことだ。
また、安全確認などに大量の時間が取られることで、運行への支障が大きく、とにかく鉄道業界は線路上に人を立ち入らせることを嫌う。
今回においては駅まで走り続けることが被害の拡大にはつながらなかったようだが、より計画的に、より多くの命を奪おうと考えた場合、次の駅までの数分間は犯行を行うに十分すぎる時間になる。
昔のように電車同士の連絡手段が信号しかなかった時代ではない。
鉄道業界は、ある程度のラインを越えた緊急非常事態については、乗客を早急かつ安全に線路内に立ち入らせるための準備が必要な段階に来ている。
それでもトンネル、橋の上など、止まりたくても止まれない状況は思ったよりも多い。
もしそうした場所を通過するときに合わせて計画を練られてしまえばやはり被害を抑えることは難しいだろう。
列車の緊急停止や車両の切り離しなど、乗客にできることが増えてしまえば新たな悪事の対象になりえる。
さすまたの常備ですら、酔っぱらいの喧嘩などに悪用されてしまうだろうことは明らかだ。
事件同様に、走行中に車両火災が発生したことを想定して乗客に避難させる経験をさせることで、有事に対してのパニックを抑えることしか方法はないだろう。
そのときに線路上で停車してしまった場合を想定した訓練を含めれば、それもまた新たなケーススタディとなり、2次的な事故を防ぐ知識の蓄積にもつながる。
爆薬などを用いられた過激なテロに対しては、対策は難しいがまだ日本において対策を急ぐ状況にあるわけではない。
しかし、ガソリンや刃物、硫酸などの液体を用いた反社会的行為は、回を追うごとに被害は大きくなってきている。
マスコミ各社においては、犯人の異常性や被害者の人生ドラマを描くより先に、鉄道各社と連携した上で、いかに安全に迅速に避難できる方法があるかの検証をお願いしたい。
これから凶行に及ぼうとする人間に、鉄道でのテロ行為は難しいと判断させることが、唯一かつ最大の抑止手段となりえるからだ。
断言してもよい。
このまま何も対策を打たないままでいれば、次はより多くの犠牲者が出る。
今回の犯人のような鬱積を抱えている人間はいくらでも潜んでいて、さらに今回の犯人よりももっと多くの被害者を出すことで自己顕示欲を満たしたいと考えている人間もいくらでも潜んでいるからだ。
荷物検査なんて、一部の犯行のために社会全体がコストを背負う必要はない。
んでこのエントリーを書いた理由は何?自分で気づいた犯罪のノウハウを広く拡散する事か? テロリストかよ
40年くらい前までは日本はテロ先進国だったから公安も対策に慣れてたんだろうけどねー