今年で6周年を迎える人気ソーシャルゲームFate/Grand Order(以下FGO)の3月の恒例イベントであり、ホワイトデーにちなんだ男性キャラクターメインの企画のようなものである。
近年ではシナリオやスキンがつくこともあるが、このイベントのメインは女性向け界隈で有名なイラストレーターを外部から呼んで、男キャラの美麗な新規イラストを描かせることだ。有名乙女ゲームやその時話題だった女性向けアニメのキャラデザ担当などが、数名の男性キャラをあらゆるシチュエーションの1枚のイラストに仕上げる。年に1度の企画だからか力が入っていて毎年良いイラストが多く、推しが選抜されていない年もなんだかんだ楽しんでいることが多かった。
今年までは。
今年のビリー・ザ・キッドの扱いは酷すぎるのではないだろうか。
当たり前だ。女性向けのキャラ商売ではこういうネタは嫌がられる傾向にあるし、それでなくてもせっかく外部からイラストレーターを呼びよせて美麗なイラストを描かせる企画なのだ。
今年もすっかりそのつもりでいたので、イラストが発表されたときには「推しがいるかなー」と軽い気持ちで見に行った。シナリオで推しがいたと事前に聞くとそれが良いものでもあまり喜ばしくないネタでも緊張するが、良くも悪くもそういう感情とは無縁の企画だったのだ。
それがなんだあれは。
今年のビリーの扱いは下記の通りだ。
②ガンマンなのにシューティングゲームで当て馬扱い
③とどめのようにCBC告知バナーでギャグ顔を目立つ位置に一人だけ隔離・配置されている
以下、それぞれについて詳しく吐き出していく。
前述のようにこの企画は女性向けで活躍している有名イラストレーターを起用してそれっぽいシチュエーションのイラストを描いてもらうものだ。今年ビリーがいるイラストも某女性向け人気ソーシャルゲームのキャラデザを務めたイラストレーターが描いている。
そこまでしておいてわざわざ顔を崩した表情を描いてもらうなんてありえないのだ。
普通は。
普通なら。
シチュエーションとしてはスプラトゥーンのようなゲームを現実世界でやっていて顔にインクを被弾した……というものであるが、被弾する顔にしたってもう少しやり方というものがあるだろう。文章にすると改めてひどいが、それでも女性向けっぽいイラストに仕上げることなど特に難しくはないはずだ。
だがビリーの表情は女性向けのそれとはかけ離れたものだ。見開いた目はデフォルメが強い三白眼で他のパーツも単純になっている。
ガンマンでヘッドショットを受ける事は致命的であるはずなのに、あまりに締まりのない表情はらしくない。
それに彼の性格や設定を抜きにしてもあの表情はおおよそCBCには相応しくないだろう。
少なくとも例年ではこのような描かれ方をしているキャラは見た事がない。
そして、それ以前にビリーが描かれている面積は小さすぎないだろうか。
あまりに小さすぎて礼装一覧をざっとTwitterで確認した初見の時は、別のキャラだと思った。正直これいる必要あります……?
前提としてFGOは総キャラ数が多いため、この企画のイラストにいるのは選ばれたキャラのみだ。FGOは年々新キャラが実装されているため、特に人気という訳でもなければ過去に一度選抜されたキャラが新規にイラストをもらうのは難しくなっているだろう。
……つまり、一度描かれたら次回以降のCBCでまた選抜されるかどうかはわからないのだ。貴重な機会をこんな小さい面積とギャグ顔で消化しないでほしい。
というか1つの年で選ばれないキャラなんてたくさんいるのだし、こんな扱いならいない方が遥かに良かった。そもそもビリーは過去のCBCで一度イラストをもらっているので今年いなくても特に気にしていなかった。
【②ガンマンなのにシューティングゲームで当て馬扱い】
別に負けること自体は構わない。ビリーだって最強のキャラというわけではないのだ。サーヴァントとしては銃の腕しか取り柄がないと本人も自嘲しているが、射手という大きな括りで見るとビリーより優れている者もいる。そうした設定に不満はない。
だがそれとこれとは別の問題だろう。
男性キャラが主役のイベントで、一番の得意分野である射撃で、無様に負けていい理由にはならない。
そもそもこういう企画でなぜわざわざ一番の得意分野で踏まれなければならないのか。
ビリーはこのゲームではガンマンの代表格のような扱いを受けており、かませ犬にするにはぴったりの立ち位置な分邪推したくなってしまう。
なお、ビリーの他にこのイラストでは2人のキャラが描かれているが、この2人はビリー程にひどい描かれ方はしていないし無様にヘッドショットも食らっていない。
【③とどめのようにCBC告知バナーでギャグ顔を目立つ位置に一人だけ隔離・配置されている】
CBCは毎年バナーで各イラストのキャラの顔だけをピックアップして集めているのだが、例に洩れずビリーもそのうちに入っている。
そしてビリーはなんと一番右下に配置され、バナーにかけられたリボンで、他のキャラたちと隔離されている。
あのギャグ顔だけを切り抜いて。
まるでオチ役かのように。
公開処刑かな?
繰り返し言うが、他の年ではこのように一人だけ隔離というようなことは一度もなかった。
逆にこれさえなければ先述の二点も「気にしすぎかな?」とスルーしていたかもしれない。
本当にひどいのでもしまだ見ていない人がいるなら今すぐFGOを開いて確認してほしい。
もしこれが所謂ネタキャラだったとしても私はドン引きしていただろう。
わざわざキャラをあらゆる女性向けシチュエーションに当てはめて売り出すイベントなのにこういう扱いをするのは客を舐めているとしか思えない。この運営はもともと女性顧客を馬鹿にしている節があるのはたびたび感じていたが、女性向けと銘打ったイベントで一定以上のラインは超えてきたことはないため不快に思いつつもスルーしてきた。
こんな不快なネタをキャラを変えて来年も再来年も見せられるのは嫌だし、ビリーがこれ以降このような扱いをされて当然のキャラとして運営や他のファンに認識されるのも嫌だ。
別に普段ならギャグなんていくらでもやってくれて構わないし、汚れ役だってそれでシナリオが面白くなるならあまりにひどい扱いでない限りいい。
ここでこんなことを吐き捨てても仕方ないと思う方もいるだろうが、今回感じた事はきっちり次のアンケートに書くつもりだし、文章がまとまったら運営に直接今回感じた意見を送ろうと考えている。
もちろん今年のビリーのイラストを喜んでいる人もいるが、私は悲しかった。よりにもよってCBCでこれをやられたのが尚の事ショックだったのだ。