2016-04-17

朝鮮人井戸に毒』に大騒ぎする人に私も言いたい

まず、くだらん書き込みをしてくれた自称保守諸君、どうもありがとう諸君行為によって、100年前の日本人の恥ずべき行為に対して、人々の関心が再び集まった。歴史直視することはどのような集団にとっても重要なことであり、ことに自分たちに都合の悪い歴史直視するのは勇気のいることである諸君書き込みのお陰で「震災虐殺」で検索する人々は増えたであろう。このような機会がなければ、どんどん風化していく過去であるが、極めてショッキングな形で、これを改めて日の下に引きずり出してくれた。感謝したい。

また、その上、現在自称保守」の皆さんのいわゆる民度が100年前のそこから一歩も出ていない(ジョークとして消費できるというそ感覚!)上に、歴史に対するどのような反省もないという点で、お仲間の市会議員・新聞社メディア等を巻き込み、極めて悪質であるということを満天下に知らしめた(http://b.hatena.ne.jp/entry/ironna.jp/article/3143)。この点においても、その功績は大である。おそらく、先日の「保育園落ちた」騒動と同じように、国会で取り上げられるなりすれば、ヘイトスピーチ規制を一段と進めるよいキッカケとなるだろう。『ヘイトスピーチ蔓延した結果、このような言動をする人間が実際に出てきているんですよ!どうですか!』…と言われて、公にヘイトスピーチ規制に反対できる人はいるまい。

正しい保守の皆さんも、さすがに「こんな連中と同一視されたら、ちょっと困るんで…」という引き気味の反応になっており、大変望ましい状況である自称保守」の諸君が、その仲間内で極めて醜悪なコトバを日常的に消費しているのは知っているし、もちろんそれは自由である。そして、それが自由であるということは、結果としての他者から視線批判謙虚に受け止める責任も負うということである諸君がどのように見られるかは、諸君言動にかかっている。それは誰の陰謀によるものでもない。自業自得である

なお、親切心から少しアドバイスをしよう。諸君への批判者=左派だとどうも諸君は信じているようだが、左派自分たちに対してそのように敵意むき出しでかかってくると実際に思っているところを想像すると、いささか滑稽な感があるのは否めない。諸君への批判のうち、大変純真な反応を示しているごく少数を除けば、半数は一般的な「良識から拒否反応であり、残り半数は「保守を名乗って醜いことをするな」という保守の皆さんから批判であるとお見受けする。社会の片隅でひっそりと左派を自認する立場からすると、諸君がまき散らしているヘイトスピーチ自体には特に『興味がない』。当初はその傍若無人さや余りな不勉強に眉をひそめることもあったが、いまでは諸君のことを「理屈ではなくそう信じている人たち」として心静かに眺めるようになった。信仰ならば、どのような非合理的主張も行動も、そういうものと思って眺めるのみである。「神は存在する」という主張に対して「反論」をする意味がない。

そんなわけで、自称保守」の諸君左派攻撃するつもりで今回の件において自分たちへの批判者を攻撃すると、随分的が外れるどころか、ごく普通保守の人たちの気持ち逆撫でする結果になるだろう。その結果、諸君ますますカルト化していくことになり、最終的には保守的潮流自体を退潮させる結果につながるだろう。そのことは、少し自覚しておいた方がいい。

左派の側として、実は政治的に一番困るのは、今回の件について諸君に「謝罪」されたり「素直に反省」されたりすることである自称保守」の諸君にも一片の理性があるではないか…という雰囲気になると、本当のところ大変困る。なのになぜ正直にこんな話をしているかというと、まずそういうことは起こらないだろうと安心しているからだ。そもそも、自称保守」の諸君は、私が左派であると知った時点でもうこんな文章最後まで読んだりはしないだろう、それどころか、一行目を読んだ辺りでもうタブを閉じているだろうからさらに、私がどんなに理のとおった有用忠告をしたところで、諸君が私の忠告を受け入れるはずがないということについてもほぼ確信している。左派の言うことを聞くくらいなら死んだ方がマシだと思っているだろう。全くそれで構わない。そもそも、私も諸君に話しかけているという体で、本当のところはここまで読んでいるであろう一般保守及びノンポリ良識派のみなさんに語っているのだから。だから自称保守」の諸君はそのまま変わらないで構わない。まあ、私が構おうが構うまいが変わらないことは変わらないだろうが。

というわけで、今回の件は、自称保守」のカルト化の進行が、保守潮流全体の行き詰まりや退潮の兆しを明らかにする段階に至ったことが見られたという意味で、印象的な出来事となった。本屋などでも、自称保守」の諸君が喜びそうな本を並べたコーナーは最近縮小しつつあるように感じていたが、その理由が今回の件でよく分かった。あとは、カルト化した連中による「事件」が起これば、それが決定打となるのだろう。それはおそらく1、2年のうちではないかと踏んでいるのだが。

最後に…最後まで読んでくださっている、自称でない普通保守、またはノンポリ良識派のみなさんの、そのうちの極めて読解力の高い少数の人……私の皮肉に満ちた冷たい言い草から、それとはまた違った気持ちを汲み取っていただける人がいるとすれば、その方々にはこう申し上げておきたい。ご批判は甘受します。ただ、私がしているのは、今ではなくその先に向けた準備なのです。

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