2019-08-23

*スコッチ真相安室赤井確執について

 『名探偵コナン』に登場する、安室透、赤井秀一。私も含めて、安室赤井はいつもケンカしているようなイメージを持つ人が多いのではないか?たまに「この2人なんで揉めてるの?」という声を聞くこともあるし、実際2人(とスコッチ)の関係性について整理しきれていない人もいるだろう。

 そこで今回は、スコッチ真相安室赤井確執について整理・考察をしてみた。

 ちょっと検索してみれば分かるのだが、「安室赤井因縁について」のような考察は正直かなりの数が書かれているが、今回は、“自分なりに”スコッチ真相安室赤井確執について整理・考察をしてみた。

あの日、何が起きたのか

(一部を除き原作描写はないが、起きたであろう出来事も含む)

組織スコッチNOCだという情報を得る?

時系列不明

スコッチ

持ち物:スマートフォン

組織NOCだと知られたことに気付く?

バーボンメールを送る(「悪い降谷…奴らに俺が公安だとバレた…逃げ場はもう…あの世しかないようだ…じゃあな、零(ゼロ)…」)

・逃げる?

ビル屋上にたどり着く

バーボン

持ち物:スマートフォン

スコッチからメールを読む

スコッチを追いかける

【ライ】

持ち物:拳銃

・「スコッチ組織NOCだと知られた」という情報を掴む?

スコッチを追いかける?

ビル屋上にたどり着く

スコッチ、ライ】揉み合いになる?

(ここから原作描写があることのみを挙げていく)

スコッチ】投げ飛ばされたフリをして拳銃を抜き取る

【ライ】  拳銃を抜き取られる

スコッチ】ライに銃口を向ける

【ライ】  自分を撃たないよう説得しようとする(「俺を撃つ前に話を聞いてみる気はないか?」)

スコッチ銃口自分の胸に向ける(「拳銃はお前を撃つために抜いたんじゃない…こうする…為だ!!」)

【ライ】  リボルバーシリンダーを掴み、自殺を止めるよう説得。「俺はFBIから潜入している赤井秀一…お前と同じ奴らに噛み付こうとしている犬だ…。さぁ、わかったら拳銃を離して俺の話を聞け…お前1人逃がすくらい造作もないのだから…」

スコッチ】返事はするものの、この時点で拳銃から手を離していない

バーボンビルにたどり着き階段を駆け上がる

【ライ】  足音に気を取られリボルバーから手を離す

スコッチ】ライが手を離した隙に拳銃を発砲、自決する

【ライ】  スコッチの胸ポケット心臓ごと打ち抜かれたスマートフォン発見(「なるほど…拳銃を奪ったのは…コレ(=スマートフォン)を壊すためだったのか…」)

バーボン屋上にたどり着く

【ライ】  振り返り、一言言い放つ。「裏切りには…制裁をもって答える…だったよな?」

バーボンスコッチ遺体に駆け寄る(「しっかりしろスコッチ!!スコッチ!?」)

【ライ】

心臓の鼓動を聞いても無駄だ…死んでるよ…」

拳銃心臓を…ブチ抜いてやったからな…」

「聞いてないのか?そいつ日本公安の犬だぞ…」

バーボン認識

スコッチ拳銃自決。ライが拳銃を渡し、自決強要した。そしてライは周りに「自分が殺した」と嘘をついている。

自分で引き金に親指をかけ、自分を撃ったという事…」

「アイツに自分拳銃を渡し…そうさせたのは赤井秀一…あれ程の男なら自決させない道をいくらでも選択出来ただろうに…」

結論

 先にこの考察での結論を出しておく。

スコッチが死んだ原因は拳銃自殺

・誰が悪いかと聞かれれば3人全員に落ち度があると答える

しかし、ごくまれに見かける「ライのミスを一切認めない(無視した)考察」には異議を唱えたい

・「現在安室赤井共闘できないのは安室の憎しみのせい」という主張にも異議を唱えたい

・「赤井は優しいかスコッチの件について黙っているんだ」という主張にも異議を唱えたい

以上だ。ここから細かく書いていく。

捜査官」として、「人」として

スコッチメールを送る

 もしスマートフォン破壊に失敗していたら、芋づる式にバーボンにも危険が及ぶことは明白だ。最期メールを解析され、誰に送ったのか調べられてしまえば降谷は本名スコッチとの関係本来所属組織全てが分かってしまう。降谷だけでなく、兄・高明や伊達はじめ同期全員の危機否定できない。潜入捜査官として、遺言めいたメールを仲間に送ることは推奨される行為ではない。

 しかし、最期親友遺言を残したことを一体誰が責められるのだろうか。一人の人として考えてみて欲しい。

 さらに考えてみると、スコッチは、メールを送れば幼馴染みで親友バーボンが駆けつけてくることは予想できていたのではないだろうか。そうすれば現場第一発見者はバーボンになる。壊れたスマートフォンを見て意図理解してくれる可能性も高いし、現場いくらでも都合の良いようにごまかすことができる。組織がどういう制度をとっているのか分からないが、ジンラム、あの方、ベルモットなど比較的力のありそうなメンバーに「スコッチを殺したのはバーボンだ」と進言すれば、実績を評価してもらえるかもしれない。少なくともマイナスに働くことはないだろう。

 スコッチは、これを狙っていたのではないか?未だ真実は語られないままだが、気になるところである

バーボン自決現場に駆けつける

 明らかに動揺しているバーボン現場に現われることは、「バーボン」にとってマイナスに働く可能性が非常に高い。スコッチと同じ、NOCの疑いを掛けられることもありえる。バーボンに降りかかる疑いによって捜査打ち切りになってしまっては元も子もないと考えると、潜入捜査官として褒められた行為ではない。

 こう見ると、捜査官としてのバーボンミスは、「足音を立てたこと」ではなく「スコッチ自決現場に駆けつけたこと」なのではないだろうか。

 しかし私は、人として、「親友最期に駆けつけたことは間違いではない」とここに断言する。

 エレーナ及び宮野家との思い出や、松田に学んだ爆弾解体のやり方、返せなかった伊達メール原作映画スピンオフそれぞれで少しずつ描写される降谷の友人(恩人)想いな一面を鑑みるに、スコッチメールを受けてそこで動かないのは降谷というキャラクターではない。

 スコッチ同様、親友ピンチに駆けつけたことを誰が責められるのだろうか。

(余談)

 よく「スコッチ自決の原因」と言われる「バーボン足音」について考えてみる。

 私は、「バーボン足音」は「ライが拳銃から手を離した原因」になっただけであって、「スコッチが死んだ原因」ではないと捉えている。果たして、「この音を聞いたら死ぬ」という足音を立てられる人がいるのだろうか?マンドレイクじゃあるまいし、足音じゃ人は死なないということを思い出して欲しい。

 「バーボン足音を立てなければスコッチは死ななかった」という意見もたまに見かけるが、バーボンだけ忍者の素質を求められているのだろうか?

【ライ】スコッチ自決現場にいる、身分を明かす

 ライがスコッチを助けに行ったことは、潜入捜査官としてあまり正しい行為だとは言えない。スコッチと話しているところを誰かに見られてしまえば、ライまでNOCの疑いをかけられる可能性があるからだ。ライはFBI捜査を優先しなくてはならない。他国捜査官のために自らの任務をおろそかにしてはいけないはずだ。

 しかし、ライがスコッチを助けようとしたことは人として間違った行いなのだろうか。

 2人の間にどれほどの交流があったのかは明かされていないが、ライはスコッチに対して「お前はここで死ぬべき男ではない」と評している。少なくとも実力や人格を認めているととれる発言だ。組織という巨大な敵に立ち向かうにはスコッチの力が必要だと考えていたのかもしれないし、個人的な信頼があったのかもしれない。やはりこれも作中で語られていないので分からないが、「他国捜査官」という領域を侵してまで助けようと考えたのだからスコッチのことをそれなりに信用していたのではないだろうか。そんな人物のために手を貸そうという考えを、やはり責めることはできない。

(余談)

 捜査官としてライがスコッチを助ける「義務」はない。

ごくまれに、「ライは義務もないのに助けに行った。だから感謝されることはあっても憎まれる筋合いはない。」という言い分を見かけることがある。

 しかし、「スコッチがNOCだった」という一報(仮定)を聞き、真っ先に現場にたどり着いた上自決を止めようとしている時点で「助ける義務はない(だから非はない)」とは言えない状況になっている。ものごとに介入した以上は当然責任が発生するのだ。

 スコッチを助ける義務がないなら現場に行かなければ良かった話だが、当の赤井本人がお得意の「領域エリア)」を振り切ってまでスコッチ自決に関わりにいっている以上、通用しない言い分である

(余談)

 「拳銃を奪われたこと」と「拳銃から手を離したこと」は確実にライのミスだ。拳銃を奪われ、一度は止めるも手を離すというライが犯した2つのミス無視して語ることは出来ない。

 バーボンもライも「どちらも悪く、どちらも悪くない」といえる状況だが、ライのミスが大きかったことは事実だ。「スコッチバーボン足音のせいで死んだ」等、ライの過失を無視してスコッチ自決について語ることには大きな違和感を覚える。

赤井秀一の嘘

赤井は降谷の誤解をとく気がない

 ライが自決現場でとっさに嘘をついたのは、スコッチ自決を利用するためだと思う。バーボンNOCだと知らなければそれは自然判断だ。もしかすると、「スコッチの死を無駄にするわけにはいかない」とさえ考えたかもしれない。

 しかし、バーボン公安からNOCだと知った今もなお真実を隠していることは褒められる行為ではないと思う。そして、今も隠し続けている(真実を話す気が全くなさそう)のは何故なのか、私には皆目見当もつかない。赤井・降谷双方にとってのメリットが何も思いつかないからだ。

 また、赤井が、日本からの潜入捜査官(スコッチ)の存在を知っていてFBIチームメイトに報告していないことは、FBI側の捜査の妨げになっている。さらに、拳銃を奪われたことに関する報告も怠っているので、

現状「スコッチに関する一連の出来事」について赤井が口をつぐんでいることは、赤井意図的に自分ミスを隠しているように捉えられてもおかしくない。

(余談)

 赤井は、スコッチの件を「優しいから」「安室が傷つくと思って」隠しているわけではないと思う。父親真相を知りたくてFBI入りしている赤井が「真実が見えないこと」の苦しみを知らないわけがいからだ。本当に「優しい」なら事実を全て話すか、今は話せないのだとしてもせめて話そうとする素振りくらいは見せるのではないだろうか。

 「安室が傷つくと思って」に関しては、そもそもこの主張にやや違和感を覚える。

真実を話したら安室が傷つく→「“真実”の中に安室が傷つくような出来事が含まれている」と赤井認識している→「足音のくだりを聞いたら安室は傷つくだろうな」と“赤井が”考えている

 つまり、この主張は「『安室足音のせいでスコッチが死んだ(だから真実を聞いたら安室が苦しむだろうな)』と赤井が考えている」と言っているも同然だ。

 「赤井秀一」は、自分の落ち度を棚上げして他人なすりつけるキャラクターなのだろうか?私は疑問に思う。

降谷零の憎しみ

降谷は、赤井が嘘をついていることに気付いている

 赤井たちFBIには違法捜査事実があるので、「安室スコッチ自決までの課程を知る=安室透と赤井秀一和解共闘」という図式は本来なら成り立たないはずだ(漫画の都合で最終的に共闘することになるとは思うので、濁した書き方をしておく)。

 もし、安室親友の死の真相を教えてもらうことで、FBIによる数々の違法捜査をチャラにすることがあったとしたら、その行動こそ「私情」であり「狩るべき相手を見誤」っていることになるだろう。

FBI違法捜査については「名探偵コナン赤井秀一に関する考察」に簡単にまとまっているので読んでみて欲しい。私はこの考察に影響されて筆を執った。)

ちゃんと表示できているか心配だ…。もしできていなかったら増田の中を探してみて欲しい。

名探偵コナン・赤井秀一に関する考察

 そもそも赤井安室が「共闘できない・しない」のは2人の因縁が原因なのではなく、(日本側がFBIに協力を要請する必要性が見受けられない以上)FBI日本側に協力を申し出ないせいなので、「対黒の組織における共闘」と「スコッチに関する一連の出来事」は全くの別問題だと考えるべきだ。

 さらに、ライはスコッチの死を利用して昇っていったが、NOCだと露見し早々に離脱した。しか特に情報は得られていない様子(「ジン仕事する」という報告をFBIに入れているが、結局会えていない。ラムのことも知らない様子。)なので、降谷の怒りも納得できる。

諸伏景光覚悟

 もし、スコッチがライ(FBI)の手を取っていたら、今のキールのような扱いを受ける可能性が高い(キールの現状についても、前述の増田を読んで欲しい)。

 キールの扱いとまではいかなくても、保護する代わりに情報提供を求められてもおかしくない。FBI立場から考えると、他国捜査官をわざわざ保護するのだから見返りを求めて当然だ。「公安には情報を流さず、FBIだけに提供しろ。さもなくば赤井手土産として持たせて組織に送り返すぞ。」という条件がつく可能だってある。

 搾り取るだけ搾り取った後、日本に対して「あなたの国のスパイがいました。これ、どう落とし前付けてくれるんですかね?」なんて言って外交カードに使われることだってあるかもしれない。親友の降谷だって当然危ない。

 ライがの身分を信じられなかったという可能性もある。今まで組織メンバーだと思っていた人間が突然「お前と同じで俺もスパイなんだ」と言ってきても、素直に信じる人はいないだろう。油断して口を滑らせる作戦かもしれない。むしろ疑ってかかるべきだ。

 実際あのビルでは、「ライと協力して足音の主を迎え撃つ」という選択肢もあったが、スコッチはそれをしなかった。優秀な捜査官らしく、ライを疑うことにしたのかもしれない。もしくは、申し出を信じた上でFBI保護されることを拒んだとも考えられる。

 もしくは、「目の前のライを殺して足音の主も制圧する=とにかく逃げる」という選択肢も思いつく。これについては、ライが身分を明かしたことによって、結果としてスコッチを脅すことになっている。

 スコッチはライ=FBIだと聞いてしまった。それが嘘なのか本当なのかを見極める方法も余裕もあのビル屋上にはなかった。

 もし身分が嘘で、ライは組織人間なのだとしたら、「ライと足音の主を両方制圧する」は特に問題のない選択だ。

 しかし、上述の通り「スコッチは『ライ=FBI』の可能性を考えてしまった」。真実だと確信する方法はないが、フェイクだと確信する方法もない。スコッチはこう考えた可能性もある。

「ライがFBIだと知っていて、ここで危害を加えたら国際問題になるかもしれない」

 もしこの場に録音機器や盗聴機器が回っていて、「ライがスコッチ身分を明かした」という事実が誰かに知られていたら?

 この場を上手く切り抜けても、後から日本の諸伏捜査官は、赤井捜査官がFBI人間だと知っていて手に掛けた」なんて抗議が来たら?

 …ということを素人の私でも思いつくのだから、もちろんスコッチも考えたはずだ。

 自分の命と引き替えに、今まで身を削って手に入れた情報他国に流すのか…?自分存在日本不利益になるかもしれない…。兄や親友危険が及ぶかもしれない…。自分が原因で他国に弱みを握られたら…?

 スコッチ自決によって守られたのは家族や友人だけではなかった。スコッチ自らが日本にとっての「危険カード」になってしまうことも防いだのだ。

 「公安としての冷静な判断」と「家族親友を守り抜く決意」の両方を持った、諸伏景光覚悟を感じる場面だった。

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