はてなキーワード: 絶望の国の幸福な若者たちとは
荻上チキさんの名前を見たなかで一番印象的だったのは、社会学者の古市憲寿さんが直々に『絶望の国の幸福な若者たち』のなかで言及したときのことだ。内容については触れない。ぜひ入手して読んで欲しい。
荻上さんの名前を知ったのははてなダイアリーだ。『バックラッシュ』は買った。表紙には上野千鶴子先生の名前を筆頭に、たくさんの論者の名前が書かれている。その一番最後に荻上さんの名前が書かれている。いまでもその本は捨てずに本棚に置いてある。
はてなには、よく分からないことを言うひとも多かったし、いまでは名前も思い出せないひとも多い。そのなかで荻上さんははっきりと名前を覚えたひとりだ。ジェンダーフリーについてのサイトで煽りまくっていたのを覚えている。
下司の極み乙武さん(クンづけはしません)の「ダミー」として不倫旅行の手助けをした、と、
斬り込み隊長に断言されている社会漫談家(≠社会学者)の古市さんなわけだが、
何年前だったか、『絶望の国の幸福な若者たち』という本をだされて多少、評判になったころ、
古市さんの出席する読書会兼講演会のようなものに参加したことがあった。
講演会の最後に、例によって質問コーナーがあって、2~3、マジメな質問が続いたあと、
「あの~、こういう質問していいのかよく分からないんですけど、古市さんってどういう女性がタイプなんです?」
そこそこマジメな空気の中で、クールに「俺は人と違う意見が言える気鋭の社会学者」をキメていた古市さんに、
ゲスな質問がぶつけられ、会場は笑いに包まれたのだけれども、そのとき古市さんは
「あの~、そうですね、僕より有能でお金かせいでくれる人と結婚できたらいいですね、へへっ」
と、キャラを守った返答をしていた。
質問した男性は、さすがにその程度のごまかしが通用する人ではなかったらしく、続けて
「それって、『結婚の条件』であって、『恋愛のタイプ』ではないと思うんですけど、恋愛という意味で好きなタイプとかあるんですか?」
と、やや踏み込んで質問した。
それに対し古市さんは、ややひるみながらも
「あの、男女の恋愛に求められるような、人と一緒にいることの喜びとか安らぎとか、
そういうものって、友情とかで代替できると思っているんですよね・・・」
などと、なんだがごまかしたような答えをして、質問した男性も、
以上この場で突っ込むのぶしつけと感じたのか、ここでやり取りを終えてしまった。
まあ、精神的な部分はある程度友情で代替が効くのかもしれないが、当時の古市さんは20代だったわけで、
そういう「精神的な充足」を求めるのとは別の肉体的な欲望もあったはずだろうが
(仮にそれが全くなかったとしたら、それはそれで興味深い事例だと思うが)
さすがにそれはつまびらかにはしないのだなあと思って、
まあ、古市さんが、どういう性癖の持ち主だろうが、知ったこっちゃないし、
二次元しか愛せない人だろうが、オナニストだろうがゲイだろうが、どうでもいいのでそのことは忘れていたのだけれど。
テレビで「唾液の交換が不潔だからキスが嫌いだ」とか言い出したりしてネットに話題を振りまいていたと思ったら、
乙武さんの不倫を介護のようなものかもしれないとか擁護しだしたりして、
そして、もし、本当に乙武さんの肉体的欲望を満たすための旅行でダミー役を引き受けていたとするならば、
それはなんだかもう、本当に味わい深いなあという思いとともに、このエピソードを思い出した次第。
ま、こんなこと考えている自分も、ずいぶん下司ですがね。