2024-03-26

アファーマティブアクション話題なので,アカデミアを離れた時の話

アカデミアを離れた理由は主に3つ.

日本アカデミアの待遇が良くないこと

学振が取れなかったこ

・若手男性ポストを得るのが難しい状況であること

んで,結局民間に行ったという話.

研究自体に不満があったわけではない.

日本アカデミアの待遇が良くないこと

これはいろいろな要因があるけど,シンプルお金がないことが一番の原因.

お金がないのは経済成長が停滞しているからであり,失われたn十年のせいであり,これは要因が根深く,すぐに改善できるものではない.

そして,改善される兆しが見えない.

すなわち,日本アカデミアは既に何が/誰が悪かったのかを探す段階にあるということ.

昨今のアファーマティブアクションは物議を醸しているが,これも無数に空いている穴を塞ぐ一つの手段しかなく,日本アカデミア自体がどうしようもないところまできている.

有り体に言えば,未来がない.

じゃあなんでそんなところに飛び込んだのかといえば,若年層特有の万能感としか言いようがない.

「俺がなんとかしてやる」と豪語し,どうにもならなかったというだけの話.悲しいね

学振が取れなかったこ

まあ研究者の仕事って書類書いて科研費などのお金を取ってくることが必須なわけでして.

その登竜門となっているのが学振である

博士学生のうち半分くらいが出し,そのうち約2割が採択される(留学生含む全博士学生の約1割が学振持ち).

これを取れればそれなりに研究PJ立案できるとされる.

んでまあ俺は取れなかった.

いや,学振取れなくても研究者になれるってのは分かるよ?

でも今の時代少子化大学ポストが減る中,男性が多い上の世代テニュアで残り,一方女性比率を挙げるために女性がどんどん採用される時代よ?

純粋に若手男性が取れるポストが減ってる中で学振なしで戦うのは相当に不利よ?

しかもその先の待遇も良いものではない上に,昇進についても女性が有利な時代よ?

流石に勝算が薄すぎる.

幸いにして他の経済的支援プログラムには採択されたので,生活費は工面できた.

この御恩はいつかお返しします.

若手男性ポストを得るのが難しい状況であること

これまた大きな流れを受けて状況がとても悪い.

少子化で今後ポストが減っていく中,女性比率も上げたい.

しかし上の世代を強引に追い出すことはできない.

これを強引に解決する手法として,若手男性ポスト犠牲にするアファーマティブアクションが取られることとなった.

外国と比べて日本理系女性比率が低く,マイノリティである女性が過ごしにくい環境になっていると.

必要性は分かる,分かるんだけどね.

俺の世代男女平等を叩き込まれてるから相手がどのような属性人間であれ通用するような話や言葉遣いを心がけてきたよ(勉強研究の話がメイン).

だというのに男性という性別原罪を問うてくるのは,まあやるせなさを感じるよ.

からといって同年代女性を恨むかというと,そういうこともなく.

というより,先輩後輩や同期の女性達は,偶然女性優遇される時代に生まれ落ちただけで,特に俺に何かしたわけでもないし,俺は研究の話ができて良かったよ.

チャンスがあったら掴むのが当然では.

ロールモデルがいないことによる困難さなど,また別のものを抱えてるだろうし.

恨みの連鎖は俺の代で止めるよ.

俺の生まれ時代が悪かったのだろう.

ま,これも現代日本に生まれ高等教育を受けることが受けた時点で,間違いなく運が良い方には入っているだろうが.

上の世代の不始末の影響を受けているといえばまあそうなんだけど,じゃあ上の世代を全員恨むかと言うとそれもちょっと違うかな.

世代性別単位で恨みを抱くには範囲が広すぎる.

博士向けの経済的支援プログラムを作ったのもまた上の世代の誰かなわけだし.

でも性別理由原罪を被せて来る奴は呪う.

じゃあ若手男性はどうすればいいのか

民間に行くか,海外に行きましょう.

上の世代犠牲のもとに,我々世代博士民間就活改善されているように感じた(上の世代が伝え聞いていた話ほどひどくはなかった).

積極的博士採用したがる企業複数見かけた.

修士より要求されるものは多いかもしれないが,しっかり就活すれば野垂れ死ぬことはなさそう(文系の状況は分からないが).

あるいは海外に行きましょう.海外アファーマティブアクション済みのところが多く,また欧米諸国以外でも日本より良い待遇で雇ってくれる所がある.

無論,要求される資質日本ポストと異なることもあるだろうが,国内ポストよりは生きやすいと思われる.

若手女性はどうすれば

女性枠だ」みたいな声に左右されずに,ガンガン研究して成果を出してください.お願いします.

俺達の犠牲の行く末,将来の男女平等世代研究者の未来貴方がたにかかっています

もしくは,民間に行くか,海外に行きましょう.そっちの方が良い場合があるというのは,上に書いた通り.

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