若社長と会長からのありがたーいお説教のお言葉がどうにも心に響かねぇなぁ。と思った理由がわかった。
もともとこの会社で財務・人事関係の仕事をしていた父親が体調をくずし、引き継いでほしいと頼まれてこの会社に入社した。
調子の良い性格の若社長と会長に良いように使われる気配しかしない。ゆえに、はじめは断っていたのだが、父親の体調がどうにもこうにもならず、他の候補もなく。
一生懸命頼んでくる父親に、親孝行の一つもしなければならないかと、苦渋の決断で入社した。
結果は半分成功、半分大失敗だ。
ただ、ある程度裁量が出来る立場と、奇跡的に今までの職歴がいかせて、周りや、自分自身が驚くほど色々な仕事をこなす事ができている。
幅広い仕事を振られて、成長ができたのは事実だ。そこは感謝している。
世の中の流れに反して、ウチの業績は右上がりだ。
その結果、何が起きているのか。
表面上は良いのだが内部は成長が無いのだ。
昔いた資格者がどんどん定年で辞めていく。
やる気があった若者が「もう頑張れない」と辞めてゆく。
若社長と会長は、当然やる気がある若者を引き止めようとするが留めきれない。
当たり前だ。
私は立ち場を利用して強気に無理だと言うが、それでも「頑張れない」と思うくらいだ。
真面目に、がむしゃらで頑張っている彼らはそんな事を言えない。それに気が付かず、休ませる機会を作らずに「大丈夫、もっと出来る頑張れるお前なら出来る」と言う馬鹿にどうして付いて行けるのか。
資格取得の支援や、稼ぎたい者や、家族との時間を優先したい者等を確認して、今後の体制を整えないと行けない。
別に給与が貰えれば会社がどうなろうとどうでも良い。と、割り切りたいところだが、なかなか人間、そう簡単に非情徹することもなれない。
立場的に、偽善もあるのだが、若社長と会長に苦言を言わざるを得ない。
その結果が「お前の言い方はキツイ。そんな言い方を俺達(会長、若社長)に対して言ってるのを聞いたら、他の社員からお前はどう見られるのかわかっているのか」である。
……言い方がキツくなっているのは認めよう。
何故なら若社長と会長に嫌悪感を抱いているからだ。きっとそれが滲み出てしまっているだろう。
「もっと思いやりを持って、優しく言ってくれたら聞くのに。周りの社員はできてるのにお前は…」と、彼らは言うが、他の社員は貴方がたが怖いから言えないだけである。
正直な話、私は社員から会長と若社長が話を聞いてくれない、言ってる事がコロコロ変わる、支持が曖昧で分からないと、愚痴をずっと聞かされ続けている。
何故こんな愚痴が自分に寄せられるのかと言えば、私だけが若社長と会長に物を堂々と言えるからだ。
父親には悪いが、私はもうこの会社を辞めたくて仕方がないので、会長と若社長の機嫌を損ねる事に躊躇いがない。しかしながら会長と若社長は、私が不正を働いたり、怠ける程の度胸が無いからと重要な仕事の大半を私に引き継いでしまったので私を手放せないのだ。
何故自分は、こんなにも会長と若社長の言葉をスルー出来るのだろうか。
もちろん退職したい気持ちがあるからもあるが「お前は冷たい、周りにも冷たいと思われているぞ」と言われて、普段の自分ならもっと傷つくところである。
そして気がついたのは彼らの言葉はあくまでも私を慮って言葉に気をつけろと言ってるわけではなく「だから俺たちに優しくしろ」が後ろにつくからだろう。
また「私は従業員に冷たくしたり、理不尽なことを言っていますか?」と尋ねれば、彼らが「それはないが、きっと周りはお前を二重人格者だと思ってる!」と端切れ悪く答えるからだろう。
結局、彼らは自分を、甘やかしたいという事しか考えていないと思って私は苛立ち、そうして傷つくことが無いのだろう。
怒りというのは強い盾だと最近思う。
私は常に彼らに「私に対して〇〇をしろ」と言ってるわけではなく「もっと従業員の言葉を聞け」と言っている。
何故私は自分では無く、他人の為にこんな事をしているのか、しばしば不思議な心地になる。
まあ、結局は己がいる環境を快適にしたいゆえの行動なのだろう。
とりとめのない話になった。
平行線の様な会話をいつまで続けるのだろうか。
彼らは変わるのだろうか。
私の言い方を変えれば、彼らは変わるのだろうか。
苦言を辞める事が出来れば、徒労を感じて疲労する事も無いのだろう。
それが出来無いのは、所詮、自分は従業員に頼られていると言う優越感と負い目を感じているのだ。
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追記しておく。
しかしながら世にいう外様と言うもので、立場は上記のとおりである。果たして会社が潰れた時に、法的にどの位の経営責任を取らされるやら…その前に退職できる事を願う。
問題は会長も認める若社長の営業力はあるのに経営力の無さだ。会社内での求心力の低さや、散財の多さを、どうにかできるか、それに今後はかかっているだろう。
親族経営は私の場合は身内だからこそ余計に耐え難いが、どうしても他人より、謎の甘えが働くのも良くわかる。
そして、仕事なのに家族と接すると言う状況に使った結果、不思議な事に従業員の事を家族と言いだし、家族と同じ様に従業員に甘えが出始める。
卿は司馬仲達になれ。職責を果たしつつ会社を乗っ取る算段をしておけ。それが全従業員の為だ。
独立しちゃえば?
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