2020-02-01

アイディアノート_darkrage_水も滴るいい男

インタビュー0013】

番号:0013

氏名:ショウゴ・カワグチ

年齢:27歳

性別男性

住所:■■■■■■■■■■■■(削除済み)

担当マリエッラ・アガッツ捜査

映像記録からテキスト化。

インタビュー映像開始】

重要性が低いため、省略》

ガッツ捜査官:

 では0013、貴方のその特別能力について聞かせてもらえますか?

0013:

 あー、えっと女性の前で話すのも失礼かなって思うんですけど。

ガッツ捜査官:

 どうかお気になさらず。

0013:

 はい、えっと……。

 僕の体液は他人気持ち良くさせるみたいで、その……麻薬的な。

 例えば汗だとか、唾液なんかも。

ガッツ捜査官:

 貴方はその能力をどこかで行使しまたか

0013:

 はい、まぁ、沢山。

ガッツ捜査官:

 具体的に聞かせて下さい。

0013:

 そうですね、大体は女の子と遊ぶために。

 一緒に飲む前にちょっとだけ運動をするんです、軽く走ったり。

 ほんの少しだけ汗をかけば大丈夫で。

 その状態女の子に触るんです、もちろん失礼のないように。

 たとえば肩とか、初対面の子なら転ぶフリをしてとか。

ガッツ捜査官:

 効果はどれほどに?

0013:

 服の上からだと10分ぐらい。

 素肌だともっと早くで数分です。

ガッツ捜査官:

 それだけで女性と一夜を過ごせた?

0013:

 いえ、さすがに汗だけでは。

 でも女の子も僕の汗とお酒気持ちよくなってるので。

 いい感じになってキスまでは簡単に持ち込めました。

 それでその……。

ガッツ捜査官:

 唾液は汗よりも効果が高い?

0013:

 まぁ……はい

 そこからトントン拍子で。

ガッツ捜査官:

 精液は?

0013:

 は?

ガッツ捜査官:

 セックスしたのなら――。

0013:

 あー、まぁそうですねよ。

 えっと、効果はすごく高かったです、唾液よりも。

 正直、ドン引きするほど。

ガッツ捜査官:

 なるほど。

 0013、貴方は2年ほど前から交友関係を断っていますね。

 女遊びもしていないようです。

 それについて聞かせてもらえますか?

0013:

 よく愛のないセックスはーなんて言いますけど。

 僕の場合は何ていうかもっと悪くて。

ガッツ捜査官:

 というと?

0013:

 初めは楽しかったです。

 何人ともやりましたよ。

 けど……僕の能力が周りに知れ渡ると皆変わったんです。

 僕のことを人間として見てくれない。

 ただの麻薬製造機みたいな扱いになって。

ガッツ捜査官:

 嫌気がさしたと?

0013:

 はい

 自分で言うのもなんですけど、僕顔もスタイルも悪くないでしょ?

 でも楽しくお酒を飲みたいとか、いい男とセックスしたいとか、それさえも無くなって。

 男として見られてないというか。

 皆、僕の体……というか体液だけが目当てだった。

 変な話ですよね、前まで逆の立場だったのに。

ガッツ捜査官:

 分かりました。

 次の質問です。

 0013、貴方が■■■■■■■■(削除済み)で麻薬カルテルに拘束されたのはその後ことですか?

0013:

 はい

ガッツ捜査官:

 カルテル目的は?

0013:

 僕の血液で儲けると言っていました。

 血が一番効果が高いらしく。

ガッツ捜査官:

 拘束されていた時のことを詳しくお願いします。

0013:

 コンクリートの部屋で一日中、変な装置に繋がれてました。

 僕を死なせない程度に血を取る装置らしくて。

 尿も取られました。

 勝手にオシッコするとあいつら殴ってくるんです。

 食事飲み物は十分にもらっていました、まぁ僕の体液の為だと思いますけど。

 食事以外はずっとベッドに寝ていました。

 ずっと血を取られ続けて、貧血気持ち悪くて。

ガッツ捜査官:

 私達の部隊突入するまでその状態が続いていた?

0013:

 はい

ガッツ捜査官:

 分かりました。

 直近の出来事についてはこれで大丈夫でしょう。

0013:

 あの、僕はいつまでここに?

 何かの罪に問われるんですか?

ガッツ捜査官:

 いえ、そんなことはありません。

 次の質問最後です。

 それが終わったら帰宅しても結構ですよ。

0013:

 《大きく溜息、安堵した様子》

ガッツ捜査官:

 入って。

《アガッツ捜査官が指示、武装した隊員が4名入室》

0013:

 あの、これは一体――。

ガッツ捜査官:

 0013、これが最後質問です。

 へカティアという女性に会ったことは?

0013:

 いえ、知りません。

ガッツ捜査官:

 そんなはずは無いですよね。

 貴方にその能力を与えたはず。

0013:

 そんなに怒らないで下さい。

 本当に知らないんです。

 ほら、もしかしたら口説いた女性の中にいたのかも。

ガッツ捜査官:

 貴方にその能力が備わる前の話してるの。

 それまで貴方は社交的なタイプでは無かった。

0013:

 何を言ってるんですか。

 この能力を持つ前から僕は……。

 あれ?えっと、あれ?

ガッツ捜査官:

 やっぱり。

 記憶が無いんでしょう?

0013:

 いやでもそんなはずは。

ガッツ捜査官:

 貴方は5年前に顔面の7割を火傷する大事故にあった。

 それ以来、家に引きこもるようになり運動もせず、体重もどんどん増えていき、

 近所の悪ガキから巨漢ゾンビなんて言われて塞ぎ込んでいった。

 外に出て女遊びするようなタイプにはとても思えない。

 覚えてる?

0013:

 いやいや、そんなこと知らない。

 何を言って――。

ガッツ捜査官:

 そんな人が突然、夜の世界に出て女漁りをはじめた。

 体は魅力的に引き締まり、顔の火傷も完全に消えている。

 事故から1年後のこと、おかしいと思わない?

0013:

 いい加減にしてくれ。

ガッツ捜査官:

 へカティアに会ったのでしょう?

 それから貴方は何もかも変わった。

0013:

 カティアなんて女性は知らない。

 本当に。

ガッツ捜査官:

 カティア?

0013:

 どうしたんです?

 カティアという女性に会ったかと聞いたんですよね?

ガッツ捜査官:

 いいえ、ヘカティアと会ったかと聞いているの。

0013:

 ええ、カティアですよね?

 さっきから言ってますけど、カティアという女性に会ったことはありません。

《アガッツ捜査官は0013と距離を取り、拳銃を構える》

ガッツ捜査官:

 へカティア、この男を通して会話を聞いているのね。

0013:

 どうしたんです?

ガッツ捜査官:

 貴方自分名前に忠実なところは好きよ。

 いつも「ヘ」の発音が消えるから

 分かりやすくて助かる。

0013:

 ばれちゃった?

 ああ、そうみたいだ。

 ごめんなさい、もう女の子と遊ばせてあげられない。

 大丈夫だよ、仕方ないさ。

ガッツ捜査官:

 化け物め。

《0013の顔面消失

0013:

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 (削除済み)

ガッツ捜査官:

 撃て!

《アガッツ捜査官と4名の武装隊員が発砲》

《0013の触手にてカメラ破壊映像と音声が途絶》

インタビュー映像終了】


事件後報告

ガッツ捜査官を含め、室内にいた職員は全員死亡。

0013はへカティアの能力に耐えきれずに死亡。

0013は検死後、焼却処分されます

遺族には偽装情報が与えられます

・今回の事故に関する諸注意

我々のへカティアの能力に対する甘さが職員の死亡という残念な結果に繋がりました。

ネームテスト最初に行うという通達担当職員に行き渡らなかったのも今回の出来事の一因です。

へカティアを担当する全職員更新されたマニュアルを頭に叩き込んで下さい。

ここ最近対策チームの士気が落ちていることは承知していますが、怠慢やサボり貴方の命と引き換えにしないで下さい。

※この記録は保守期間を過ぎたため、アーカイブへ記録されます

 誤字脱字、翻訳の不備がある場合アーカイブ課へご連絡下さい。

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