番号:0013
氏名:ショウゴ・カワグチ
年齢:27歳
住所:■■■■■■■■■■■■(削除済み)
《重要性が低いため、省略》
では0013、貴方のその特別な能力について聞かせてもらえますか?
0013:
あー、えっと女性の前で話すのも失礼かなって思うんですけど。
どうかお気になさらず。
0013:
はい、えっと……。
僕の体液は他人を気持ち良くさせるみたいで、その……麻薬的な。
例えば汗だとか、唾液なんかも。
0013:
はい、まぁ、沢山。
具体的に聞かせて下さい。
0013:
そうですね、大体は女の子と遊ぶために。
ほんの少しだけ汗をかけば大丈夫で。
たとえば肩とか、初対面の子なら転ぶフリをしてとか。
効果はどれほどに?
0013:
素肌だともっと早くで数分です。
それだけで女性と一夜を過ごせた?
0013:
いえ、さすがに汗だけでは。
それでその……。
唾液は汗よりも効果が高い?
0013:
まぁ……はい。
精液は?
0013:
は?
セックスしたのなら――。
0013:
あー、まぁそうですねよ。
えっと、効果はすごく高かったです、唾液よりも。
正直、ドン引きするほど。
なるほど。
女遊びもしていないようです。
それについて聞かせてもらえますか?
0013:
というと?
0013:
初めは楽しかったです。
何人ともやりましたよ。
けど……僕の能力が周りに知れ渡ると皆変わったんです。
僕のことを人間として見てくれない。
嫌気がさしたと?
0013:
はい。
自分で言うのもなんですけど、僕顔もスタイルも悪くないでしょ?
でも楽しくお酒を飲みたいとか、いい男とセックスしたいとか、それさえも無くなって。
男として見られてないというか。
皆、僕の体……というか体液だけが目当てだった。
変な話ですよね、前まで逆の立場だったのに。
分かりました。
次の質問です。
0013、貴方が■■■■■■■■(削除済み)で麻薬カルテルに拘束されたのはその後ことですか?
0013:
はい。
0013:
僕の血液で儲けると言っていました。
血が一番効果が高いらしく。
拘束されていた時のことを詳しくお願いします。
0013:
僕を死なせない程度に血を取る装置らしくて。
尿も取られました。
食事と飲み物は十分にもらっていました、まぁ僕の体液の為だと思いますけど。
食事以外はずっとベッドに寝ていました。
0013:
はい。
分かりました。
0013:
あの、僕はいつまでここに?
何かの罪に問われるんですか?
いえ、そんなことはありません。
0013:
《大きく溜息、安堵した様子》
入って。
0013:
あの、これは一体――。
0013:
いえ、知りません。
そんなはずは無いですよね。
0013:
そんなに怒らないで下さい。
本当に知らないんです。
0013:
何を言ってるんですか。
あれ?えっと、あれ?
やっぱり。
記憶が無いんでしょう?
0013:
いやでもそんなはずは。
それ以来、家に引きこもるようになり運動もせず、体重もどんどん増えていき、
外に出て女遊びするようなタイプにはとても思えない。
覚えてる?
0013:
いやいや、そんなこと知らない。
何を言って――。
そんな人が突然、夜の世界に出て女漁りをはじめた。
体は魅力的に引き締まり、顔の火傷も完全に消えている。
0013:
いい加減にしてくれ。
へカティアに会ったのでしょう?
0013:
本当に。
カティア?
0013:
どうしたんです?
0013:
ええ、カティアですよね?
さっきから言ってますけど、カティアという女性に会ったことはありません。
へカティア、この男を通して会話を聞いているのね。
0013:
どうしたんです?
分かりやすくて助かる。
0013:
ばれちゃった?
ああ、そうみたいだ。
ごめんなさい、もう女の子と遊ばせてあげられない。
大丈夫だよ、仕方ないさ。
化け物め。
0013:
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(削除済み)
撃て!
我々のへカティアの能力に対する甘さが職員の死亡という残念な結果に繋がりました。
ネームテストを最初に行うという通達が担当職員に行き渡らなかったのも今回の出来事の一因です。
へカティアを担当する全職員は更新されたマニュアルを頭に叩き込んで下さい。
ここ最近、対策チームの士気が落ちていることは承知していますが、怠慢やサボりを貴方の命と引き換えにしないで下さい。