https://www.asahi.com/articles/ASL6H63FTL6HUTIL04M.html
「無防備力も女子力だと思います」というコピーとともに幼い女の子の写真が掲げられた西日本鉄道の広告が、批判が多かったということで撤去になったというニュースを見ました。
広告はしばしば炎上してるの見ますが、打ち切りまでしなくても…買わないけどさ…と思うこともありますが今回のコレはもうアウトでしょ。
言及するという時点でだいぶフィルターがかかってるにせよ私のツイッター観測範囲では「広告としても意味不明だし、アウトな点があり過ぎ」「どうして誰も止めなかった」という論調が多いですが、
「なぜ性犯罪の話が出てくるのかわからない」「そんなに言うほど?」「こじつけにしか思えない」という人という人もいるので
暇な私は書き出してあげましたよ!!!
個人の感想だーっと書いただけなので穴はいっぱいあると思います。
「幼い女の子みたいに性犯罪に無防備になったほうがモテるよ!」です。
これをストレートに書いてあったとしたらマズイのはいくらなんでも誰でもわかりますよね。
では私が何故そのように読み取ったか細かく行ってみましょうー。
「無防備力」はよくわからないので「無防備さ」として考えました。
①広告としての意味が全然わからないです。広告としての強いメッセージが読み取れないから余計な連想を呼んでしまうのはあると思います。たくさんある広告のひとつらしいので、イメージ広告みたいだったり女性をことさらに取り上げるのはいいとしても、やっぱり意味がわからない。
②女子力というワードが既に陳腐だし、広告に使うには危険な炎上覚悟ワード。「男性目線の女性への恋愛対象や性的対象としてこうあるべきという価値」の言い換えとも言える言葉。
特にSNS界隈では女性への一方的なジャッジや抑圧の言葉と取られます。揶揄や自虐、軽いノリで使うこともありますが、場面と発言者と発言先によって意味合いが全然変わってくる取り扱い注意の言葉だと思います。
この言葉を使う以上「男性目線の、女性へのジャッジの言葉」という前提は必ずあり、扱い方によってそのままの意味だったりアンチテーゼだったりするんでしょうけども、この広告は後者をやろうとして失敗したという印象です。
③女性の性的魅力を含意させて使われがちな「女子力」を「無防備」と合わせることで「無防備であるのが魅力的で好ましく価値が高い」という意味に取りました。
④女性の性的魅力を含意させて使われがちな「女子力」を「幼い女の子の写真」と合わせることで、幼い女の子もその評価の対象であり、しかも他の見本となるほど性的価値が高いという意味に取りました。
⑤「無防備」というワードは痴漢をはじめとする性犯罪で被害者側が責められる時に使われることが多く、しかもこれは痴漢が多く発生すると言われる鉄道の広告。連想するなと言う方が無理な話。無防備にするなと責め立てられた挙句、無防備なのがいいとか言われんの??痴漢しやすくしろってこと?鉄道会社がそれ言う?ちょっとふすまから虎出してくれない?
⑥④と⑤を合わせると、幼い女の子が性犯罪の対象となる危険性が際立って見えてくる。子供まで巻き込むのほんとやめて。最近そういうニュースもあったのに。
⑦ちょっと話がずれるし意味はないんだろうけど、何故Tシャツが星条旗?政治的な意図がないなら地方都市のローカル企業の広告にしても軽率すぎないですか。
政治的な意図があるとしたら余計まずいし余計に意味がわからないけど。
1つの要素だけならそんな過剰反応せんでもいいのにと思いますが、まあよくもこんなにコンパクトに的確にポイント押さえてきたなというのが個人的な感想です。
他にも「どうせ無防備って"ぼくのかんがえたさいきょうのむぼうび"的なやつだろう」とか「思います、ってお前誰だよ」とかあったけど長くなるしちょっとこじつけっぽくなるのでやめました。
大人の女の人が自分の意思でいわゆる女子力的なことが好きだったりアピールしたり無防備に振舞ったりするのは個人の自由だし、それに魅力を感じる人がいてももちろんいいと思います。
それを全年齢対象全性別対象の公共の場所の広告でやるなよ、その思惑にまみれた概念を子供にも適用するなよってこと。
広告主の意図としては「幼い頃のように肩の力を抜いて無邪気で飾らない姿が本当の自分らしさかも」ということらしいですが、それを聞いてもわからんね。
映画やドラマや小説を理解できるのにある程度の文化理解教養が必要なように、炎上や差別的表現の理解にも一定の感受性や訓練がいるのかもしれません。