思っていたよりもそのスピードが速い。
そもそも僕はこれまで縁が無く、実際に体験したのははじめてなので、混乱している。
何がいけないのか?楽しそうな後輩に僕はうまく説明できなかったのだ。
でも直感が僕に「それはやめとけ」と言っている。
自分の頭を整理するために書きだしてみる。
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・巧妙さについて
・周囲の人間への若干のバレと溝について
・僕が後輩を止めようと少し思っている判断の迷いについて
はじめに書いておくけど、僕はねずみ講は好きではないが嫌いでもない。しつっこく勧誘されたこともなく、どうでもいいものだと思っている。
ただ、考えてみたくなっただけなのだ。
(ねずみ講に入ってるから嫌いになるってことはないよ、嫌いになるとしたら、しつこいあなたのことが嫌いになった時だけだ。って感じ。)
ねずみ講にまつわる被害や苦労やとばっちりやネタ話や都市伝説や防衛反応なんかも、ひとつだけを鵜呑みにしたくはない。
だから、良い機会だと思って、自分の経験から考えてみることにした。
( )内にたまに、書いた時に分かった自分の感覚をメモしておく。
読みにくいけど、基本は自分のために書く文章なので、大目に見てほしい。
その基本以外は、後に同じような出来事に出くわした誰かの参考になれば、と思う。
それは、その人の現状にとても関わりがある。
その人は一言で言ってしまえば、生活が孤独だった。まわりに同年代の友達がいないと嘆いていた。
一人暮らしで、親とは別居。
社員として暮らしているが、遠くから引っ越してきたので、職場と家との往復の日々。
ここまでは、まぁ苦労人だなぁ、たまにいるかなぁといった感じである。
ある日から、その人は嬉しそうに、豪華なマンションに遊びに行くことが増えたという報告をしてくるようになる。
この時点で僕はただ、「同年代の友達ができたのはよかったね」という認識でいた。
しかし、数回その話を聞くうちに、段々とその集団が組織がかっていることに気がつく。
しかしその人(以後Aとしよう)はまぁ、本当に楽しいのだろう。バーベキューやパーティーだの、はしゃいでまわりたい年頃ならば至れり尽くせりである。
豪華な持ち部屋でパーティー。真剣に話せる友達もできた。まぁ、それは今までから考えれば最高でしょう。
美味い話には裏がある、という、親から口酸っぱく言われた言葉のせいかもしれなかった。
なんたってAは、本当に嬉しそうなのだ。本当に嬉しいのだと思う。なぜ僕がAの心からの笑顔に水を差さねばならないというのか。
「高いのだけども、良い品だ」というのだ。それは僕に興味のない品だったので、「そうなのか」と返した。
ついでに、「ローンを組むための、カードの審査を通したい」と言っている。
「なんで?」と僕が聞くと、Aは「空気清浄機が欲しいけど、高いから」という。
その時確かに若い人には、数万は一括で買える値段ではないか、と思うだけであった。
その3日後、「水の浄化機を買った」とその人は言う。
水を一口もらった。水道水よりかは美味いな、と思ったが、僕は元々味に鈍感なので「美味いね」とだけ言った。
「いいんですよ。これが。」
あ、この人はなんかにハマってきてるな、と思った。
(僕は生活用品に高い金を払うのが嫌いだが、明らかに用途が不明なものでも趣味の雑貨を買う癖があって、それの健康志向バージョンかなーと思っていた)
符に落ちた。この時僕はすっきりした気分さえ感じた。知らない部分のブラックボックスのようなひっかかりが、謎がただ一言に集約されていた。きみ、そりゃねずみ講が仕事の企業だ。
「ありゃだめだ、っていう人多いし、評判は悪いけど、ものはいいんですよ」
そりゃそうだろうな、という気分だった。
たぶんAは高級な消耗品を使ったことがない。値段のわりに質が良かろうが悪かろうが比較できないだろう。
っていうか、宝石の原価がバカに安いという話を聞いたので、それなりの物に値段を上乗せするのはお茶の子さいさいだろう。
「秘密にしておいてください」
ごめんね、書いちゃったわ。
(追記:この時僕は「ふうん、よかったね。でも、カード作る時は金利に注意しなよ。ねずみ講の危ないところは、友達をなくす可能性があることだ。「こいつは、自分の金儲けのために自分と友達になろうとしている、そういう下心がある」と思われたら、友達がいなくなるよ」と伝えた。この対応が良かったかどうかは、分からない。ただ、若干キツめに言っておいた方がよかったという反省がある。なにせその後の展開が早かった。)
(そして、ぼくの最大の勘違いは、Aにとっての友達というのが組織の人間だったってことに気がつかなかったことだ。Aにとってこの一言は痛手ではなかった。もちろんある組織に属している人間は問答無用で避けるべき人格の持ち主だ、と断言できる組織を僕は知らない。ただ、友達関係でいることに、組織の力が噛んでいると、その組織から離れられなくなる。そして僕は何がしかに縛られるのが大変嫌いなのだ。買え、食え、入れ、ともっともらしく命令されることに腹がたつ性分だから、そういう意味で、自分が関わるうえでの組織の強制力というのはあまり好きではない。友達との関係に一枚噛まれるなどはもってのほかである。ただ他人の幸せに口をはさむのもなぁ、と思うから、どこまで言おうか迷う。)
その1週間後、複数人で一緒に食事をした時に、その人はサプリメントを飲んでいた。
人にも勧めている。まぁ、と飲んだ知人に、「それならこの水で」という。
おい、秘密にしたいんじゃないのか。なんかの雰囲気がバレバレだぞ。
(同席した知人Bは「水にはまるのは、やばい(信仰宗教的な意味で)」と言っていた。勘が鋭いやつはたまにいる。)
その次の日に「ダイエットでもするかな」と僕が言うと、「あのサプリメントがいいんですよ」という。
「昨日飲んでいたやつか」と僕が言うと、「いや、また別のやつ。野菜一日分が摂れるサプリメントがあって」という。
僕(油と砂糖を絶ってお茶でも飲んでおけば健康体並みには減るだろうと思っているから、サプリメントに興味はないなぁ。)
で、「野菜ジュース好きだから」と返すと、「いいのになぁ」という。
しつこいな、と僕、思う。
言ったこと忘れてるだろ。
ここまでで、僕が、手口について気がついた事はいくつかある。
・組織の人間は多分マジで悪人ではない。(下心の有無はともかくとして←これがまた曲者で、下心などは信じたくないんだろう。楽しく遊べる唯一の友達なのだから当たり前だ)
・徐々に商品を買わせる(方法は不明)
そして、
これは重要だ。
つまり、「ねずみ講だから、やめろ」というだけの説得は無力なのだ。
生活の中の孤独という問題の根の深さと共に、なにが問題なのかということが僕への課題になった。
ところで、僕はAを心配している。元々不安定な状況にあった人間だということは本人から聞いた。
どこまでハマるかわからない。まぁ、それだけといえばそれだけだから、僕はAがあっちにいこうかどうかなんてどうでもいい、と思ってもいいのだ。
そして、引力に逆らう理由も、考えなければ言葉にできないな、と思った。それは、ぼく自身についても危険かもしれないな、と思った。
で、いまは、周りの人間の反応をみているところだ。
ともかく、そんな感じでバレバレなので、まぁ勘の鋭い知人はチョっと検索して「おやこれはあの企業」というところまでたどり着いてしまった。
こうなればあとは時間の問題である。僕が一番危惧しているのは、Aがあるグループ以外からはますます孤立を深めてしまうことだ。
(ある集団と「しか」繋がれないというのは、どこにも繋がらないよりかはマシだが、相応に孤独なものだと思うから、できるだけ僕個人はそれを避けたい。僕は個人として「会いたい」と思ってくれる人間と話すのがとても心地よく好きだし、呑む時にできるだけ今ある組織や社会性に干渉されたくない。)
そうなればAは集団の中にグングンのめりこんでいくであろう。すでに若干Aの一言一言がしつこいので、僕に売り込みという「実害」をもたらすのも時間の問題である。
僕はその時Aを嫌ってしまうだろう。致命的に嫌ってしまえば、その人間と一緒にいることは苦痛になる。僕はそれが嫌なのだ。
学会が孤独な集団就職者の間で勢力を伸ばしたのと全く同じ手口ですね
そのうち、その後輩の「友人」とやらは、「売り上げをあげられない人は努力が足りない」とか言い出して、後輩の尻を叩くようになる。そのとき、後輩が気がつくかどうかだね。「自...
「同年代の友人ができて、真剣に話せて、色んなことを教わった。恵まれている」と後輩が語っている以上、その時は多少の裏切られ感があり悩むでしょうが、 まぁ、それで完全に向こ...
続き。 あれから2週間だか1月だか過ぎて、結論から言うとあまり状況に変化は無い。 後輩は「買いたいものが増えたからバイト増やす」と言ってる。 キャンプにも行くらしい。数百人...