2017-08-13

グーグル思想残響室(Google’s Ideological Echo Chamber和訳) 前編

前置き

以下は最近グーグル社員が社内でダイバーシティに反する差別的文書を開示したという理由解雇された騒動において、問題となった文書Google’s Ideological Echo Chamber」の日本語訳です。底本は米ニュースサイトMOTHERBORDが入手したPDFを利用しています。この案件はてなでも注目されたようですが、その反応をみるにほとんどの人が原文を読まずにコメントしているようなので参考のため翻訳してみました。訳者別に英語仕事にする人でも特段英語能力の高い人でもないので、この日本語訳自体引用して何か言及するのは恥をかく可能性があるので薦めません。また誤訳の指摘は歓迎です。なお、参考リンクについてはグーグルの内部ネットワークに繋がるもの以外は全て記載しましたが、ウィキペディアリンクしている部分は参照している記載が削除されてしまっていたりするので、この文書作成された7月あたりの版を読む必要があります

グーグル思想残響

バイアス多様性社会的包摂についての私たちの考えをどのように曇らせるか

公的な反応と欺瞞への返信

私は多様性社会的包摂価値を置くし、性差別存在についても否定しない。ステレオタイプを利用することも認めない。私たち集団における登用ギャップを解消しようとする時、必要なのは集団レベルにおける分布の違いに注目することだ。もし、このことについて誠実な議論ができないのであれば、私たちは真に問題解決することなどできない。

心理的安全性相互尊重と受容によってつくられるが、不幸にも私たちの恥ずべき文化欺瞞残響室の外にいる人間尊重しないし、受け入れもしない。

そのような公的反応にもかかわらず、私はこれらのとても重要問題提起に対してグーグルの同僚たちから多くの個人的賛辞をもらった。彼らはこの問題提起には同意するが私たちの恥ずべき文化解雇可能性のために声をあげることも擁護することもできない。このような状況は変革されるべきだ。

要約
背景[1]

人は一般に善良な意図を持っている。しかし、私たちは皆自覚のないバイアスを持っている。感謝すべきことに、物事鵜呑みにしない人々による開かれた誠実な議論私たちに見えていない物事を照らし出し、私たちが成長するのを助けてくれる。それが私がこの文書を書いた理由だ[2]。グーグルはいくつかのバイアスがあり、このバイアスに関する誠実な議論支配イデオロギーによって沈黙させられている。ここから記述完璧ストーリーではないが、グーグルで是が非でも語られるべき視点だ。

グーグルバイアス

グーグルにおいて、私たち人種ジェンダーに由来する無意識バイアスについてとても多くのことを語る。しか道徳的バイアスについて議論することはまれだ。政治的指向は実際には深層の道徳的選好の結果であって、すなわちバイアスなのだ社会科学メディアそれからグーグル圧倒的多数左派寄りであることを考慮して、私たちはこれらの偏見批判的に吟味すべきだ。

左派バイアス右派バイアス
弱者への共感強さ/権威尊重
平等不正のせいであ平等自然であり正しい
人間生来協力的である人間生来競争である
変革は良い(不安定変革は危険だ(安定)
開放的閉鎖的
理想主義実利的

どちらの側も100%正しくはないし、どちらの視点機能する社会、この場合会社必要ものだ。極端に右派的な会社は反応が鈍いかもしれないし、あまり階層的かもしれないし、外部を信用しないかしれない。対照的に極端に左派的な会社継続的に変化するだろうし(愛されているサービス非難する)、あまりに関心を多様化させるし(コアビジネス無視するか、恥ずべきことと思う)、あまり従業員競争相手を信用しすぎる。

事実と理性だけがこれらのバイアスに光を当てられる。しかし、多様性社会的包摂の話になると、グーグル左派バイアスは恥によって反対者を沈黙に追い込むことによって固定化される政治的正しさ単一文化を作り出す。この沈黙侵食する過激派権威主義ポリシーに対するあらゆる歯止めを除去する。この文章の残りで、私は社会的成果の違いは差別的取り扱いと平等な登用を作り出すために実際上の逆差別義務付けられる権威主義的要素によるものだという極端な立場に焦点を合わせる。

技術職におけるジェンダーギャップバイアスによるものではない可能性[3]

グーグルにおいて、私たちはいつも黙示(無意識の)、明示のバイアス女性技術職と管理職から疎外していると語られる。もちろん、男性女性バイアス技術職場を異なった形で経験するし、それを私たち認識すべきだ。しかし、それだけで全ては説明できない。

平均して、男性女性は多くの点で生物学的に異なっている。これらの違いは社会的に構築されたものだけではない。

なぜなら:

注意:私は全ての男性が全ての女性と以下のように異なっているとは言っていないし、違いが”正しい”とも言っていない。私は単に男女の選好と能力分布がある程度生物学的な理由により異なっており、これらの違いは技術職と管理職において平等女性登用が見られない理由説明するかもしれないと言っている。これらの違いの多くは小さいし、重要なことに、そこには男性女性とで重なり合う部分がある。そうであるから、これら集団レベルでの分布から男女個人について言えることは何もない。

(チャート画像)(https://video-images.vice.com/_uncategorized/1502146696203-Screen-Shot-2017-08-07-at-65310-PM.png)

上段:集団には重要な重なり合いがある

下段:人々を集団的アイデンティティ単純化し、平均が代表だと仮定することはこの重なり合いを無視する(これは悪いことであり、私はそれを認めない)

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長すぎたのか投稿できなかったので分割。

グーグルの思想的残響室(Google’s Ideological Echo Chamber和訳) 中編①

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