脳内整理のために書き殴ったメモです。だいぶしっちゃかめっちゃかです。
・戦闘シーンが良かった。
全体的に艦娘固有の艤装が活きていた。
最初の第八艦隊の戦闘とかもう最高。古鷹の腕ってあんな甲冑みたいになってたんだな。普段は名前に隠れてるから全然知らなかった。めちゃくちゃカッコええやんけ。
天龍の刀が活きてたのも良かった。牙突みたいな構えしてたからそういうことすんのかなー、って思ってたら結局普通に発砲する。これがいい。あれは実際に敵を斬るためじゃなくて、印象づけておいてプレッシャーを与えるための武器なんだな。案外クレバーだ。怖いよ天龍ちゃん。
あとは何をおいても大和の発砲シーンですね。超火力・超迫力。やっぱり大和はこうでなくちゃ。まさに最終兵器。
艦娘以外も良かったです。艤装の細かい稼動とか、見ててテンション上がった。
妖精もいい仕事してましたね。戦いの場には似つかわしくないビジュアルだと思ってたけど、それがむしろ張り詰めすぎかねない空気の緩衝材になってて良かった。
妖精の空戦シーンもよかったしね。いっぺん翼を「クイッ」ってやってから旋回するやつとかね。あれめっちゃカッコよかった。
・艦娘の描かれ方が良かった。
全編通じて、「それそれ!それが欲しかった!」って感じ。ポンコツは一人も居ない。ハラショーしか言わない娘とか、終始一人遊びしてる娘とか、男もいないのに行き遅れキャラでいじられる娘とかが居なくて本当に良かった。
個人的には金剛姉妹が良かった。TV版ではほとんどギャグ要員だったけど、今回は軍議の一端を担う重要な役割。金剛はなんだかんだで政治力ありそうだし、気も回りそうなんだよな・・・軍議にもしれっと紅茶出してたし・・・
大淀も良かったです。公式絵からは「スレンダーなお姉さん」という印象を受けるけど、今回の劇場版では完全に中学生体型。身長は軽巡とそんなに変わらないし、頭身・肉のつき方・顔の丸さなんかも中学生のそれ。長門かだれかと並んだときにはそれがますます際立って、もうかわいくて辛抱たまらんかった。
他の艦娘も、TV版のようにやたらキャラが尖っていなくて良かった。ゲーム内のセリフも、無理なく混ぜ込まれていた。
あと艦娘同士の絆の描写もよかった。睦月と如月の関係はもう「睦月、依存しすぎちゃう・・・?」と心配になるくらい痛々しかったけど、それが良かったし、
瑞加賀も良かった。あのお互いを認めあっているものの素直にそれが言えない距離感な。この関係性がフレッシュでよかった。艦これはベタベタな百合だけじゃないんや。
ほかには大和が座るときの描写、あれがなんだか面白かったな。普通体操座りするときって、いったん見苦しい動作が入るんだよね。手を後ろについて支えたり、急にドスンと腰を下ろしたり。でも、大和が座るときはそれがなかった。重心が一定したまま、スッと座る。あり得ない挙動だけど、美しい。あの描き方はアニメではよくある手法なのだろうか?それとも、女の子が完全に理想化された「艦これ」だからここまで徹底したのか?なんにせよ、ちょっとしたこだわりが感じられて嬉しかった。
・流血表現が良かった。
そう。今回の映画、流血表現あったんですよ。流血。艦これで流血。なかなか思い切ったなあと。いや、ストーリーはもっと思い切ったことしてるんですけどね。
最初に鳥海が流血したのを見て「あ、血出るんだ」と軽くショックを受けたけど、彼女を皮切りにそれ以降みんな続々流血。海の色もあいまって絵面の陰惨さがすごい。
でも、なんだか艦娘が血を流してると安心するな。「あ、彼女らも僕らと同じなんだ・・・」って。「赤い血=人間の証明」みたいなのってホントにあるんだなあ。
もちろん絵面に陰惨さを加えるための血も良かった。如月が「なんで消えないの・・・」って言いながら血が出るまで腕をこすってるとことかね。あと睦月が深海棲艦に顔を掴まれて押し倒されるあたりも良かった。ここは血が出てたかどうか覚えてないけど。いや、ともかく今回リョナ心をくすぐるようなシーンがやたら良かったな。おびえ方がいいというか。
これが一番。TV版は何がしたいのかさっぱりわからなかった。「深海棲艦はなぜ存在するのか」「吹雪はなぜ特別なのか」といった謎も投げっぱなしだったし。
しかし、今回の劇場版は、そうしたいくつかの謎をできるだけ解消するという筋が一本通っていたぶん、非常にわかりやすく楽しめた。
「艦娘が戦う理由」みたいなのも良かったよね。護りたいもの云々と大層なことを言っていたけど、結局一緒に戦ってる仲間のためっていう。このへんがちょっとリアルに感じられて。マブラヴかなんかに「前線で戦ってる兵士たちは、国のためとか大義のためじゃなく、結局仲間のために戦っている」みたいな話があったけど(うろ覚え)、そういう感じで。
「轟沈艦を出さないことが将来の勝利につながる」という設定も良かった。将来への希望が見えたし、この戦いにも「将来に繋がる重要な緒戦」という意味が見いだせた。これだけの戦闘で轟沈が出ない理由にもなったし。
深海棲艦まわりの設定について、一部では「公式が世界観を名言しちゃっていいの!?」なんて騒がれてるみたいだけど、公式っつってもメディアミックスの一環だし、まあほとんど二次創作と扱いは変わらないでしょう。
気合の入った二次創作アニメを、1800円で、総集編同人誌より安いくらいの値段で、楽しむことができる。これだけでもだいぶすごいことだと思うけど。
上のような楽しみ方ができるのは、TVアニメ版がひどすぎたおかげなんですけどね。ちょっと卑屈になりすぎてる気もする。
・深海棲艦に迫力がない
う~ん、「深海棲艦は轟沈した艦娘の成れの果て」という設定上、深海棲艦が親しみやすい絵になるのはしょうがないのかもしれないけど、にしても弱々しい。
単体ではかよわそうだし、かといって物量もないし、いまいち脅威に感じられなかったな。結局「僻地の小競り合い」って感じに見える。ゲーム内でも史実でも、そんな生易しいものではなかったはずなんだけど・・・
それくらいか。案外思いつかなかった。あとは下の疑問点が残ったことくらいですかね。
・結局深海棲艦まわりの設定ってどうなってるの?
「深海棲艦は轟沈した艦娘から生まれ、艦娘は轟沈した深海棲艦から生まれる」「深海棲艦は元いた場所に帰りたいと思い進軍を続けている」というのはわかった。
でも大元の「なぜ深海棲艦は発生したのか」というところがおぼろげにしかわからなかった。いや、わかったつもりでいたんだけど、誰も言及してないからだんだん不安になってきた。
「大戦で沈んだ艦が、自らの存在を人々から忘れられないために、自身の闇の感情の記憶である深海棲艦を作り出し、光の感情の記憶である艦娘と戦わせているから」というものなのだろう。
言うならば、この戦いはすべて、実艦が生み出した狂言だったのだ。
深海棲艦と艦娘は無限に輪廻を繰り返し戦い続けることで、人間に軍艦の恐怖/輝かしさを覚えてもらう、思い出してもらう。
その際パワーバランスが偏って戦争が終わってしまわないように、艦娘たちは実艦と同じ場所で沈む運命にある。
しかし、その「運命」のシステムを崩す鍵となったのが吹雪であった。
・・・う~ん、これがぼくの深読みでなければ、ずいぶんエグい設定だなあ。
でも、めちゃくちゃ面白い設定だ。ゲームとも符合する。艦娘が美少女である理由もわかるし、深海棲艦は艦娘にしか倒せない理由もわかるし・・・
この設定を、ファン層が広い「艦これ」の、全国公開劇場版に持ってきた度胸。これが一番劇場版艦これのすごいところだと思う。
これだけでアニメ1クールくらい作れそう。それをなぜTVアニメ版艦これは・・・なぜ・・・
でも、そうすると、
艦が自身を覚えていて貰うために狂言とも言える戦争を創り出しているのだったら、
人間は深海棲艦に被害を受け、艦娘を応援するだけで役割にそぐうはず。
それなのに、わざわざ人間に「提督」というポストを用意してやるのは、いったいなぜなんだろう?
そうすると、具体的な見当はつかないな・・・吹雪を重用するところから、この戦争を終わらせる意思をもったものらしいということはわかるけど・・・
なんとなくTYPE-MOONでいうところの「霊長」とか「アラヤ」みたいなものを想像してしまうな。さすがにこれは妄想だけど。
これが一番よくわからんかった。
闇の感情の記憶と分離してるから・・・みたいな説明がなされてたような覚えがあるけど、それで他の艦娘と何が変わるのか?
TV版の最終話のような、「運命を変える鍵」になりえる理由がそれなのか?
最後の精神世界描写は、結局吹雪が実艦吹雪の闇の記憶を消し去ったということなのだろうか?
なんだか最後の方はほとんど妄想になってしまったけど、感想としては以上です。
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