はてなキーワード: 世界同一賃金とは
ファーストリテイリング(ユニクロ)が大幅な賃上げを行うと発表した。賃金水準を世界的な基準に合わせ、人材獲得における競争力を高めようとするものである。ファーストリテイリングだけでなく、大企業を中心として賃上げの機運が高まっており、次の春闘では「賃上げの波」が来る可能性がある。
しかし、「賃上げの波」が来た次は、「人材切り捨ての波」が来るだろう。人材切り捨ての波とは、優れた人材はより高い報酬を得られる一方、そうではない人材は良い報酬を得られず、最終的には企業から切り捨てられるという、格差拡大の波のことである。
ファーストリテイリングの会長兼社長である柳井正は、かねてより世界同一賃金を構想しており、2013年の朝日新聞のインタビューで「年収1億か年収100万かに二極化する」と述べた。この発言は「年収100万円」というワードが独り歩きしたこともあって批判されたが、世界的な賃金水準に合わせるということの持つ意味においては一つの真実であり、今回の賃上げのバックグラウンドにこの考えがあるのは確実だろう。世界基準で見たとき、「日本人であるが故に賃金が低く抑えられている人」もいれば、「日本人であるが故に高い賃金を得ている人」もいるということである。
今回の賃上げの波では、ベースアップを行う企業もあると報道されているが、ファーストリテイリングのような競争力向上のための賃上げがより中心になってくると予想される。これは、格差拡大につながっていくことを必然的に意味する。優秀な人材はさらに高い給与を得ることができる一方で、そうでない人材は切り捨てられる。現行の労働法制を維持する限り基本給の減少に至る例は少ないだろうが、横ばいであっても上昇する物価水準に対して実質的に賃金は目減りする。そもそも、現行の労働法制が維持されるかも分からない。賃金よりも雇用の安定を取った日本的雇用を崩す以上、賃上げを行った見返りとして、財界から解雇規制などの緩和を求める声が高まるかもしれない。
http://www.asahi.com/business/update/0423/TKY201304220465.html
ま、ここで、柳井氏は、国際的な競争下においては成長なければ死ぬしかない、ゆえに世界同一賃金や競争を強化し、ありていに言えば従業員をふるい落としていくことを言っているわけですな。
Grow or Dieという言葉で彼はその考えを端的に示しているわけです。
でもさ、よく考えてみなさいよ、何で従業員が死ななきゃならんのか? いやむしろ、死ぬなら柳井氏もろともって考えてもおかしくないでしょう。
彼はナチュラルに資本主義における競争の敗者は死ぬ、と考えているけど資本主義のルールに則った戦いをしなければならないというのは、まさに彼の勝手な固定観念なわけで。資本主義以外の方法論で戦っているマオイストやムジャヒディーンは世界中に掃いて捨てるほどいるわけです。アメリカじゃ、職場に銃を持ってryなんて事件は普通にあるわけでして。
まさに、グローバル化の一側面しか彼は見ていないんだね。グローバル化は単に資本主義がグローバル化するというだけじゃなく、もっといろいろな意味があるわけだよ。うん。
柳井氏は確かに才覚のある経営者で、お金も持っている。しかし、彼は24時間ボディガードをつけられるか? と聞かれれば、できなくもないだろうけど、ちょっと難しい面があると思う。
そういったボディガードを付けて、さらに防弾車に乗って移動する生活ならかなりの危険は防げるけど、いろいろと困難さはつきまとう。
たとえば、日本でも比較的容易にショットガンを持つことができるし、ソードオフ加工をすることは違法だけど難しいことじゃない。大口径のスラグとか防弾チョッキ着ててもヤバイ。
さらに言えば、信号を自分の通行に合わせて切り替えるなんてのも普通はできないわけで、ANFO満載のワゴン車に横づけされても大丈夫な防弾車なんてそれこそ大統領専用車両ぐらいしかない。
しかも恨みを抱くのは従業員なわけだから、比較的接近もしやすい。
資本主義のルールを大前提とした考え、ロック主義的なそれはスマートだし、まぁそれなりに合っている部分もあるけど、解雇規制なんかまさにロック主義的な所有と契約の関係をルソー的な社会契約という名の暴力(現実的には労基やね)が圧倒している実例なわけですよ(それを山口巌というコンサルは微塵もわかってないhttp://blogos.com/article/60841/)。あるいは、ウェーバーのいう「国家とは暴力の合法的独占ry」という部分もあるわけでしてね。
私はユニクロの従業員でもなんでもないから別に彼に恨みはないけど、あまり従業員なめてるとよろしくないんじゃないかなーと老婆心ながらに思いました(まる)