2023-01-11

賃上げの波の次は、人材切り捨ての波が来る

ファーストリテイリングユニクロ)が大幅な賃上げを行うと発表した。賃金水準世界的な基準に合わせ、人材獲得における競争力を高めようとするものであるファーストリテイリングだけでなく、大企業を中心として賃上げの機運が高まっており、次の春闘では「賃上げの波」が来る可能性がある。

しかし、「賃上げの波」が来た次は、「人材切り捨ての波」が来るだろう。人材切り捨ての波とは、優れた人材はより高い報酬を得られる一方、そうではない人材は良い報酬を得られず、最終的には企業から切り捨てられるという、格差拡大の波のことである

ファーストリテイリング会長社長である柳井正は、かねてより世界同一賃金を構想しており、2013年朝日新聞インタビューで「年収1億か年収100万かに二極化する」と述べた。この発言は「年収100万円」というワードが独り歩きしたこともあって批判されたが、世界的な賃金水準に合わせるということの持つ意味においては一つの真実であり、今回の賃上げバックグラウンドにこの考えがあるのは確実だろう。世界基準で見たとき、「日本人であるが故に賃金が低く抑えられている人」もいれば、「日本人であるが故に高い賃金を得ている人」もいるということである

今回の賃上げの波では、ベースアップを行う企業もあると報道されているが、ファーストリテイリングのような競争力向上のための賃上げがより中心になってくると予想される。これは、格差拡大につながっていくことを必然的意味する。優秀な人材さらに高い給与を得ることができる一方で、そうでない人材は切り捨てられる。現行の労働法制を維持する限り基本給の減少に至る例は少ないだろうが、横ばいであっても上昇する物価水準に対して実質的賃金は目減りする。そもそも、現行の労働法制が維持されるかも分からない。賃金よりも雇用の安定を取った日本的雇用を崩す以上、賃上げを行った見返りとして、財界から解雇規制などの緩和を求める声が高まるかもしれない。

賃上げはそれだけをして終わる話ではないという前提で、賃上げの波を迎えなくてはならない。

  • 優秀でない人間が子供作ってイキってるの見てて正直イラつくので自分がどうなってもいいからそいつらが滅びるところみたいわ。

  • 元々政府が財政支出に消極的で民間にお金がない上に増税やって その上で賃金アップをやろうと思ったら、確かに賃金払うに値しないと捉えられた人は切られるわな 確かに妥当な予測

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