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はてなキーワード: デフレとは

2010-02-27

http://anond.hatelabo.jp/20100227005133

デフレ貨幣価値独立事象。 デフレしてるし、貨幣価値が下がる事もあれば上がることもある。

実態としては経済グローバル化して、安いものが大量に入ってきた。つまり、貨幣価値が上がった。ただ、実態と貨幣価値に不均衡が出たので、その不均衡が時間と共に是正される。つまり、所得が下がる。よって見た目デフレになっている。

これが、自国の高い生産性により、貨幣価値が上がったのなら、不均衡は出ないので、所得は維持される。つまり、たとえ給料の額面が変わっていなくても、生活は豊かになる。つまり成長する。そして多分に給料の額面も上がる。このとき、高付加価値化が起こって、物が高くなる。インフレに見えるがインフレとは少しちがう。

 

逆に、これが、他国の生産性が上がったことにより、副残物的に貨幣価値が上がったのなら、不均衡が時間と共に是正されるので、所得が減少する。正確にはデフレとは現象は同じでもデフレとはちょっとちがう。マイナス成長

どこぞの0がいっぱい付いた、紙幣を出した国のように、生産性の減少によって、貨幣価値が減少し、それを補うために物が高くなり(外貨ベースでは価値が一緒)、貨幣の0の数が増えていくのがどちらかというと、インフレ。なんじゃなかろうか?

 

物の値段が相対的に高くなる理由は2つあって。

みんながリッチになったからという理由だけで、払えるから払うということで、高くなっていく。(おなじキャベツイチゴでも高くなるが品質が上がったり、パックの中のイチゴの向きが全部そろっったりする。)時と

みんながプアーになって、単純に輸入品が買えなくなるから、高くなった。というのは、似てるけどぜんぜんちがう。

相対的に安くなる理由も同じ。

http://anond.hatelabo.jp/20100227004706

>毎年のようにあらゆる分野で新製品は登場してる。

製品ではなく、売上になる。つまり、投資が回収できる商品。新しいだけなら、そら出る。問題は投資に対する回収。電池なんかはわりと投資されてるし、回収できる可能性は高いわな。ただ、そう言うのが、投資マネーに対する投資先として少ない。という話。

>。外貨獲得率が下がるからデフレになるなら

そんな事は言ってない。

デフレってるのは、どちらかというと、新興国に負けて外貨獲得率が下がってる上に、流通の発達で物が安く入るようになった上に、輸出国だから関税がかけにくいからでしょ。

主理由は、安い外国製品の流入。そして、それを阻止するための、関税もできないから。関税が理由ではない。

ようするにデフレってるんじゃなくて、経済グローバル化して、貨幣の間の価値の差が無くなっている。そのために、貨幣基準が新興国との間ですり合わせが起きている。

なので、新興国でも貿易に成功し始めている国の、貨幣価値というか、生活水準とかは上がってきている。逆にいままで貨幣価値が高かった国は下がってきている。という話。

あくまでも、すべてのじゃなくて、貿易に成功している新興国と、貿易に失敗し始めている経済大国の話ね。

http://anond.hatelabo.jp/20100226192154

デフレで円の価値があがって円高になれば当然産業空洞化も促進されるし、実質金利が高ければ投資されにくくなるので技術開発も阻害される。日本に限らず政府産業政策の有効性はあまりなかったはずなので、もともと期待するようなものでもないと思う。

http://anond.hatelabo.jp/20100226234502

製品がないなんてことはない。毎年のようにあらゆる分野で新製品は登場してる。物価変動を考慮した実質成長で見ても日本は低い。人口減少を考慮して一人当たり実質成長で見た場合でも低い。日本公共事業増やしてたのは10年以上前の話で最近はずっと減らしてる。流通の発達や関税は実質価格に関係するものでデフレは名目価格の傾向の話。関税かけにくいからデフレになるならシンガポールとか日本よりもっと自由貿易の国がデフレになるはず。外貨獲得率が下がるからデフレになるなら経常赤字増やした国がインフレばかりなのも説明つかない。流通の発達したのは日本だけじゃないがデフレが続いてるのは日本だけ。

2010-02-26

http://anond.hatelabo.jp/20100226194900

いや、金融緩和以前に、世界は莫大な金余り。

金を製品に変えられる、また、売上につながる新製品が無いので、投資先が無い。そんな状況で金を流しても、無駄公共事業をするのと同じ事しか起きない。

あと、プラス成長もマイナス成長も、額面じゃなくて、物価基準じゃないと、インフレ通貨価値が下がってるのに、売上が上がってるから成長しているなんてのはナンセンス。それを考慮すると、本当にプラス成長かどうかは怪しい。失業率がこれだけ上がって、大型倒産、大型閉店でまだまだ失業率が上がることを考えると、帳簿上の成長だけで、実質はマイナスなんじゃない。数字はいくらでもなんとでもなるからねぇ。赤字国債公共事業を発注すれば数字その物は上がるかららねぇ。でも、それ意味ないし。

デフレってるのは、どちらかというと、新興国に負けて外貨獲得率が下がってる上に、流通の発達で物が安く入るようになった上に、輸出国だから関税がかけにくいからでしょ。

http://anond.hatelabo.jp/20100226172920

更に横増田です。

>今回の日本不況、衰退、デフレ何でも良い

 たぶんこの辺の認識が元とは違うと思います。

 元が問題だと思っているのは景気サイクルの波ではなく、国の規模が衰退傾向にあるということに目を背けていることが問題なのでは? 

>要するに変化が激しすぎて、適応が追いついていない、という面が多いと思います。

>旧来の安定したインフラシステムが逆に既得権益としての壁になってしまっているような気がします。

 既得権益新興国低賃金に関与しますでしょうか?この国は豊かになってしまい簡易な労働でも非常に大きなコストがかかってしまうという事を認識すべきなのでは?

 

>必要なのは時間であり、ある期間を乗り越えたら、急激に日本はまた復活すると思います。

 時間が経つと何が変わり、何が復活するんでしょうか?

 

>デジタル世代が主導権を握る時代になれば、マスコミが主導する世論形成システム自動的に崩壊し、

>社会意志決定システムも大きく変わるでしょう

 マスコミが作る世論のどの部分に問題があるですか?

 マスコミがこの国の政策の策定及び執行にどの程度影響を及ぼしますか?

>人口が少なくなっても、デジタル世代はITによってうまく生産性を向上させると思います

 10倍になりますか?(新興国/日本人件費差)

 その他、コンテンツの質の高さ等がありますが、そのコンテンツが将来どのぐらいの価値を生み出すでしょうか?

 現状の自動車等の輸出産業と同等の量があるですか?

 

>経済の中心地(オランダイギリスアメリカみたいな流れ)があって、その中心地が世界経済全体のエンジンになっていたという考え方があるそうです。

>しかしながら、グローバル化し、デジタルネットワーク革命が起こった現在に、中心地は存在しないのではないでしょうか?

 各国に分散していく事に対してこの国が寄与できる部分はありますか?

 

…というか、現在道路工事に従事している方が今後も同じように仕事を与えられるだけの余剰は生まれるかどうか心配。

http://anond.hatelabo.jp/20100226165021

横ですが。

今回の日本不況、衰退、デフレ何でも良いんですが、その原因には、少子高齢化や(冷戦構造崩壊によるグローバル化起源を発する)戦後民主主義賞味期限デジタルネットワーク革命など、いろいろな要因が絡んでいると思うですよ。要するに変化が激しすぎて、適応が追いついていない、という面が多いと思います。旧来の安定したインフラシステムが逆に既得権益としての壁になってしまっているような気がします。だから既得権益批判をやるという話ではなくて、今は産みの苦しみの時代だと思っています。今必要なのは時間であり、ある期間を乗り越えたら、急激に日本はまた復活すると思います。というか、内田先生日本辺境論ではないですけど、日本環境適応能力や吸収力、学びの力は異常だと思います。フランス留学生(でしたっけ?)のブログで話題になっていましたが、日本風景の変化速度は異常です。でも、それでも追いついていないのが現状だと思います。適応のために時間が必要なのだと思います。なんとなく思っているのは、アナログ世代が退場した後、デジタル世代が主導権を握る時代になれば、マスコミが主導する世論形成システム自動的に崩壊し、社会意志決定システムも大きく変わるでしょう(もうその兆候は見られています)し、人口が少なくなっても、デジタル世代はITによってうまく生産性を向上させると思います(現在は主導権を握っているアナログ世代が適応障害を起こしているので、どうにもならない訳ですが)し、アナログ世代のリーダーストップをかけていた製品企画にも足かせの取れたデジタル世代のリーダーが出てくれば面白い製品にゴー!をかけるのではないでしょうか?その根拠として、YouTubeを見ていて思うCGMによって作成された日本製娯楽コンテンツの異常なレベルの高さです。日本人クリエイティブ性は”今でも”凄いと思います。これほど、職人がいる国はないのではないでしょうか。また、経済歴史から見ると、経済の中心地(オランダイギリスアメリカみたいな流れ)があって、その中心地が世界経済全体のエンジンになっていたという考え方があるそうです。しかしながら、グローバル化し、デジタルネットワーク革命が起こった現在に、中心地は存在しないのではないでしょうか?インターネット構造と同じように、情報的・経済ハブとなる地域はあるが、中心地のない時代になっているのではないでしょうか?つまり、全世界の「辺境化」です。そして、辺境の地としての日本の歴史には一日の長があります。日本が有利なんです。だから、職人本能のままに「一千万人の職人創作活動で世界を萌やし尽くしてやる」と突っ走ればいいのではないでしょうか。と、たまには明るい未来を語ってみました。

追記:

増田で議論する気はないけど、たまには反応するかな。

http://anond.hatelabo.jp/20100226173402

もうちょっと論点を整理して語れないもんか? 要するに「きっとなんとかなる!大丈夫!」の一言でまとめられる気がするけど。

論拠なしでも「きっとなんとかなる!大丈夫!」でおk神様にお祈りでもするか。

http://anond.hatelabo.jp/20100226173632

改行しろ。 段落分けしろ。 だらだらだらだら1段落に詰め込みやがって。 読ませる気あんのか?

さかなをたべよう!

あたまあたまあたま~あたまがよくなる~

http://anond.hatelabo.jp/20100226180143

更に横増田です。

>今回の日本不況、衰退、デフレ何でも良い

 たぶんこの辺の認識が元とは違うと思います。

 元が問題だと思っているのは景気サイクルの波ではなく、国の規模が衰退傾向にあるということに目を背けていることが問題なのでは? 

>要するに変化が激しすぎて、適応が追いついていない、という面が多いと思います。

>旧来の安定したインフラシステムが逆に既得権益としての壁になってしまっているような気がします。

 既得権益新興国低賃金に関与しますでしょうか?この国は豊かになってしまい簡易な労働でも非常に大きなコストがかかってしまうという事を認識すべきなのでは?

 

>必要なのは時間であり、ある期間を乗り越えたら、急激に日本はまた復活すると思います。

 時間が経つと何が変わり、何が復活するんでしょうか?

 

>デジタル世代が主導権を握る時代になれば、マスコミが主導する世論形成システム自動的に崩壊し、

>社会意志決定システムも大きく変わるでしょう

 マスコミが作る世論のどの部分に問題があるですか?

 マスコミがこの国の政策の策定及び執行にどの程度影響を及ぼしますか?

>人口が少なくなっても、デジタル世代はITによってうまく生産性を向上させると思います

 10倍になりますか?(新興国/日本人件費差)

 その他、コンテンツの質の高さ等がありますが、そのコンテンツが将来どのぐらいの価値を生み出すでしょうか?

 現状の自動車等の輸出産業と同等の量があるですか?

 

>経済の中心地(オランダイギリスアメリカみたいな流れ)があって、その中心地が世界経済全体のエンジンになっていたという考え方があるそうです。

>しかしながら、グローバル化し、デジタルネットワーク革命が起こった現在に、中心地は存在しないのではないでしょうか?

 各国に分散していく事に対してこの国が寄与できる部分はありますか?

 

…というか、現在道路工事に従事している方が今後も同じように仕事を与えられるだけの余剰は生まれるかどうか心配。



疑問ばかり。心配ばかり。部屋の中でガタガタ震えてお祈りしてれば?

「あんたのやりかたはダメだ。これこれこういう理由で(あるいは俺にはそのやり方は理解できんからなんとも言えないけど、とか)。それよりもこっちの方がうまくいく確率が高い」という意見建設的な意見というものでしょう?「絶望した!」と叫びたいだけなの?

2010-02-23

構造改革派のダブスタっぷりにうんざりする

リフレが話題になると、「フリーランチはない」「銀の弾丸はない」とかいうのに規制緩和財政再建のときは一切そういうこと言わない。本人はわかってていってるのかどうかが気になる。インフレ目標万能薬じゃないのはわかるし、万能薬じゃないからするなって事なら、規制緩和財政再建だって同じことが言えるんだから構造改革を主張するのもやめるべきだろうに。でも金融緩和は完璧な根拠がないならやるべきじゃないけど、規制緩和財政再建については完璧な根拠がなくてもやっていいとか思ってるんだろうな。「国債日銀引き受けは学会コンセンサスないからやるべきでない」という意見のほとんどは「1%以下のインフレ率・デフレ時の利上げ」について学会コンセンサスがあったかどうかについてはスルーしそう。日銀経済学者意見と無関係に行動していいが、日銀批判をする国民経済学者の言いつけどおりに振舞わないといけないってのも納得いかないけど。

http://anond.hatelabo.jp/20100223081708

デフレで困ってることがないと思ってるならそういう中立でいいんじゃない

2010-02-17

リフレ村の司祭様かく戦えり

せっかく2時間もかけて前のエントリーを書いたのに、丸一日経っても誰も読んでくれないよ…と涙に暮れていたのですが、なんとお褒めの言葉付きで長文のリプライが!「もうこれは2chに自作自演宣伝書き込みをするしかない」、と悲壮な決意を固めかけていたのですが、ああ、神様、どうやら私は人の道を踏み外さずにすみそうです。

馬鹿なことを書くのはこれくらいにして本題に入りましょう。

http://anond.hatelabo.jp/20100217164344

「中銀が高めのレートでインフレターゲットを実行する」能力も意志もないのです。処方箋はあるのに肝心の中銀がそれを採用しようという意思がないのです。

こんな中銀ですから、平時においてインフレ率を高めに誘導しておく必要が、すなわち名目金利引き下げの余地を残しておく必要があるのです。

名目金利引き下げの余地を残しておいて流動性の罠に陥らないようにしておかないといけないのです。

まず、ブランチャード(フランス語読みではブランシャール)らがここで書いた文章の表題をもう一度確認してみましょう。”What we thought we knew”とあります。直訳すれば「我々が理解していると考えていたこと」でしょうか。

ここで過去形になっていることは非常に大きな意味を持ちます。これは「今はもうそうは考えていない」ことを意味しているからです。日本語的な発想では「過去にそう考えていたとして、今どう考えているかは分からないのでは?」と思いがちですが、今も引き続きそう考えているなら英語では現在完了形を使わなければなりません。

英語はこの辺りの時制のコントロールに対して非常に厳密です。ですから、1970年のJohn Smithの論文がこう主張している、という表現をするときには、J. Smith (1970) arguesと書くのが普通です。論文自体が書かれたのは40年前ですが、Smithの主張が今も有効であるならば、現在形になるのです。逆に Smith (1970) arguedと書いた場合、この著者はSmithの意見を既に時代遅れなものと見なしていることになります。

つまり、私の翻訳した部分はブランチャード自身が「既に時代遅れである」と判断したことについて書いてあるのです。翻訳では若干時制が不明確になってしまっていますが、『中央銀行が将来の高い名目マネーサプライ成長率とひいては将来の高いインフレーションコミット訳注約束)できるなら、中銀は期待インフレ率の上昇によって将来の予想実質金利を低下させ、それによって現在の景気を刺激することが出来る』という下りは、原文では

The formal argument was that, to the extent that central banks could commit to higher nominal money growth and thus higher inflation in the future, they could increase future inflation expectations and thus decrease future anticipated real rates and stimulate activity today.

となっています。過去形に注目してください。ブランチャードはこの議論を最早信じてはいないことがここからも分かります。過去形解釈について納得がいかない方はマークピーターセンの「日本人英語」辺りを読んでみると良いでしょう。

つまり、ブランチャードが批判的に取り上げているのは、「処方箋があるにもかかわらずそれを採用しようとしない中銀の存在」ではありません。処方箋に問題があるにもかかわらず、それを中銀の意思と能力の問題に矮小化してしまった経済学者の態度こそが批判されているのです。だからこそ、前回翻訳した最後の部分で『公平を期しておくと、Fed日本経験を無視したわけではなく、2000年の初めにデフレリスクを憂慮した論文を発表している』と添え書きされているわけです。経済学者にも良心的な態度を取った人がいたことは、公平のために言及しておく、と。もしも「リフレ処方箋」にコミットする能力と意思を中銀が欠いていることをブランチャードらが問題視しているなら、to be fairなどと書くはずもないことは文脈から明らかでしょう。

ですから、

将来のマネーサプライ増と将来のインフレとにコミットする能力も意思も欠いた中銀だからこそ、4%のインフレ率が必要となるのです。

将来のマネーサプライ増と将来のインフレとにコミットする能力も意思も欠いた中銀だからこそ、流動性の罠など恐るるに足るのです。

流動性の罠に陥らないようにするために、4%(具体的な数値は検討の余地があるでしょう)のインフレ目標が必要になるのです。

この解釈ブランチャードらの論文から引き出すことは出来ないと思います。この論文で議論されているのは徹頭徹尾経済学の問題であって、「能力と意思を欠いた」中央銀行に対して批判的な表現は、(上でも書いたとおり)少なくとも私の読んだ限りでは全く見当たりませんでした。中央銀行能力も意思もないから、それを前提に現実的な経済理論を再構築しよう、とも書いていません。今まで半ば普遍的に信じられていた、「2%前後で安定したインフレ率が望ましい」という経済学者コンセンサスそれ自体に疑義を唱えているのです。

加えて、中銀が無能ないしは怠惰であるという理由以外で能力/意思を欠いているのであれば、それは中銀の問題(だけ)ではなく処方箋の側に(も)問題があると考えるのはごく普通の理解であろうと思います。例えば、中銀にそもそもコミットメント能力が備わっていないならば、それを前提とした処方箋は無効であることは当然ですよね。

「いかにして流動性の罠に陥らないようにすればよいのか」を問題にしているブランチャードが、「いかにして流動性の罠から抜け出せばいいのか」という問題への処方箋であるリフレ政策を支持するはずも否定するはずもないのです。

前回翻訳した部分をもう一度参照してください。なぜブランチャードらは2%のインフレ率を望ましくないと判断したのでしょうか。ブランチャードらは過去にも「2%のインフレでは低すぎる、利下げ余地が小さすぎる」という懸念があったことを紹介しています。そして、その懸念は「ゼロ金利になっても、中銀が将来のインフレコミットすれば大丈夫だ。」という、Eggertsson and Woodford (2003)らの議論によって葬り去られました。そして、日本金融政策の失敗を受けても、一度葬り去られた懸念が見直されることはありませんでした。

そして、世界中ゼロ金利の罠にハマった後、ブランチャードらはようやく「2%のインフレでは低すぎる、利下げ余地が小さすぎる」という懸念を復活させます。それは、「いやいや利下げ余地が小さくても問題ない、打つ手は他にある」、というリフレ派の議論がもはや有効とは言えないと考えられたからこそなのです。繰り返し書きますが、「流動性の罠から抜け出す簡単な方法は存在しない」からこそ、利下げ余地が論点として再浮上し、高いインフレに伴う経済への負担を覚悟してでも流動性の罠に陥らないようにしようという結論に至る、という論理構成なのです。この論文はかなり読みやすい英語で書かれていますので、暇があれば通読なさると良いでしょう。

また、以上の説明から、最終段落で言及されている「ブランチャードらは流動性の罠から脱出するためのリフレ政策を支持していると読めないこともない」点は、誤読であると申し上げるより他ないことはご理解頂けるのではないかと思います。この辺りも、原文に当たられた方が文章の雰囲気と構成("stood more uneasily in the way"や"to be fair"など)をよりはっきりと掴めるでしょうから、原文を当たられることを繰り返しお勧めします。

最後に、ブランチャードが書いた部分を、少し分かり易く脚色してみます。

とあるところにあるリフレ村で司祭様が村人に説教をしています。

司祭 「全能なる我らが神はこの村の人々を温かく見守ってくださっておる。なんの心配もいらないよ、君たちは選ばれた民なのだから。100年前の大飢饉大恐慌)では人々は神への祈りを捧げなかった。だから多くの民が死に絶えたのだ。だが今は違う。私が正しい神への祈り方を教え授けている。神は我らの祈りを請け給うたのだ。」

 「司祭様。それでは何故私の父は病に苦しんでいるのでしょうか。既に10年以上、病床を離れることが出来ません。」

司祭 「…それは、あなたの父親の信心が足りないからだ。神を理解する能力に欠けるからだ。彼が心から神を信じているならば、彼の病が長引くことなどあり得なかった。家に帰って彼に伝えなさい。悔い改めよ、と。さすれば彼はたちどころに快復するであろう。」

これは新興宗教の必勝パターンでありまして、この父親が毎日祈りを捧げても(量的緩和)、喜捨の額を増やしても(国債買いオペ増額)、病から快復しないならば「信心が足りない!まだ不十分だ!」と言い続ければよいのです。楽な商売でございます。

ただし、この戦法は多くの村人が病にかかってしまうと通用しなくなります。挙句の果てに村の外からは賢者様がやってきて、「いや、そのお祈りじゃ患者は救えないでしょ。治療法は確立されてないし、一度病気なっちゃうと後が大変だから、とりあえず患者が増えないように予防策を考えようか」とおっしゃっておられます。

さぁ司祭様の立場は一気に悪くなってまいりました。石もて追われる5秒前!しかしこのまま大人しく村を去る司祭様ではありません。一発逆転の隠し玉は当然用意してあるはず。疫病快癒の大祈祷でもって見事リフレの神のご威光を天下に知らしめ、村人達笑顔を取り戻して下さるに違いありません。

というわけで、外野増田矢野先生(及びリフレ村の司祭様方)の逆転の一撃を心よりお待ちしております。

ブランチャードはリフレを支持も否定もしていない件について

http://anond.hatelabo.jp/20100216112730

明快かつ痛快な解説。ただ一点だけ同意できない点があるのです。

池田先生なんかよりずっと英語が読めている我らが増田一同の代表氏曰く、

リフレ派の人たちが主張するとおり、「ゼロ金利制約に陥っても、中銀が高めのレートでインフレターゲットを実行すればデフレから脱却できる!」のであれば、なにも4%のインフレを許容してまでゼロ金利回避する必要などありません。処方箋はあるのですから、それを粛々と実行して安定成長へと復帰すればよろしい。」

おっしゃる通りです。ただし、「中銀が高めのレートでインフレターゲットを実行すれば」という点がなかなかに厄介な障害なのです。

ブランチャード他は以下のように指摘しております(素晴らしい訳を利用させていただきましょう)。

日銀が将来のマネーサプライ増と将来のインフレとにコミットする能力ないしは意思に欠けるからであると片付けられてしまった」

「中銀が高めのレートでインフレターゲットを実行する」能力も意志もないのです。処方箋はあるのに肝心の中銀がそれを採用しようという意思がないのです。

こんな中銀ですから、平時においてインフレ率を高めに誘導しておく必要が、すなわち名目金利引き下げの余地を残しておく必要があるのです。

名目金利引き下げの余地を残しておいて流動性の罠に陥らないようにしておかないといけないのです。

というのも、この国の中銀は将来のマネーサプライ増と将来のインフレとにコミットする能力も意思もございませんから、一旦流動性の罠に陥ってしまえば、長引くデフレ不況という辛い未来約束されているからです。

そういうわけで「リフレ政策があれば流動性の罠など恐るるに足らない、だから4%のインフレ率なんか必要ない!」と高らかに宣言することはできないのです。

将来のマネーサプライ増と将来のインフレとにコミットする能力も意思も欠いた中銀だからこそ、4%のインフレ率が必要となるのです。

将来のマネーサプライ増と将来のインフレとにコミットする能力も意思も欠いた中銀だからこそ、流動性の罠など恐るるに足るのです。

流動性の罠に陥らないようにするために、4%(具体的な数値は検討の余地があるでしょう)のインフレ目標が必要になるのです。

ただ、以上の話はいかにして流動性の罠に陥らないようにするかという話であります。

一旦流動性の罠に陥ってしまった経済がいかにして流動性の罠から脱却すればよいのか、という話とは次元の違う話です。

つまりは、ブランチャードらによるインフレ目標4%の提案は現在日本経済が抱える問題、いかにして流動性の罠から抜け出したらよいのかという問題とは分けて考えるべきなのです。

ブランチャードはリフレを支持もしていなければ否定もしていないのです。

ブランチャードは「いかにして流動性の罠に陥らないようにすればよいのか」を問題にしているのです。

リフレ政策というのは、「いかにして流動性の罠から抜け出せばいいのか」という問題に対する一つの処方箋であります。

「いかにして流動性の罠に陥らないようにすればよいのか」を問題にしているブランチャードが、「いかにして流動性の罠から抜け出せばいいのか」という問題への処方箋であるリフレ政策を支持するはずも否定するはずもないのです。

そもそも取り組んでいる問題が違うのです。

(ただし、ブランチャード他はリフレ政策の有効性もきちんと指摘しております。再度素晴らしい訳を利用させていただきますと、

なぜなら、中央銀行が将来の高い名目マネーサプライ成長率とひいては将来の高いインフレーションコミット訳注約束)できるなら、中銀は期待インフレ率の上昇によって将来の予想実質金利を低下させ、それによって現在の景気を刺激することが出来るからだ(脚注

この文章にはEggertsson and Woodford (2003)への参照がなされていますから、ブランチャードら自身の意見というよりは、こういう議論もあるよ、という紹介にすぎないのかもしれません。この点に留意しつつも、「中央銀行が将来の高い名目マネーサプライ成長率とひいては将来の高いインフレーションコミット訳注約束)できるなら」流動性の罠から脱出できる、という話でありますから、流動性の罠から脱出するためのリフレ政策を支持していると読めないこともないでしょう。)

2010-02-16

ブランチャードはリフレを支持していない件について

リフレ村の方では「ブランチャードがインフレ率を4%前後に誘導することに言及した」ことで色々と盛り上がっているようでありますな。

http://d.hatena.ne.jp/Yasuyuki-Iida/20100214#p2

要するに、マクロ経済学大御所ブランチャードが「今まではインフレ率は2%前後に誘導するのが望ましいとされていたが、2%程度だとゼロ金利に陥りやすいので、もう少し高めの4%前後インフレ率を誘導した方がいいのかもしれない」という論文を発表したと。で、日頃から高めのインフレターゲットによる景気回復を主張なさっている皆様が盛り上がったという構図のようであります。

で、それに対して(直接言及があったわけではないものの)、我らが池田先生が果敢に反論。

http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51377205.html

あちこちで話題になっているIMF論文をざっと読んでみた。日経の記事には「平時から4%など高めの物価上昇率を容認し金利水準も引き上げることで、金融危機のような経済ショック時の利下げの余地を広げることが望ましい」と書いてあるが、この記者は明らかに原論文を読んでいない(か英語が読めない)。論文にはこう書いてある:

Should policymakers therefore aim for a higher target inflation rate in normal times, in order to increase the room for monetary policy to react to such shocks? To be concrete, are the net costs of inflation much higher at, say, 4 percent than at 2 percent, the current target range?

[...]

Perhaps more important is the risk that higher inflation rates may induce changes in the structure of the economy (such as the widespread use of wage indexation) that magnify inflation shocks and reduce the effectiveness of policy action.But the question remains whether these costs are outweighed by the potential benefits in terms of avoiding the zero interest rate bound.

と書いており、むしろ高いインフレ目標には否定的だ。


うわぁ。読めてない。全然読めてないよ池田先生。ここでブランチャードが書いているのは、

ということであって、「高いインフレ目標には否定的」なんてこの段落から読み取れるわけがありません。これでは突っ込まれてもしょうがない。池田先生にはエントリーをアップする前に深呼吸を3回することをお勧めしたいと思います。


さて、一方でリフレ村で給食当番をなさっているらしい矢野先生は、高らかに以下のエントリーをアップされました。

http://d.hatena.ne.jp/koiti_yano/20100215/p1

主要国のインフレ目標「平時から4%に」 IMF提言

(以下略)

「まあ、当然の話だよね」とリフレ派なら誰もが思う訳ですが、(以下略)

リフレ政策論争を巡って、誰が正しくて誰が間違っていたのか?」が明らかになる日が近づいていると思います。


…いや、先生ブランチャードの論文リフレを全然サポートしてません。ちょっと考えれば分かる話です。なぜブランチャードは2%ではなく4%のインフレを検討課題としてあげているのでしょうか?ご自身も翻訳されているとおり、「ゼロ金利制約(それ以上利下げできない状態)にハマるリスク回避するため」です。リフレ派の人たちが主張するとおり、「ゼロ金利制約に陥っても、中銀が高めのレートでインフレターゲットを実行すればデフレから脱却できる!」のであれば、なにも4%のインフレを許容してまでゼロ金利回避する必要などありません。処方箋はあるのですから、それを粛々と実行して安定成長へと復帰すればよろしい。

ブランチャードらがここまで繰り返しゼロ金利制約の問題を強調するのは、その処方箋が当てにならないと判断したからです。この点を明確にするために、以下でブランチャード論文の一節を翻訳します。この論文

  1. What we thought we knew (以前はコンセンサスとして認められていたが、今回の危機で否定されたか、疑問符が付いたアイデアを列挙している)
  2. What we have learned from the crisis (文字通り、今回の危機の教訓)
  3. Implications for the design of policy (今後の経済政策へのインプリケーション)

という3部構成になっており、問題の4%インフレは第3部の一項目です。以下で翻訳するのは第1部のB節、つまり「今や否定されつつある過去コンセンサス」について語った一節です。

http://www.imf.org/external/pubs/ft/spn/2010/spn1003.pdf

B. Low Inflation

インフレーションはただ安定しているだけでなく、非常に低く抑えられているべきだ(多くの中央銀行は2%前後ターゲットに選んでいる)」という広いコンセンサス(increasing consensus)があった。これはインフレによって流動性の罠へ陥ってしまうのではないかという議論へと繋がった。低い平均インフレは低い平均名目金利を招き、そして名目金利ゼロ以下には下げられないので、低インフレの下では不景気の際に利下げ(金融緩和)の余地が小さいと言うことになる。しかしながら、この低インフレ危険性は低いと見なされた。なぜなら、中央銀行が将来の高い名目マネーサプライ成長率とひいては将来の高いインフレーションコミット訳注約束)できるなら、中銀は期待インフレ率の上昇によって将来の予想実質金利を低下させ、それによって現在の景気を刺激することが出来るからだ脚注)。そして、それほど景気へのショックが大きくない世界では、2%のインフレがあればゼロ金利制約を回避するのには十分だと思われたのである。こうして、議論の焦点は、コミットメント重要性と中央銀行インフレ期待への影響力へと絞られたのである。

大恐慌時に発生した流動性の罠、それに伴うひどいデフレと低い名目金利は、もはや歴史上の出来事であると認識され、そのような政策の失敗は今や回避可能であると考えられた。1990年代日本経験、すなわちデフレゼロ金利および長く続く不景気は、この認識の前に不愉快に立ちふさがる問題だった。しかし、これは日銀が将来のマネーサプライ増と将来のインフレとにコミットする能力ないしは意思に欠けるからであると片付けられてしまった(公平を期しておくと、Fed日本経験を無視したわけではなく、2000年の初めにデフレリスクを憂慮した論文を発表している)。

脚注ではEggertsson and Woodford (2003)が参照されている)

ブランチャードらがなぜゼロ金利流動性の罠)に陥るリスクを重視するのか、このB節から明らかであると言えると思います。 特に太字で強調した部分を参照してください。どこかで見たことがある主張ではありませんか。少し分かり易く言い換えれば、リフレ政策が役に立ちそうにないから、「低インフレによって流動性の罠へ陥ってしまうのではないか」という懸念が復活しており、だからこそリフレ政策が必要になるような状況に陥らないように政策を運営すべきだと彼らは主張しているのです。4%のインフレ率というのはそのための政策案です(ただし、ブランチャードらもイマイチ自信がないのか、6つ挙げられた政策オプションのうち、この4%インフレの案だけは表題にクエスションマークが付いています)。

紅茶を片手に「まぁ、当然の話だよね」などと余裕をかましている場合ではありません。さぁ、今こそ高らかに「リフレ政策があれば流動性の罠など恐るるに足らない、だから4%のインフレ率なんか必要ない!」と宣言を!

外野増田池田先生矢野先生の熱い戦いを心から応援しております。

2010-02-12

小泉、安部、福田麻生のたった8年間でこれだけの悪行

GDP世界上位3位から19位に転落、出生率低下・少子化戦後最悪

労働法改悪貧困率先進国中ついに2位。雇用者賃金は30超円減少

非正規労働者率30%、新卒者は60%、超格差社会突入

消費税180兆円から150兆円を大企業減税に適用

年金積立金152兆円から92兆円を外郭団体に流用させ不良債権

三角合併持株会社改正で日本株を叩き売り。外人持株26%超えで日本人奴隷状態

・国有資産郵貯物件を時価評価60分の1で外資へ払い下げ

在日46万人へ生活保護を毎月17万の大盤振る舞い

発狂状態でアメリカ国債受入、為替損だけで30兆円計上

育英会を廃止し日本人の就学機会を奪いながら、中韓留学生には2兆円奨学金を無償供与

国家債務をたった4年で70%増発。国、地方、外郭団体債務は1219兆円超え。財政破綻加速

ゼロ金利政策によって国民預金304兆円を銀行収益に付け替え

・「改革」診療報酬引き下げにより全国で250以上の病院倒産

移民外国人過去最高77万人受け入れ、日本人労働者賃金デフレ失業率加速、治安悪化

定率減税撤廃、公的控除廃止をしながら、課税最高税率引き下げで富裕層を優遇

・無貯蓄世帯の割合23%、20代は36%。貧困層激烈に拡大

生活保護160万世突破過去最高

後期高齢者医療制度を強行し75歳以上の高齢者1300万人を国民健康保険から排除

・60万人の民間人殺戮したイラク戦争を支援。兵站を担い、米国債引受で43兆円の戦費を拠出

一般会計予算70兆円全額を公務員、外郭団体職員給与天下り補助金に充当。郵貯年金簡保

など国民資産勝手に取り崩し、国債増発を加えた特別会計を本予算とし、毎年260兆円を使いまくり

自民が残した公債1219兆円は国民1人あたり約955万円。金利は1時間あたり1596億円となり、

現在も膨張中。結局、増税社会保障費増、医療教育産業振興費切捨てで国民が負担することなる。

2010-02-10

デフレなのかはっきりしろ

牛丼の値段が下がっている。近所の回転寿司屋が値下げした。和菓子屋さんも値下げした。一方ラーメン屋は値上げした。うどん屋も値上げした。バーガー屋は変わらず高いまま。

なんつーか全体的にデフレなのではなく、勝ち組負け組がいる感じなのだろうか。

とりあえず値上げなんてしてちゃ余計に客減りそうだが…。少なくとも俺は行く気しないし。こっちだって給料減ってんだから。

2010-02-08

http://anond.hatelabo.jp/20100208201714

省略?した最後の部分がひでーな。

記 者 タレントの3割が08年のギャラよりも4割下げられているといいます。彼らに限らず、厳しい局面を迎えるでしょうね。

デスク デフレか。イヤになるね。

記 者 トヨタには頑張ってもらいたいものです。

デフレ関係ねーしwww

頑張るのはトヨタじゃなくておめーらだっつのwww

2010-02-05

携帯電話が新規0円じゃ買えなくなってる!

昔は新規0円が当たり前だったと思うのだが、今買おうとしたらどの機種も6万とかかかる!(0円なのは分割の頭金だけ)

何が起きたの?

このデフレの時代にそんなんで売れるの?

2010-02-03

有道出人「外国人参政権平沼赳夫政治から追い出そう」

http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/fl20100202ad.html

日本人参政権人種差別(Non-Japanese suffrage and the racist element)

By DEBITO ARUDOU

1月17日、平沼議員は同じ国会議員蓮舫議員について「言いたくないけれども、もともと日本人じゃない」と発言した。

相手のアイデンティティに対してこれほどまで厳しい非難をぶつけた所以ははたして何なのだろうか?

与党民主党蓮舫議員は、資金を要求するお偉方に対して「(コンピューター性能で)世界一を目指す理由は何か。2位ではだめなのか」という簡単な質問をした(それが彼女の役目である)。しかし、平沼議員はこれについて「政治家として不謹慎だ」と指摘。

はたして実際に不謹慎なのだろうか?他の政治家達がこれよりもよっぽど馬鹿らしい質問をしているのを私は見ている。また、財政の厳しい今のデフレ社会で、官僚に正当な理由を求める事は十分合理的と言えるだろう。

実際に不謹慎な質問をして晒し者にされるのは別だが(不謹慎か否かは個人の解釈にもよるが)、国に対して、そして代表者としての国民に対しての責任感を、非日本人ルーツ蓮舫議員台湾人の父と日本人の母を持ち、後に日本国籍を選択)を持つというだけで疑われる事が人種差別以外の何だというのか。それも国会議員からだ。

予想通り平沼議員は主張を撤回してきた。まず最初にマスコミセンセーショナリズムとして取り上げた事を批判し、また蓮舫議員日本人であるから人種差別には当らないと主張した。

誰か平沼議員に、自民党与党だった1996年日本政府が批准した国連条約に記されている公的な「人種差別」の定義を教えてやってくれないだろうか:「人種差別とは、人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身に基づくあらゆる区別、排除、制限又は優先であって、政治的、経済的、社会的文化的その他のあらゆる公的生活の分野における平等の立場での人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使することを妨げ又は害する目的又は効果を有するものをいう」(人種差別撤廃条約、第一条1)

つまり、蓮舫議員家系民族・生まれを取り上げて彼女の信用を疑う平沼議員は、どう転んでも「有罪」となるのである。

かしこの背景にはより大きな問題がある。平沼議員爆弾発言は日本極右が持つ不可解な権力の徴候とも言える。

彼は以前、2006年に「危ない!人権擁護法案:迫り来る先進国型値全体主義の恐怖」という本を通じて人権擁護法案を潰しにかかり、同署でも「人権擁護法案日本を滅ぼす」と主張している。また同じく2006年女性天皇は認めるべきではないとし、「仮に愛子様留学なさって、青い目の男性と恋に落ち、そのお子様が天皇になられることは断じてあってはならない」と、人種差別女性差別ダブルパンチを炸裂させた(何故女性天皇男性天皇よりも強欲な外国人に弱いと決めつけるのか?)。

2008年国籍法が改正され、その数ヶ月前に最高裁違憲判決した父親の認知に関する方の抜け穴が修復された時も、平沼議員は必死に止めようとしたが成功しなかった。彼は、両親が結婚していない子供日本国籍を与えてしまうと、「日本アイデンティティを弱めてしまう」と主張した。

しかし彼は今だこりていないらしい。今度は今年国会を通過する可能性のある、永住権取得者への地方参政権の授与に対して必死に抵抗している。

このコラムが永住者への参政権授与に関して賛成である事は言うまでもないだろう。在日韓国人中国人等、50万人近くの特別永住者日本で生まれ育ち、ずっと納税し続けてきただけでなく、彼らの祖先過去日帝国民だったという経歴があり、戦争のため日本に強制的に連れて来られ、国のために貢献し、中には死んでいった者達もいる。その子孫である彼らが日本国籍を得ていないなど、他のどの近代国家でもそんな事は絶対に有り得ない。少なくとも以前は所有していたのだから。

そして今度は更に50万人ほどいる通常永住者(いわゆる「ニューカマー」である)がいる。日本役人達の、妨害的とも言える裁量(Zeit Gist May 28, 2008)によって妨げられているにも関わらず、彼らは長く複雑な道をたどって(中には20もの年月をかけ)永住権を取得している。

これほどの年月と労力を費やして永住者として日本社会と同化した彼らに、選挙も含めたコミュニティ活動に参加する権利が与えられるのは当然の事ではないだろうか。少なくとも他36ヶ国では外国人参政権が認められており、それらの国は別に崩壊の危機に瀕してなどいない。

しかし、平沼議員を筆頭とした反参政権活動家はその逆を主張する。日本では政治的な話題は大抵温和なものだが、右翼が必死に行う排外活動が見せる黙示録ディストピアの幻影は強烈なものだ。

彼らが言うに、外国人参政権を与えると、日本釣り上げられたマグロのように切り刻まれ、沖縄中国領になり、日本政府北京に牛耳られ、また平沼議員韓国対馬を併合するだろうとまで言っている。日本にとって外の世界は敵だらけという訳だ。

彼らは、非日本人参政権が欲しいのなら帰化するべきだと言う。確かに正論だが、私自身の経験から言わせてもらうと、そんな簡単に帰化できるものではない。手続きはあまりにも専横で、場合によっては日本人ですら審査が通らないのではないかと思うほどである。理屈はよくわからないが、これで外国からの脅威は中和されるらしい。

しかし、蓮舫議員の非日本人としてのルーツを非難した事で、平沼議員はこの「帰化すればいい」という主張が嘘である事を自ら曝け出してしまった。

蓮舫議員日本国籍を選択しただけでなく、日本の一級大学を出ており、ニュースキャスタージャーナリストとして日本社会に貢献し、また国会議員として同じ日本人から表を得て当選までしている。

しかし平沼議員にとってそれらには何ら意味はなく、心が日本にあっても血統的には彼女外国人であり、これは永遠に変わる事はない。

ここで平沼一派の偏屈な主張が嘘である事が証明される。たとえ彼らが何をしようと、外国人は決して信用できるものではない。「真の日本人」の言う事に逆らう者達なら特に、だ。

何故日本ではこれほどまで露骨な人種差別的主張がまかり通るのか?それは、日本の政治マーケットにおいてマイノリティには主張権がろくに与えられていないからだ。商品であろうがアイディアであろうが、どのような市場であってもそこに壁を作ってしまうと極端で常識外れな価値観が発生してしまう。しかし市場オープンにすれば、問題は自然解決する。

熱狂者達が一番恐れている所は正にこれだ。「よそ者」を恐れているだけでなく、一般市民の恐怖心を煽る事で票を集める事が出来なくなってしまうという恐れ。「よそ者」を受け入れてしまうと、今まで横行されてきた極端なイデオロギーを持つ者達は、新しく生まれた有権者達と彼らが提供する多様な価値観を許容、もしくはそれに対してアピールできなければならない。

日本人の永住者に選挙権を与える一番の理由はそこにある:日本排外主義者から力を奪い、こういった差別者や偏屈者どもを政界から叩き出す事だ。次に平沼議員人種差別的な発言をした時に、それに影響された人々が次の選挙で彼を落選させられるだけの影響力がある、そんな仕組みがあるべきである。

2010-02-02

http://anond.hatelabo.jp/20100201140628

風俗嬢が適切なサンプルとはいえないだろ。

それに過去と比べてサイズが減少傾向にあると言う根拠もなしにデフレとたとえるのもおかしい。

2010-02-01

もうウェストデフレはやめよう。

 日本国民の半数が嘘をついている。

 それは「ウェストのサイズ」だ。グラビアとかを見ると細い人は57センチ、ちょっとポチャッとしている人は60センチと書いてある。

 絶対に嘘だ。なんで3センチしか差が無いのだ!

僕はこの疑問が頭から離れず。ついにあることを決行した。

風俗嬢に頼んでウェストを測らせてもらう。」

 普通嫌がるけど、細い人であれば土下座して頼めば測らせてもらえる。約2年かけ10人弱のウェストを測った結果わかったのは

「本当に60センチウェストであれば驚愕する細さである!」

2年間で60センチの人は一人いた。そのひとはガリガリといってもいいほどの細さだった。

「65センチウェストは細いといえる。」

65センチくらいが細いといえる。

「70センチでも普通くらい」

普通くらいの体型のひとで70前後である。

以上のことは実は女性は全員分かっているのではないか?

もう、大本営発表はやめよう。プロ野球の観客動員も実数になったのだ、ウェスト実数でいいだろう。

また男の方も「70センチ?ふーん普通だな」と思わなければならない。

2010-01-27

政治】「子供手当ての乗数効果は?」→仙谷氏「1以上」菅氏「計算してない」→「乗数効果は1より小さくなる。中学数学で分かる」

ttp://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1264495948/l50

今日参院予算委員会は爆笑もの。

質問者自民、林氏

——デフレ脱却の見通しは?

管「具体的な見通しはない」(←ホントに言ったw)

——子供手当乗数効果は?

仙谷「幼保一体化でき、幼稚園が夕方まで預かるようになれば、1.3にも1.5になる」(はぁ、根拠は?)

——乗数効果とは?

長妻「あのその……」(しどろもどろ)

林「答えられないのか。そもそも指名もしてないのに出てくんな」

——乗数効果と消費性向の関係は?

管(官僚にレク受けるも理解できず)「林さん、ご存じなのに聞かないで」

林「これ以上はやめましょう。市場が暗くなるから」w。

ひとしきり大笑いした後、暗澹たる気分になったよ。

2010-01-11

http://anond.hatelabo.jp/20100111030548

逆に言うなら、必要な資本は残すとして、値下げできるのに、値下げしない理由って、個人のや企業の悪徳以外に何か有るのだろうか?

自由経済の下で成立しているのなら、単なる経営方針だと思いますが。

なんだか、生産性の話なのだか、とにかく世の中デフレなんだという話なのだか、よくわからなくなってますね。

派遣村からはずいぶん遠くなってしまった感じ。


オープンソースフリーウェアは、成果物や労力を無償で提供しているというだけです。

それが素晴らしいということであれば、いっそ資本主義は捨ててしまって、共産主義社会主義で良いのではないでしょうか?

労力や成果物共同体のために提供され、必要なものは必要な人に偏り無く行き渡り派遣問題なんて起こらない。

2010-01-10

http://anond.hatelabo.jp/20100110042548

意見にぶれがある気がするよ。

物価は上がってんのか、下がってんのか。

麦は高いけど、被服は安いようだし。

総体としては上がってるって話なのか。


それとも、「日本だけ」が生産性が反映されない「特別に歪な市場」だと言う論理展開なのかね。


日本エンゲル係数は近年下がっているんだから、その方面での物価は上がってない。

技術の発達を考えれば、例に出たジーンズのように、むしろ物価は下がっているだろう。

暮らせない人が増えているのは、昔だったら普通だった、低いレベルの生活が出来ないだけ。

そのレベルを落さずに、彼らを救済しようとするには、住居など「インフラ側」のデフレが必要だ。

昔だったら長屋しか借りられなかった金額で、普通物件に住める様にする。

住居に関して物価高だというのなら、日本は「昔から」物価が高かった。

それでも昔は安い物件があったが、今はそれが駆逐されている。



本題とは違う話なのだけど。

石炭石油のように物事を考えるなら、石油関連は別の雇用を生み出しているわけで、単純に「減る」話ではない。

最初の産業革命から、第二次産業革命やら、近年ではIT革命まで、あまたの革新を経てきたのに、それほど雇用は減っていない。

「新たに雇用が生まれているから」だとするなら、技術革新はあまり雇用に影響が無いことになる。

生産性が上がっても、物価が下がらないと、失業者給料低下者)だけが増える

理由がいまひとつ良くわからない。

http://anond.hatelabo.jp/20100110101450

それを見つけた人間を叩いたり、デフレ解消して景気が良くなると思うのが、ニートおもちゃ探しの感覚

2010-01-06

なんでインフレ税ではだめなのか

マスコミとか、これからは消費税国民に広く負担してもらわなければならない、というけれど明らからにこれはおかしい。

消費税というシステムは消費が旺盛な世代ほど負担が大きくなるシステムだから

すでに家とかを買い消費が終わった世代よりこれから消費をする世代のほうが明らかに負担が大きい。

なのにマスコミはこの傾向があることを伝えようとせず、引退世代も負担することになるから平等だと言い張っている。

日本資産が引退世代に集中しており、ここ20年のデフレによりこれはさらに加速した。

日本再生の原資はこの引退世代が溜め込んだ金に求めるべきであり、

それはインフレによる実質的資産課税によりこの金をはきださせ、お金を循環させることこそ必要である。

インタビュー署名サイトを運営した東京大学科学研究所病院・湯地晃一郎氏

ttp://www.yakuji.co.jp/entry17692.html

――今回、事業仕分けに端を発した一連の漢方薬保険外し問題について、どのような感想を持っていますか。

 湯地 電子署名に関して言えば、歴史的な革命的事象が起こったと思っている。患者さんにとどまらず、漢方薬を服用していない10~40歳代のインターネット利用者が,危機感を共有し、自分の住所、氏名という個人情報を、自発的に善意で第三者である漢方薬署名サイトに提供し、意見表明したという行動が、厚生労働行政に対し大きな力となったことは、今までの日本の政治史上に見られなかった動きだ。

 ――電子署名の約9万5000通という数字については、どう見ていますか。

 湯地 約10日間という短期間で,10万通近い電子署名が集まったことは、かつてなかった事象であり、画期的な数字だと思っている。

 今回の特徴として、漢方薬を服用している患者さん・ご家族に加えて、漢方薬医療と全く関係ないと想定される一般のインターネット利用者層から,多くの署名があったことが、署名数の爆発につながったと想定される。インターネットの巨大掲示板2ちゃんねるまとめサイトハムスター速報)、SNSmixiミニブログtwitterなどのメディアが大きく寄与した。

 医療漢方薬に対する市民の関心の高さ、あるいはネット利用者への情報提供が、医療漢方薬に対する関心を高めたことを反映していると考えられる。

 ――その中で、最大の牽引力となったメディアは何だったと見ていますか。

 湯地 起爆剤となったのはtwitterである。11月27日金曜日早朝(木曜日深夜)、午前1~3時に署名数・署名サイトアクセス数が急増したという,極めて特異な現象が生じた。漢方薬保険外しに危機感を持った患者さんのブログをきっかけに、一気にtwitterで話題が広がり、署名の起爆剤となった。twitterの高いリアルタイム性、伝播性が遺憾なく発揮されたと考えられる。その後、掲示板SNSブログメーリングリストでの署名呼びかけなど、様々な電子媒体が大きな推進力となって、約9万5000通の署名につながった。

 なお、漢方署名運動に先立ち、twitter内で勝間和代氏がデフレ脱却署名運動を11月4日に開始していた。これは、twitterアカウント(@anti_deflation)に賛同者のフォロー(追従)を募るものである。12月17日現在、3000人強のフォロアー(賛同追従者)を数えているが、漢方署名運動は、9万5000人という圧倒的数、そしてネット利用者が、住所・実名という個人情報を提供したという点で、質量とも全く異なる。ネット世界が、現実世界に大きな影響を与えたのである。

 ――有名ブログによるデマ説も出ました。

 湯地 11月28日に某有名ブログに、漢方薬保険外しはデマとの記事が出た。この記事が,電子署名撤回につながるのではないかと,事務局は危機感を持った。ところが、その後にすぐ良識を持ったブロガーが反論して,デマ説を一蹴するという揺り戻しも来た。ネット上では賛否両論意見が寄せられたが、読んでおかしいと思った人が,逆に署名してくれたという要因もあり得る。それだけ,今回の漢方問題は大きな現象になった証である。

 ――今回のネット市民による電子署名の盛り上がりを通じて得た教訓については,どう考えていますか。

 湯地 今回事業仕分けで様々な項目が,予算の削減、廃止対象になり、多方面で反対運動が行われた。この反対運動の方法は、大きく二つに分けられると分析している。

 一つは、ノーベル賞受賞者オリンピックメダリストなどによる有名人を動員したトップダウン式の反対運動。これはメディア報道され、大きな世論を盛り上げる影響力がある。仕分け関連団体が単に反対声明を出し陳情を行っても、全くメディアが取り上げないため,世論への影響力は乏しい。

 もう一つは、われわれが取ったボトムアップ方式である。以前から財務省漢方薬保険外しを狙い、そのたびに署名を集めたという歴史的な経緯もあり、民意を総集する手法を取った。その結果、わずか10日間で約27万人、3週間で約92万人という署名数を集め、厚生労働大臣宛てに提出することができた。さすがに政権与党民主党も、これは無視できないということで、役員会で漢方薬保険継続を正式決定し、12月17日に与党3党の予算要望の3項目に盛り込まれた。

 われわれはボトムアップの手法で民意を総集したため、最終的に政権与党を動かすことが可能となった。漢方薬保険継続使用したいという患者さん、ご家族、一般市民の総意が政権与党政府に伝わったが、83万人弱の書式署名に加え、インターネットという媒体を通じた約9万5000通の電子署名活動も大きく寄与したと考えられる。

 ――今回、改めて漢方医療のあり方がクローズアップされたわけですが、一連の署名活動を通じて、漢方医療の進展にどう生かしていったらいいとお考えですか。

 湯地 民主党はそもそも,マニフェスト統合医療漢方を推進するとうたっており、財務省の意向で保険から外すという文言が入ったが、そこから強力な押し戻しが起こり、約92万通という多くの民意が集まった。逆にこの民意が、政府国策として漢方医療を推進する後押しとなれば幸いである。<<

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