ラーメン二郎が気になったため、ラーメン二郎に行ってみる事にした。
愛車のGR86を快適に飛ばし、現地に到着する。
近所迷惑です。騒がないでください、タバコのポイ捨てはやめてください等、明らかに治安の悪そうな張り紙が貼られている駐車場を見て不安感が募る。
駐車中の車も、軽自動車を中心に古びた車種が多く、自宅周囲に駐車してある美しい車たちとは雲泥の差があった。
駐車を済ませ、店の正面を見る。
全体的に薄汚れ、シンプルで安っぽい黄色い看板にラーメン二郎とこれまた洗練されていないフォントの文字を見て、本当に食べて大丈夫なのか?と足が止まってしまう。
しかし、よく見れば開店直後だというのに5名以上の男性が店外に並んでいる。
男性たちは明らかな低所得、いわゆるヘコオス感が漂っており、全員がスマホを食い入るように見つめていて、怖気を覚えた。
店はドアが無造作に開けてあり、食券をその場で購入して並ぶタイプの店だと推測する。
食券機も古びていて、案の定、電子マネー等は対応していないようだった。手書きの汚い文字でわかりにくく書かれたメニューを解読し、初心者におすすめらしい「小ラーメン」の食券を購入した。
周囲の影響で自分の価値が下がっていくような錯覚を覚えながら弱者男性たちの陰鬱な列に並ぶ。
確かに春の陽気を感じるが、ここは日当たりすら悪く、うっすらと寒い。10数分ほど待たされて入店する。
待機中にも弱者男性たちがわらわらと集まり、どんどん列が伸びていくのを見て、日本の貧困はここまで…と驚愕を覚えた。
店内も外見と同様、薄汚れた雰囲気で、満員だというのに誰もがラーメンを食べるだけなため、異様な静けさが漂っていた。
無理もない。この店にくるような男性は、他人と喋るということがまず特別な体験で、食事は1人で摂るもの、黙食が当たり前なのだ。
ここで何度目か分からない驚愕に私は打ちのめされた。カウンターは、布が山と積まれ、拭いてくださいと書いてあるのである。
つまり、ここの店員はテーブルを拭くことすらしないのだ。衛生状態が気になるため、できるだけテーブルに手をつけないよう、意識して姿勢を正す。
することもないので、ラーメンの調理風景を眺める。覚悟はしていたが、分厚いチャーシューを素手で、手袋など一切せず皿に盛る様子を見て、帰宅したいという思いが強くなった。
5分ほど待たされて、ようやく注文したラーメンが到着する。
スマホで写真を撮ろうか迷ったが、全体的に薄汚れた茶色で「美味しそう」と全く思えなかったため、写真に残す価値を感じなかった。
衛生状態に不安を抱きつつ、テーブルの箸を取り、これでもかと盛られた野菜を一口食べる。
まず感じたのは異様な塩気と舌にからみつく脂だ。野菜にも味がついていて、異様なしつこさがある。
次は麺をすする。麺は、異様に太く、黄色く、もったりしていて、ボリューム感だけはたっぷりだ。
はっきり言って、豚の餌だ。
この時そう感じた。
外見から覚悟はしていたが、これは妻子がいる健全な人間が食べるものではないのだ。
一口食べるごとに、体の中に毒のようなものが溜まるのを感じる。
これほど塩気と脂身が濃いものを食べれば、血液は汚れ、腎臓は腐り、寿命は一気に消費されるだろう。
現世に絶望した弱者男性たちは、ラーメン二郎を啜ることで、現世からの解脱を求めているのだ。
箸を置きたい衝動と、吐き気を堪えつつ、豚の餌を胃に押し込む。
しかし、無くならない、無くならないのである。私が注文したのは小ラーメン、のはずだ。食券を確認しても小と書いてある。
しかし、そのボリュームは通常のラーメン店の大盛り以上であった。
これを全部食べろというのか、意識が遠くなった。
私が一体どんな罪を犯したというのか?
好奇心に駆られたのが間違いだったのか?
早くここから出たい。その一心で、口と手を動かし、豚の餌を掻き込む。
千と千尋の神隠しの両親のように、だんだん自分が豚に変身していくような錯覚を覚える。
私の努力は実り、水の助けも借りて、なんとか全てを胃に押し込むことに成功した。
その直後、私は店を飛び出していた。この空間にいる時間が1秒嵩むごとに私の寿命が減る恐怖に駆られたからだ。
いつもなら心を沸き立たせるエキゾーストが、この時は救いの福音のように感じられた。
私はラーメン二郎を実際に食べることで、日本が抱える闇、醜さをこれでもかと体感することができた。
政治家は、ラーメン二郎に是非行くべきである。これが日本の闇、政治が正すべき癌なのだから。
私の寿命は、今日のラーメン二郎でどれだけすり減らされただろう?窓を開け、春になりつつある陽気を肌に感じながら、私はGR86のアクセルを踏み込み、闇から逃げ出した。
ネタっぽいけどラーメン二郎ってまさにそういう感じなんだよなぁ。 一回だけ行って二度と行くもんかと思った。
日本にいながら東南アジアの屋台のボロさと不衛生さを思い出させてくれる店だね。 (東南アジアの屋台は美味いし融通もきくし愛想もよかったけど) 並んでる常連は、情報を食うど...
マジかよモリゾウ最低だな
モリゾークッコロにトドメを刺そうとするどーもくんの手が振り下ろされる刹那、亜光速でバボちゃんが突っ込んできたことにより地球は終焉を迎える