ある病気で入院して昏睡状態から目覚めたはよかったが、その間に異世界に行って魔物討伐したり魔法を覚えて強くなった訳で無く、病気は完治せずに要介護になってしまった。そしてしばらくして亡くなった。
元気だった頃は海外旅行の土産を持ってきてくれたり、新しい機種買ってもうプレイしないから〜とPS3とソフト沢山をタダでくれた。
時々叔父さんの家へ遊びいったけれど、壁にコミケなど色々なイベントでゲットしてきたと思われるポスター・アイドル関連グッズが沢山あって、優秀で羽振りも良く、お金が自由に使えていいな〜と正直羨ましかった。
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介護生活になってから誰が面倒を観るかで親族間で大モメになった。入退院から面倒を観てた実姉の母が「私だけに全部押しつけるな!」とブチ切れていた。あんなに怒声が出る人だとは思わなかった。
ヘルパーさんも含め親族間で持ち回りで介護するようにしたけど、負担を減らすには完全介護の施設に入れたほうが良いし、その話は勿論出た。施設はすごい高い。預貯金はあるけれども足りない。資産を全部処分しようと叔父さんに言ってそこでまた大モメ。
これまで貯めたゲームやグッズやなど、処分されたくないよなぁ、キモチはすごいわかる。自分の一部だから。
あの頃は親類で顔を合わす度にモメてたと思う。優しかった祖母が「これだから独りもんは・・・」とつぶやくほどだった。ばぁちゃん実の息子にソレ言っちゃおしまいよと言いたかったがこらえた。
そんな親族間の負の感情を感じ取ったのかどうか解らないけれども、叔父さんは「迷惑掛けてすまないね」「ネット広告で稼ぐように準備するよ」と前向きだったが、「男にオムツとりかえてもらうなんてな〜」とグチが増えるようになってから落ち着いた病気が進行し、痴呆の症状が出てからは罵詈雑言を誰それ構わず繰り返し、自分も近寄るのがイヤになってしまっていた。
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いよいよ叔父さんの預貯金が底つき、これからどうしよう、親族でお金出し合うか…という矢先、叔父さんは旅立った。当たり前というか葬儀は簡素なものだった。
仲良かったんだから何か棺に入れてあげてと言われ、某RPGの説明書と攻略本、アイドル撮影会の時の写真を棺桶にいれた。フィギュアも入れようかと思ったが出来れば紙製のものでと言われた。
葬儀を終えてしばらくしてから、コレクター仲間と称する人が訪れて形見分けを…と言ってきたり、職場でお金を貸し借りしていたと言ってくる怪しい人がきて、対応に苦慮した(詳しくは書かないけれど、警察呼ぶのが手っ取り早かったと思う)。
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モノが大量にある遺品整理もある程度は親族でやった。およそ昭和の価値観の人には理解されないであろう理由を付けて家庭を持つのを拒んだ独身男性の部屋にゲームはまだしも萌えアニメのグッズなりフィギュアや薄い本があったりすると、アニメや漫画が世界的に認知されてる時勢とはいえ、文句の1つも言いたくなるのは仕方ない状況だった。このあらゆるヘイトが暴発しそうな苦行はやく終わって欲しいと思ってい時、古めのパソコンとバックアップと思わしきHDDが20個ほど出てきてた。中を見て解約してないサービスないかチェックしておいたら?と言われたが、その辺は介護生活の間に済ませている。HDDにマジックである単語と番号が書かれていた。
「これだけの数があるのは、何かの実験データじゃないかな?」とワケの解らない事をいって一式バッグに詰めて持ち帰った。
休日にホームセンターへ行って金槌、太めの釘、金ブラシ、ペンチを買ってきて、ベランダでHDDを分解し円盤に金ブラシをかけてハンマーで叩いた。粉々に割れるモノもあったが、そうでないものはペンチとハンマーで半分に折って釘を数カ所に打った。20個近くそれをやるのは結構骨が折れたし、妻からも「そこまでしなくても…」と言われたが修行僧のように無言で続けた。破壊したそれは燃えないゴミや資源回収日に少しずつ出した。
もったいない気もしたけど、これで良かったよね、おじさん。今頃は異世界で魔法唱えて活躍してるかな。
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つまんね 何を思って、こんなつまらない創作したんだ?