三浦さんのファンだったわけではないけれど、ドラマに出ていればかっこいいなあと素直に思うくらいには好きだった。
訃報を知って泣くくらいには好きだった。
三浦さんではないけれど、自分にも好きな俳優さんはいるので、三浦さんのファンの方の悲しみは計り知れない。
ただただ、三浦さんのご冥福をお祈りします。
本題。
しかし、不意にやってくる、数年前に亡くなった妹関連で未だに怒りが湧いてきて、どうにか発散しようとネットを開いたところに、三浦さんの訃報を目にして心が完全にひしゃげた。
もう今日は使い物にならないだろう。
妹は数年前に自殺した。
なんとなく、確証もなく老後2人で縁側に座って話してるのかと思ってた。けどそんなことなかった。
殺人や事故だったら殺した犯人を憎めたけど、自殺は殺した犯人も被害者も同一人物だから憎しみも悲しみもごちゃ混ぜになる。
今でも妹のことを思って泣くことはあるし、体がだるくて動けなくなる。
その他色々、本当に色々、大袈裟にではなく、自殺の前と後では生活、性格、人生の全てが変わる。
本当に自殺は最悪だ。
序盤に書いたが、妹の自殺について、私にとって悲しみよりもずっと残るのは憎しみだ。
ずっと妹のことを思って泣いていたかった。
けど、醜く心に残ったのは怒りの方が強かった。
そして怒りの感情の方が長く残る。
死んだ妹に対して怒りはない。
自殺なので遺書もまああったが、正直なところどう思ってたのかなんて、誰にも分からない。
何故死んだのか、何故私に言ってくれなかったのか、とかはもういない人間に対して怒るのは疲れた。
私が憎い相手は2人いる。
1人目。妹の友人。
妹は母親が嫌いだった。
私は特に好きでも嫌いでもなかった。
なので妹の意見には同調できなかったが、妹の友人(Aとする)はそんな妹の気持ちをわかってやれたらしい。
それでもこのメールは見せないでくださいとか、私だけが妹のことをわかってる、みたいなそんな内容だった。
葬式にもAは来た。
私は受付をしていて、両親が参列者の相手をしていた。
妹に対しての、学生時代の旧友がくれた手紙などはあったけど、母親に対しての手紙。
嫌な予感がして母親から取り上げると、妹が母親を嫌っていたことがつらつらと書かれていた。
注釈しておくと、妹は母親を嫌っていたが、母親は妹のことを格別嫌っていたわけではなかった。
なので、妹の死に対して本当に母親は悲しんでいた。
私は親元を離れて暮らしていたので話に聞く程度だったが、会えばいつも泣いていたし、葬式でもずっと泣いていた。
そんな母親に対して「あなたの娘さんはあなたのこと嫌ってましたよ」なんて手紙を渡すか?
妹は嫌いだったかもしれないけど、私はそんなに嫌いでもない母親だ。
妹の遺品を整理して、妹の葬式の準備をして、毎日妹の死に触れて、妹が二度と帰ってくることのない実家に暮らしている母親に対して、葬式に来ただけの人間がそんなことするか?
本当に腹立たしかった。
手紙を渡すだけ渡してAはさっさと式場を出たらしい。
本当に憎らしかった。
妹の葬式に行くこと、母親に手紙を渡そうとしてることなどツイートされていて、憎しみが重なるばかりだった。
憎ければ見なきゃいいといえば本当にその通りだ。
本当に本当に憎い。
Aは愛しき友人のために、憎き母親へ一矢報いていい気分だっただろう。
Aにとって母親は、死んだ妹の仇敵だったけど、母親は私の母親でもある。
恨みつらみの手紙を送られて、精神に異常でも来たして後遺症でも残したらどうするつもりだったのだろう。
フィクションなら友人の復讐を遂げられて良かったかもしれない。
けれどここは現実だ。
Aにとっては自身の物語の重要な登場人物だった妹の仇をとって満足だっただろうが、モブの私や母親にも物語がある。
モブだと見なされた人間もちゃんと生きて家族がいて仕事があって人生がある。
妹が死んだ後のエピローグは最悪だ。
その患者は妹が亡くなったのとほぼ同じ年齢だった。
それだけでうわっと思ってた。嫌だなと思ってた。
カーテンを開けると、その患者はもりもりとご飯を口いっぱいに含ませ食べていた。
はあ?と思った。
けれど、それだけで、ふつふつと怒りが湧いてきた。
指導者が話しているのを横で聞いていただけだったが、ずっと私はその患者が憎くて睨んでいた。
なんで妹は死んだのに、お前は元気に生きて飯食べてるの?
別に妹のことは直接関係はない。本当に理不尽だし、本当は生きてて良かったと思うべきである。
しかし私は今でもあの女がもりもりと飯を食べている姿が脳裏に焼き付いて憎い。
私はそんなに人を憎まない性格だった。と思う。
Aと比べて、私や家族が何かされたわけではない。
けれど妹が死んで、生きている人間が不意に憎たらしく思うことが増えた。
認知の歪みだと思う。
自分でも理不尽だとわかっているけど、感情がそう思ってしまうのだから、どうしようもないのだ。
妹は見つけた時もう死んでいたのに?
妹は初めての自殺行為だったのに?
妹は死にかけた朝にご飯を食べることもなかったのに?
考え出すとぐるぐると、どうしようもない。
認知の歪みがわかっていても矯正することもできず、顔も覚えていない相手に今日まで怒りを抱いてしまう私がいる。
自殺は全てを狂わす。
不幸の行き着いた先の選択だ。
深く関わりがない、知っているだけの人間ももれなく全員不幸へ道連れにする最悪の選択だ。
Aが母親に一矢報いたように、増田はAに一矢報いないの?
自殺した人間の苦しみは周囲の人間に飛び散る 「周りの人間が不幸になるから自殺するな」ってのは 「お前がその苦しみを封じ込めてさえいれば全部上手く行くんだ」って言ってるのと...