2016-08-11

怪獣映画に無縁だったけどシンゴジラ見た

面白かった

ネタバレ注意

20代前半の自分は、ゴジラ、それどころか怪獣映画とも無縁な人生を送ってきた。

上映前にゴジラについて知っている情報といえば

・でかい怪獣

コナンパロディとして出てきた

・なんかハム太郎と同時上映してたらしい

これくらいである。そのため、見るまではどんな話かは全く想像つかなかった。

因みにエヴァは一応見ており、エヴァ好きの兄弟に誘われる形でなんとなく、見に行った。

さて、じゃあそんな人の初ゴジラ感想はというと、真っ先に出てくるのが「ゴジラ本当怖い」という恐怖心だった。

一時期ガンダム格ゲーにはまっていたのだが、戦っている時ガンダムから放たれるビーム系の攻撃は「かっこいー!」とかそんな風に思っていた。ガンダムXサテライトキャノンとかウイングガンダムゼロカスタムビーム必殺技とか好きだった思い出がある。

しかゴジラの口、そして背中から出るレーザー攻撃は見た瞬間、自分は「格好良さ」は全く感じず「恐怖心」に支配された。その攻撃で町が破壊される描写にも生々しさと恐ろしさを感じた。普段他の創作物で町が壊れる描写を見ても大人になるにつれ心の何処かで「フィクションだし」という心の余裕を持っていたのだが、今回はそんな余裕を全く持てなかった。

とにかく怖かったのだ。見終わった後はあのゴジラの黒い形態を極力見たくないと思ってしまったほどだ。(余談だが一緒に行った兄弟は第二形態?の方が嫌だったという。エラの生々しさが嫌だったとか。自分はそっちは嫌悪感を持たなかったので人によって違うんだなと思った)

じゃあ何故そんなにシンゴジラ攻撃は怖く感じたのだろうか…まだまとまりきれてないところはあるが、恐らく1つはその時が夜中だったこと、2つ目はゴジラの圧倒的な生命力破壊力にあったのかもしれない。

夜の中というシチュエーションは非常にリアルで怖かった。地下?で人々がぎゅう詰めになってる中停電になって「あっ!」とか悲鳴が上がる描写には「あの状況で真っ暗になったら怖いよな」と思ったし、後闇の中でゴジラ紫色に光る→ビーム発射描写も印象的だった。2つの描写は夜だからこそ怖さが際立ったシーンだった思う。

後者について、その前の自衛隊攻撃を受けてもケロッとしてるゴジラのシーンの時点で「あれゴジラつえー」とは思った。そこからのあの口と背中ビームである。口の攻撃レーザー状で猛スピードで凄い遠くまで届いて周りを火の海にするし、背中攻撃バンバン米軍飛行機を撃ち落とすし、避けれる軌道でもないし…あの「防護策のない攻撃」と「火の海に包まれ建物描写」は非常に絶望感があった。対処法はゴジラエネルギー切れのみであるエヴァ使徒ビームを守った盾もないし、というかエヴァもいない。あのシーンの恐怖心は希望がほぼ見えなかったというところにあるのかもしれない。ヘリもビームに当たってしまったし…

他のフィクションだと悪役キャラでもこう、ネタにしたり可愛いとか言ったりして愛着を持てたりするが、自分ゴジラを茶化せそうにない。「触れたくないほど恐ろしいもの」という印象だ。コナンでよく少年探偵団はゴジラあんな楽しそうに見てたな!凄いな!と思ってしまった。

シンゴジラでは人々の生々しい死体や血の描写といった直接的なグロテスク描写殆どなく、人々の逃げ惑う姿とか諸外国との駆け引きとか自衛隊攻撃ダメージ0とかそういった、精神的に追い詰めてくる感じの描写が多かったのも印象的だった。2番目に自分ハラハラしたのは核が使用されると決定されたあたりの一連の描写だ。核自体の恐怖もあるし、都民だけじゃなく神奈川千葉疎開させる無理ゲーさとか、総理大臣代理の嘆きとか、「日本世界の同情と支援?を必要としている(うろ覚え)」とか色々な不安要素やどうにもならない感じが怖かった。作中に人間の方が怖いみたいな台詞があったと思うのだがまさにそんな感じ。あの長谷川博己石原さとみが2人で会話している時徐々に引いていくカメラワークも妙に心細さ、不安を煽られた。

他にも人物の描写が良かったとか最後のヤシオリ作戦の所がそれまでの絶望的な描写も合間って凄く熱くなったとか色々雑多な感想はあるのだがもっとちゃんとした言葉で書いている人がいるので割愛

歳を重ねるにつれフィクションで衝撃的な描写を見ても、一歩引いて「自分とは関係ない世界」と考えることで心に致命傷を負わないように出来ていた。が、久々に心に傷を負った気がする。それはゴジラの容赦ない脅威の描写と…後非常にリアル世界観が構築されてることもあって、自分があのゴジラ映画世界で逃げ惑う姿が想像やすい、「もしかしたら関係なくない世界」と思わされてしまたからかもしれない。

そしてそこまで人の感情を揺さぶってきたシンゴジラは傑作だったと改めて思った。

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