劇場版アイドルマスターについて、女目線で要点を絞って感想を書きたいと思います。
内容についてこれだから女は…と言ってもらって結構だし、自分もそう思います。
アイドルマスターではライバルの存在は描かれても後輩の存在は中々描かれませんでした。
けれど、人気が出たアイドルならば男性ファンだけでなく、女性ファンが現れ、彼女らがアイドルを目指すようになるのは当然の流れです。
リアルライブでの「会場のねーちゃーん!」へ返ってくる声も着々と大きくなっているように感じます。
今回、後輩の中で明確に先輩を意識しているように描かれたのは可奈だったわけで、彼女の思いたるやどんなもんだったろうと想像が膨らみます。
自分みたいなクズだと、もし一緒のステージに立てることが決まって、合宿して、話して、サイン貰って・・・となれば、それだけで満足してさっさときついアイドルなんて夢は諦めるかなあ。
でもこれは、私があくまで「ファン」もしくはアイマスの「プロデューサー」で留まるラインにいるからこその考えだ。
想像だけど、男性が「女性」アイドルに憧れて自分は「男性」アイドルを目指すっていうのは希だと思う。
「ファン」の枠を飛び出たい女の子の思いというのは、男性よりは私の方が分かるかな、みたいな自惚れのもと書き進めます。
女性アイドルに憧れを抱く理由と言うのは(◎=これを理由に目指す子が非常に多そう ○=多そう △=いそう)
◎自分も人を元気にしたい
○可愛い
◎かっこいい(生き様・努力する姿に対する尊敬みたいな面も含め)
△男にモテる
◎歌やダンス、演技などができる、目立つ
○同じステージに立ちたい
などなど、といった印象です。
私個人は、女の子はアイドルのことを「可愛い」それにも増して「人生がかっこいい」という目で見ている人が多いと思っている。
そんなの男もそうだと言われてしまうかもしれないけど、女の子が抱く「かっこいい」が占める割合は、男性のそれより大きいと思う。
(女にとってアイドルは恋愛対象にはならないし(例外はありますが笑)、例えばアイドルが結婚して寂しく思っても、ショックは男性ほどではない)
可奈もこのタイプかなと感じていて、
『特別秀でた才能があるわけじゃなく平々凡々と見えるけれど、だからこそ持ち合わせている人間性でファンも事務所のメンバーも明るくしていく』
さて、そんな後輩アイドル候補生矢吹可奈は、果たしてどの時点で「ファン」の粋を出たのか。
ステージ上でも、「春香ちゃん」の背中を見て、心の隅に「あの春香ちゃんと同じ場所にいる」という気持ちが存在していたと思います。
でもプロデビューしたわけじゃないんで、それはそれでいいかなと。
大事なのは、自分が憧れるような生き方をしてきた天海春香が、静かな広いアリーナで、自分の信念を語ったことにあります。
一緒に合宿をしてきて、技術面でのアドバイスや励ましを受けたことはあった。
けれど、この憧れの人が「信念を語る」ということは、先輩から後輩に対する、今までで最も重要な「指導」になった。
きっとガチファンの可奈は、雑誌のインタビューとかバラエティなんかで春香をチェックしまくっていたことでしょう。
まだ仕事が少ない頃の春香についてもっと知りたくて、過去の雑誌をネットショップで漁り、ポチッたりしたかもしれない。
春香の考え方や今までどんな困難を乗り越えてきたか、ガチファン可奈は知識として知っていたと思います。
だからこそ、アリーナ下見シーンは可奈にとって、その春香ちゃんが「リアルに存在していると本気で実感した」初めての瞬間だと思うのです。
可奈が今後アイドルとして、人としてどう生きるか、それが決まったといっても過言では無い。
そして天海春香という人間が、それほどまでの人間になったということを現した話だったと感じます。
パンフを見たら公式がアレをどう伝えたかったのかはだいたいわかると思うんですが、受け止め方に困った方はいると思う。
アレと言うのは「可奈太っちゃった事件」。
あのシーンを見た時、隣に座っていた男性がふふっと笑ったんですよ。
けれど私は笑えなかった。
映画終了後、その隣の男性が「ああいうシーンでも暗くしすぎず、ちゃんとギャグも挟んでくるのがアニマスだよな~」と。
なるほどな、と思いました。確かにそうとも受け取れるんですよね。むしろそれが正解かもしれないとも思いました。
でも、女性だと結構刺さった方がいると思うんです。勿論そうでない女性もたくさんいるとは思います。
可奈の姿を見て、伊織が「あんたそんなんだっけ」的な台詞を言った後の微妙な空気、あれをどう解釈するかも大きいと思います。
あの一瞬、マンガだと「シーーン」と付きそうなあの場面、あれをギャグと取るか、それとも女性特有の空気と取るか。
あそこで「何だよ太っちゃったのかよ~!あはは~!気にするなよ~!」みたいなことを言ったキャラ、いないじゃないですか。
女同士で話しているとたまに陥る空気なんですよ。私はあの表現が凄くリアルだなと思って。
仲が悪いとかではなく、良いからこそ起こるんです。
人にもよりますが、女性は本当に些細な、短いワードにも敏感です。
男性の方で、女性に対して「おいおいそんなことで泣くなよ、怒るなよ!」と思ったこと、ありませんか?(笑)
女性同士ですから、そういう気持ちをみんなよく分かっていて、頭の中で必死に言葉を選んでいる。
そういう「シーーン」かなと私は思っています。
ある意味伊織の「あんたそんなんだっけ」的台詞は、みんな言いたかったことですが、言っていいのか迷っていた言葉だと思います。
なんとなくアニマスは今までに比べて考え方が大人というか、とても成長したなと思っているんですが、これは今までの伊織らしさが出たかなと思いました。好き。
だらだらすみません。もっと書きたいことあるんですが思いのほか長くなったのでこれで・・・
総括するとアイマス、というよりアニマスは、より女性が入り込みやすくなっていると思ってます。
あとぜんっぜん関係ないけど、シンデレラ挫折した私からすると最近始めたミリマスのシステムは結構いい感じです。