■乙武氏の火消しブログに散りばめられた巧妙さについて。
&
lt;
まるで
日本中が
道徳の
時間になったみたいだ。
乙武関連
ツイートが1分に数十件も流れていく。
この状況は知名度で生計を立ててる
乙武氏にとって悪くないだろう。
ネット芸人にとって
悪名は
無名に勝る。
しかし気の毒な店主はどうだ。
電話は鳴りやまず、営業はできない。
嫌がらせにおびえ、店の悪印象だ
けが朝の
ニュースでまで広められる。
彼にとって
時間をかけて
自分の気持ちを主張することは
本業でないし、
ここで
自己主張してそもそもお客になりえない全国津々浦々の
ネット住人
から 賛意を得たとして何を得られるというのか。
しかし、さすがに無理筋で同情の声が弱いことに気が付いたのだろう。
乙武氏は練りに練った
起死回生の一文を
ブログにアップした。
けれどもこの
エントリーは失敗に終わるだろう。
・いつ
ものスタッフはなし、嫁以外の
女子と2人きり、
スーツは汚したくない。
・
車椅子であることを事前に伝えるつもりはない。
「僕はこれまで一度もそんなことをせずとも
外食を楽しんできましたし」
これ
はいけない。
ネット世論の35%を占める
童貞を敵に回している。
そして
車椅子であることを伝えるのは一般
常識ということが、
どうやら
ネット世論的には決
まりの流れの中で…
まだこんなことを言っていては流れを引き付けるのは厳しい。
しかしさすがは500万部の
ベストセラー作家。
その細部まで巧妙に仕組まれた文章
テクニックは見習うところが多い。
後学のため火消し
テクニックとして細かく拾っていこう。
僕の使用する電動車いすは100kgの重量があるため、こういう場合は歩道に“路駐”して、僕の体だけ店内に向かうしかない。
→100Kgの軽
量化を行ったあとの本体が40Kg
であることを伏せる。
身長150cm台の彼女が、僕を抱えて2階まで上がることはまず不可能だ。
店主と思しきシェフがキッチンを一人で切り盛りし、もうひとりの大柄な男性スタッフがホールを担当していたという。
→ここで
スタッフが大柄な
男性であることを強調しておくことで
抱えられたけれどあえて抱えなかったという印象を与えることができる。
前段で40Kgの具体的
体重を伏せたのが活きてくるのだ。
でも
ペットボトル80本を両手に持つことを考えてみたら、
男性だろうとなんだろうとそれがどれだけ大変かわかるだろう…。
怪我をさせることは許されないし、
自分が怪我しても営業がなり
ゆかなくなるのだ。
「いまは手が離せないので難しいけれど、手が空き次第、迎えに行きます」と言ってくださったそうだ。
→人づての会話なのにはっきりしている。
まるで店側が
約束したことを
反故にしたような印象を与える文章だが、
新人の
ホールスタッフがお客に頼まれた以上、手が空いたら行くとは言うだろう。
その後、
店長の判断で
サービス維持上それが適わないということもありえると思う。
僕はその場にいたわけではないので、どこまで彼らのやりとりを忠実に再現できているかはわからない。だが、とにかく彼女は店主の言葉や態度から「排除されている」という感覚を強く受けたという。
女性ならではの感性かもしれない。このやりとりに傷ついた友人は、泣きながら階段を駆けおりてきた。
→ここではそうした店側の判断の
合理性については
検証することはない。あ
まり深堀りしたくな
いからだ。
そこで
感覚や
感性、そして女の涙で押し通す。
ただ「
女性ならではの
感性」というのはそれはそれで
差別的なので失敗だったと思う。
「僕と違い、拒否され慣れていないのでよけいに堪えたのかもしれない」と私なら書く。
また友人が泣いて駆け
下りてきた後をおって
店長が降りてきたということは
店長にとっても泣き出したということがそれなりに以外で驚きの行動だったと思われるし、
追
いかけてきたおいうことは
放置せずにちゃんと説明しようと思っていたように思う。
ところが
乙武氏はこれを以下のように説明する。
店主みずから階下まで降りてきて、こちらの非をなじられたことにも驚きました。
→ずいぶん言い方で印象が悪くなる
ものだ。
これではまるで
人格に問題がある
俺様店長にみえるが、でも、これだったらどうだろう。
『突然、泣きだして駆けおりてきた友人をみて
料理もそのままに1階
路上まで
店長はあわてて追
いかけてきた。
不器用そうな
店長は僕に
挨拶をするといったこともなく
「
エレベーターが止
まらないことは
ホームページにも
書いてあったんですが…」とへどもどと
不器用な弁明をはじめた。』
これなら
料理の
世界でずっと生きてきた。
世渡り下手だけれど、いい
シェフ。…そんな感じになる。
「そうですよね。事前にお知らせもせず、失礼しました」
この状況でも、こんなセリフが素直に口をついて出てくる大人に、僕はなりたい。でも、僕はなれなかった。愚かなことに、そのケンカ調の言い草に、ケンカ調で返してしまったのだ。それは、僕の友人を泣かせるような対応をしたことに対する憤りもあったかもしれない。
→これはすごい。
乙武マジックの
白眉。
言っていない
セリフを言い
たかったということで一行空きで書く。
本当は言ってないことに気が付かない読者が3割
はいるし、
常識のあるやりとりをしていたのような印象を残すことができる。
他人を小馬鹿にしたような笑みを浮かべる店主
→
よしりんもよく使う
印象操作。
「泣きそうになりながらも、お客相手ということでなんとか無理に
笑顔をたもつ店主」
…だったらどうだろうか。
このあと、二言三言やりとりがあったかと思うが、残念ながら記憶が定かではない。だが、店主が最後に言った言葉だけは絶対に忘れない。
「これがうちのスタイルなんで」
→今度はここは
記憶が飛んでるのだという。
いちばん問題となってる発言、これがうちの
スタイルなんで」だけれど
仮に言っていたとしても
意味は前の会話によって変わるのだ。
こんな都合がよく
記憶に濃淡つく
ものだろうか。
『
エレベーターも止
まらない
雑居ビルじゃ商売苦しいでしょ?』
『隠れ家のように
好きな人にだけ来ていただいてい
ます。』
『
銀座らしいちゃんとした箱を借りて、
もっと立派な店をやんなよ。』
『素材には
糸目をつけず、
家賃や
利益は求めないで、
お客様に喜んでもらう。これがうちの
スタイルなんで』
これならどうだ…2往復も
ミッシングリンクがあれば会話なんてなんとでもなる。
P.S.でも、やっぱり、店主がお許しくださるのなら、いつの日か再訪してみたいな
だって、お店の料理、本当においしそうだったから。
→ここまで一度も店主に謝罪すらしてないのにお許しもなにも…。
それに怒ってるのは
乙武氏とその
信者である。
「
店長にはご
迷惑をお詫びして、ちゃんと
スタッフをつれて今度は言ってみたいな。」
ならもう
ちょっと感じがよかったのではないだろうか。
でも、まあ
女友達を泣かせた仕返しがし
たかった男と、
ワンマンで接客
レベルの低い
店長の泥沼に落としどころを付けるならこれでしょう。
屈強な
男子数名と何人かで貸し切りにして、
乙武氏を囲む会が開催されるならぜひ参加したい。
ツイートシェア