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2009-10-29

[]10月28日 修習生が大好きな要件事実

お久しぶりです。司法修習生増田です。

僕たち司法修習生は要件事実が大好きです。要件事実が問われる起案をした直後(たとえば今日)はみんなで盛り上がります

今日はその要件事実について説明・・・すると鬼のように長くなるので、誤解されても上等でざっくり説明したいと思います

100億分の1でも、楽しさの片鱗を理解してくれたら幸いです。

要件事実というのは、弁護士が依頼者の権利(たとえば所有権、貸した金返せ権)を主張するときに使う呪文のようなものです。

これを法廷で相手方に唱えると、権利が発生し、相手方に攻撃をしかけることが出来ます。相手方も呪文で反撃してきます

もっとも、実際には、呪文を唱えるのではなくて、書面に書いてあるだけなので、カードバトルに近いかも知れません。

呪文には、たとえば、メラに対してはヒャドを唱えるとメラの効果をかき消せたり、バギマに対してはライデインを使うと勝てるとか、そういう強弱関係が存在します。

この呪文を唱えるには、「炎よ!」とか「天の怒りよ!敵を討て!」とかの詠唱文句が必要です。

でも、いちいち全部詠唱していくのは不合理きわまりないので、「『天の怒りよ!』の部分は省略していいよ」と相手方が言ってきたりします。

こんな感じで、裁判官は、詠唱する必要のある部分だけを取り出して、それがきちんと詠唱できたかどうかを判断して、詠唱できていればその呪文効果を発生させて、最終的に強い呪文を唱えていた方を勝たせます

これの何が楽しいのかといって、呪文の詠唱が楽しくってしょうがないんです。

呪文とその詠唱文句は、全て法律解釈によって定まるのですが、それがパズル的で非常におもしろい。

相手がメラミを使ってきたので、ヒャダルコで対抗したら、相手がさらメラゾーマを使ってきた。

この場合ヒャダインを打ってもヒャダルコ効果を復活させるものではないから、ヒャダルコメラゾーマを前提に、メラミに対してヒャダインを唱えるべきだよ、とか。

マヌーサ状態でもベギラゴンは使えるって民法○○○条に書いてあるから、この場合被告代理人はマヌーサを唱える意味はないよねとか。

マホトラを唱えるには、相手の最大MPを知らなければならないけど、相手が戦士である場合は、商法X条で前衛であることがわかり、前衛職ならば商法XXX条でMPが少ないことが推定され、さら商法XXX条でMPがレベルと同じことが分かる・・・から詠唱には「戦士から奪え!」の文言必要だよ、とか。

今日和光市駅なんかでは、きっとこんな会話が繰り広げられていたんでしょうね。

2009-10-07

[]10月6日 これは・・・

こんばんは。司法修習生日記増田です。

今日検察起案でした。脳みそと右手が筋肉痛です。

ところで、検察庁って何をするところか知っていますか。

警察捜査した被疑者について、適切な処分を決めるのが検察庁です。

処分には、起訴処分と不起訴処分とがあり、どちらかを警察の集めた証拠や、検察官自らが集めた証拠によって判断します。

実務修習中には、修習生が検察官役になって、被疑者の取調べをおこなったりしました。

去年?くらいに問題になった修習生の情報漏洩ってのは、この被疑者の取調べの内容を漏らしたらしいです。

真摯に取り組んでいれば、情報を漏らそうという気は起きないと思うのですが・・・。

ということで、今週は起案ウィークなので、出題趣旨へのコメントは来週にでも書きます。

2009-10-06

[]10月6日 ああいやだ

こんばは。司法修習生増田です。

いよいよ明日から起案4連発です。それに加えて模擬裁判の記録も検討しなければなりません。泣きそうです。

さて、昨日に引き続き、事実認定の話をしたいと思います。

眠いので資料も見ずに殴り書き。

証拠には、大きく分けて、書証と人証の二つがあります。

書証というのは平たく言えば、書類のことです。契約書、とか、領収証とか。

書証は訴訟において非常に重要な役割を果たします。

ですが、現実は甘くありません。書類だけで、事実関係が全て分かるなんてまれなことです。

そういったときに、書証を補充してくれるのが、人証です。

人証というのは、つまるところ、誰かの証言・供述のことです。要するに、証言台に立つ証人の発言ひとつひとつです。

これまた非常に重要なのですが、書証と違って、人証は非常にやっかいな特徴を持ちます。

それは、証拠として固まっておらず、変動しやすいと言うことです。

たとえば、証言台に立つ証人の気持ちを考えてご覧なさい。

しっかりと準備をして臨んだとしても、慣れない法廷で、衆人環視の中、相手方当事者から詰問され、裁判官からも矛盾をつっこまれ、

そんな状況の中で、きちんと思った通りの答えを言えるとは思えません。

それに、外部から見ても、大嘘をつく証人だっています。

では、そのように儚い人証は、どのように信用できるかを判断すればよいのでしょうか。

これについては、具体的な裁判例の蓄積により、何を考慮要素とすべきかについて、ある程度の類型化に成功しています。

1.利害関係

証人の場合、どちらかの当事者利害関係があると、そちらの当事者に有利なように発言をねじ曲げがちです。

たとえば、親子関係にあったら、普通かばい合って、互いに有利なことを言うはずです。

そうでなくても、金銭関係や主従関係があっても同様です。

2.他の証拠との符合

真実を述べているのなら、他の動かしがたい証拠と符合する証言になるはずだ、という経験則によるものです。

実務では、非常にこれが重視されます。

3.供述の経過

供述自体の内容の移り変わり、ということです。

具体的には、発言の内容がコロコロ変わっていたりすると非常にうさんくさい

供述の変遷といって、これもよく検討事項としてあがっています。

4.供述態度

おどおど、言葉を選びながら話している人を見ると、嘘をついているように見えます。

自信を持ってはきはきとしゃべる人は、真実を述べているように見えます。

もっとも、慎重な人は真実を述べていても前者のようになりますし、一流のペテン師は、顔色一つ変えずに嘘をつくでしょう。

なので、これはあんまりあてには出来ないとされることが多いです。

5.核心部分かどうか

証人が嘘をつく場合、まさに争いなっている部分、核心部分で嘘をつくはずです。

どうでもいい事項について嘘をついても得をしないからです。

したがって、核心部分で、上記1~4の判断要素が満たされるなら信用性は普通以上に増すことになります。

というわけで、供述の信用性についてはこのような判断をしていくのですが、さらに人証の特色を考える必要があります。

なにかというと、100%嘘をつく人も、100%真実だけを述べる人もいないということです。

発言のひとつひとつを区切って考えていくべきです。

あっさりと、「あいつは嘘しかつかない」と決めつけてしまうのは思考停止に他なりません。

こういう判断ってのは、ネット上で「あ、こいつ嘘ついてるw」というような場合にも応用できるかも知れませんね。

2009-10-04

[]10月3日 極楽浄土

こんばんは。司法修習生増田です。

今日は久々の完全オフ。来週の起案ウィークを前に、羽根をのばしまくる修習生も多かったと思います。

但し、裁判官志望者を除く。。。

今日は・・・何か書こうと思いましたがお休みですw

休みなさい。

2009-10-02

[]10月2日 終末の楽しいデート

司法修習生の増男です。

今日ちょっとしたヘビーな起案がありました。

今日もいい飲み会日和でしたが、起案のせいで今日の酒はちょっとしょっぱかったです。涙の味で。

さて、今日は、あまり言及されてこなかった、司法修習生たちの恋愛事情についてお話しましょう。

はっきり言ってこの業界業界内の結婚が多いです。昔から

そのきっかけは、たいてい司法修習中に付き合って、てのが非常に多い。

まあ朝から晩まで一緒に過ごす修習の期間が2年もありゃ、くっつかないわけがないっていう話です。

しかし、近年では新制度の風が入ってきています

最近増えてきた事例は、ロースクール恋愛関係になって、そのまま修習に来るというパターンです。

かつても、勉強仲間同士で一緒に合格して、っていうのはあったんでしょうけど、合格率も合格者数も少なかったのでレアだったはずです。

今では、ロースクールカップルで仲良く合格をもぎ取る羨ましい奴らが結構いてます。まあ片方だけが受かったという、^^;なカップルもいますが。

修習生同士のみならず、実務修習で裁判所検察庁を回っているときに、職員さんと出来てしまうっていうのもよくある話です。

そう言われて見ると、修習生がお世話になる部署は若い職員が多かったような・・・

こういった内部調達派も多いですが、外部に走る者も当然います

若くして合格し、渉外事務所(初年度から年収1000万円以上が約束されている)に内定もらったやつは、女子アナスッチーモデル合コンしまくりw、みたいな話を聞いたことがあります

そうでなくても、地方普通OL合コンして、っていう人もいます。仲間にも何人かいます

また、合格発表直後に、受験生活を陰で支えてくれた恋人結婚、という泣ける話も少なくないです。

ともあれ、修習中に結婚すると、8万円のお祝い金と、新婚旅行に行ける権がもらえます

なので、わざわざ修習中に入籍する人は多いです。

2009-10-01

[]10月1日 現実逃避

こんばんは。司法修習生増田です。

絶賛現実逃避中です。

さて、今日リクエストのあった、新司法試験の出題趣旨についてコメントしたいと思います。

と思ったんですが、今年のは受けてないので、新司法試験について一般的なあたりを述べてみたいと思います。

司法試験は、中日を挟んで5日間にわたって実施されます。

試験は、大卒なら免除になる一次試験の後に、択一論文からなる二次試験、最後に三次試験として口述試験がありました。

そして、択一合格発表論文試験前に出るので、択一対策と論文対策を分けて行うことが出来ました。

しかし、新制度では、一次試験三次試験がなくなった代わりに、択一論文を同日程で行うこととなりました。

そして、択一の出題範囲は、旧試験では上三法(憲法民法刑法)だったのに対して、上三法に加えて、商法民事訴訟法刑事訴訟法行政法も出題範囲に加わっています。

論文科目についても、行政法が加わっていて、さらに、専門性のある科目が選択科目として追加されています。

論文では、公法系、民事系、刑事系、選択科目について、それぞれ3~4時間かけて、超長文の問題を扱っていきます。

試験時間の総計は30時間を超えます。

そして、ロースクール卒業後5年以内に3回しか受けられません。

よく、新司法試験合格者は、旧試験合格者より質が劣る、という言説が聞かれます。

実際に、今の司法試験合格率は非常に低く、合格者が少ないので、質が高いのは間違いありません。

もっとも、以下のような事情もあります。

つまり、新制度では受験回数の制限があるので、記念受験などあり得ないが、旧試験ではそういう受験生が多い。

また、上述のとおり、試験自体が過酷になっていて、法律知識以上に、高度な情報処理能力が要求されている。

そう考えると、言うほど質が粗悪というわけでもないような気がします。

そして、質が低いの一例としてあげられている、2回試験合格率の低下ですが、これもおかしい。

というのも、質が低いと言われ出したのは、司法試験合格者が増え始めた時期ですが、これは同時に、司法修習の期間が短くなった時期でもあるのです。

また、かつては司法修習は2年間でした。それが現在では1年です。身につけるべき事項は、新制度施行とともにどんどん増えていきます。

もっといえば、「弁護士と1度酒を飲みに行ったら就職が決まった」というようなかつての牧歌的就職状況とは違って、現在では、弁護士業界は超氷河期です。

いきおい、就職活動に割くべき時間も増えています。

出来なくなって当たり前のような気がします。

[]9月30日 宴

こんばんは。司法修習生増田です。

昨日の日記のとおり、今日は即日起案でした。

それが終わって、今日は飲みに出る修習生も多かったようです。

多聞漏れず、僕も飲み会でした。

起案にまつわる話。

起案は、実際にあった事件を元にして作成された記録を用いて行うわけなんですが、

当事者が誰なのかばれないように、もちろんフェイクが仕掛けてあります。

そのフェイクのかけ方が、司法研修所教官室の個性が出るところでして、一番わかりやすいのが、登場人物の名前です。

たとえば今日の起案の記録の登場人物は、全て将棋界の偉人をもじった名前でした。

羽生谷川、に始まり、矢内女史やら加藤一三氏まで(!)

昨年の起案では、検事名前が久利生だっていうので、かなり話題になりました。

2回試験は毎回新作の問題が出るので、どんなネタで責めてくるのか、いまから楽しみです。

2009-09-29

[]9月29日 起案前日

こんばんは。司法修習生増田です。

今日は演習とプチ起案がありました。明日は即日起案デーです。

「起案」というのは,小テストのようなものですが,実際に2回試験に使われた問題が出題されますので,大テストと言うべきかも知れません。

100頁を超える事件記録を渡され,裁判起案であれば判決に必要な事項を起案し,検察起案であれば起訴相当である理由を起案し,弁護起案であれば裁判官正義は我が方にあることを主張する書面を起案します。

朝10時から午後5時まで,途中昼食休憩を挟んで取り組むんですが,ほとんどの修習生は昼食片手に起案を続けます。

時間が圧倒的に足りないからです。

実務に出てから一日潰して起案することなんてないので,意味のない苦行だと言われることがありますが,知的瞬発力・論理構成力・文章力を試すのにはうってつけの方法だと個人的には思います。

さて,その起案の成績なんですが,必死に高順位を狙う人々がいます。

それは,裁判官志望者です。なんと彼らの就職活動は,驚くべきことに勉強そのものなのです。

それもそのはず,2000人もの修習生がいて,裁判官になれるのは50人~80人くらいしかいません。

昔は500人合格の時代でしたが,その当時から裁判官採用人数は大して増えていません。

どんだけだよっていう話です。

これまでも数回即日起案が行われたんですが,一度でも失敗すると裁判官の芽は摘まれてしまいます。

え,僕ですか?最初の即日起案でドロップアウトしてますがw

ともかく,起案ウィークともなれば,裁判官志望者は死にものぐるいで勉強をやってます。

なもんで寮で裁判官志望者が発狂しそうになったとかいう話はよく聞きますね。

2009-09-28

[]9月28日 集合修習開始

こんばんは,初めまして。

僕は司法修習生。去年の司法試験合格して,現在修習中の身です。

司法修習生って何者だかご存じですか。

数年前に「ビギナー」というドラマがあったり,ここ数年司法修習生の質が低下したとか色々言われているので,知っているという方も多いかも知れません。

要するに,法曹の卵です。司法修習が終わると,一人前の法曹として,裁判官検事弁護士になります。

修習ではなにをしているかというと,もちろん法律の知識を広げるのもそうなんですが,それよりも,文書作成能力というものが問われます。

現在,寮で生活しているのですが,意外に寮の生活というのは暇でして,暇がてら,文章を書く練習を含めて,駄文日記でも付けようと思っています。

今日は集合修習の開始日でした。

先週まで僕らは「実務修習」といって,全国の地方裁判所地方検察庁弁護士会に配属され,実際の法曹の下について実務を勉強していました。

今日からは,全国から埼玉県和光市にある司法研修所に集合して修習しています。

司法研修所には,5人の教官がおり,民事裁判刑事裁判検察,民事弁護,刑事弁護をそれぞれ教えてくれます。

いずれも実務を相当年数経験されたエキスパートで,僕たち修習生のことをいつも気遣ってくれる神のような人たちです。

彼らに教わりながら,2か月後に迫る「2回試験」に向かって,ひたすら勉強を続けるのです。

2回試験というのは,司法試験から数えて2回目の試験なので2回試験という,単純な名前です。

しかし,各科目丸一日を使って(昼飯の時間も使って!)起案をするというハード試験です。

9割5分方合格する試験ですが,近年は司法修習生の質の低下だとかで不合格者が増えてきています。

迫り来る2回試験落ちに戦々恐々とした日々を送っています。

今日も明日の課題と予習に追われています。

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