はてなキーワード: アガリクスとは
父は50代の頃に癌で亡くなった。秋ごろに入院して、翌年の2月まで、母が看病した。
僕は当時中学2年で、そんな重い病気とは全く思っておらず、そのうち治るんだろうと軽く考えていた。
母がピリピリしているのも看病に疲れているせいだと思っていたし、石油ストーブの上で父のためにと毎日変なキノコ(アガリクス)を茹でているのも、なんか大変だなくらいに思っていた。
ある日、居間で母の荷物に紛れた「ガンを告知された家族」みたいなタイトルの本を見つけたこともあった。いやいやまさか、と何度か一人で口にして、そのまま見て見ぬ振りをした。
雪の降った夜、寝ているところを起こされ、親戚の車で病院に行った。
病室の父はいろんなチューブにつながって、機械的なリズムで呼吸していた。
取り乱した母が声をかけてやれと僕に言う。意識のない父に言葉をかける意味がわからず、しかし母の手前無視するわけにもいかず、お遊戯会のような棒読みで何度か父に呼びかけた。何の茶番だと思った。
医師は機械を止めるので、最後にもう一度声をかけろと言う。それで伝わるなら、機械を止める必要があるのか?と疑問に思った。
その後、色々な手続きを待つ間、窓の外を眺めていた。
病院の外は雪が積もっていて、オレンジ色の街灯が薄暗く照らしていた。
もう20年以上も前のことだ。
特に理由はないけど、さっきふと、あの頃母はとても不安で、怖くて、藁にもすがる思いだったんだろうなと急に思い至った。
我が母ながら本当に立派な人だ。
姫マツタケも既にあったのでNG
https://hime-nsk.com/hmt_about.html
http://anond.hatelabo.jp/20070216100507
思い出話。中学のときの先輩(女の人)がこの手の物に嵌ってしまって参ってしまった。
先輩が嵌ってしまったのはキノコ系で、アガリクスとかグルカンだとかいろいろ言っていた。この先輩が嵌ったきっかけは、推測ではあるけれど知っていて、目に見えるかたちでの皮膚の疾患があったからなのだろうと思う。大人になった今では化粧ができるようになって、「ごまかし方」もうまくなって、気にしなくてもいいと思うのだけど、そういうものでもないのだろう。
どういうきっかけでキノコに出会ったのかは知らないけれど、とにかくその後は熱心な布教者になってしまって、他から話を聞いた感じでは、知り合いのアトピーの人のステロイドの使用を批判して、替わりに毒にも薬にもならないキノコを飲ませたりしているらしい。もうはっきり言ってこれは性質が悪すぎる。
んで、ここからちょっと話が複雑になるのだけど、その先輩には妹がいて、いわゆるフリーターなのだけど、その子は自分が使ってよかったからというよりは、純粋にビジネス(と言うとちょっとカッコいいよね)としてやってる感じなのだそーだ。という話をいきなり呼び出しくらった飲み屋できいた。もう正直くらくらした。
そのときの面子は、先輩とその妹、俺と俺の友達で、もともとみんな顔見知りだったのだけど、上のような経緯で、つまり妹→俺and妹→俺の友達というルートでそのキノコの粉をビジネスするという話だったわけだ。ここでもう俺は半切れ気味で縁を切ろうかぐらいの勢いだったのだけど、友達にそれとなく諭されて、きくだけきいた。そこでまた、上の人に仕込まれたであろう薬事法ぎりぎりをつく物のしゃべり方とか、マイ箸のような時代錯誤のおためごかしなエコ論をきかされて、もう縁が切れても構わないくらいの勢いで全てに反論したのだけど、これがぜんぜん効かない。効くとも思わなかったけど。
その場では、「考えとく」くらいのニュアンスでかわして、妹の持っていた小冊子を笑顔で強奪してお開きにした。後日いろいろ調べてみたけれど、やっぱり毒にも薬にもならないぐらいが精一杯のいい評価だと思ったので、妹のほうにかるくメールでそう伝えた。縁切り覚悟といっていた割には甘い対応かもしれないけれど、まあそれはある種下心的なものがあったと思っていただければ。
メールを出してすぐに即レス長文の本気メールが返ってきた。曰く、癌で放射線治療をしているおばあちゃんにキノコを大量摂取させたら二週間程度で症状が改善したと。他にも何やら書いてあったけど、この部分だけでももうお腹一杯になってしまった。そもそも量を決めずに摂取できるものに効果があるはずがない。副作用って知ってますか?とか、放射線治療は一時的に体調に異変をきたすことが間々あるけど、治療が終わればすぐに改善するとか、放射線治療がだいたい二週間くらいの期間連続で行われるとか、つーかそろそろ薬事法違反。とかそういうことを送ろうとも思ったのだけど、根気が尽きてしまったので、やめた。
なぜ彼女(妹のほうね)がこんなに本気なのか、いろいろと聞いた話と彼女の言動をあわせて考えるに、彼女は生きる意味が欲しかったのだろうと思う。姉について都会に出てきたはいいけれど、いまいち目標がはっきりせず、バイトをして日々を送っていた彼女にとって、人の為になる仕事というのはある意味福音だったのだろう。その生きる意味を否定されるわけにはいかない。だからこそ、金にならなそうな俺をビジネスライクに切り捨てずに生真面目に反論してみせたのだろうと思う。
んー、でもアガリクスでガンが治る、ってのはずいぶん言われて、ついでに逮捕者まで出たね。
あれは忘れちゃいけないと思うんだが。