はてなキーワード: ラポルトとは
http://anond.hatelabo.jp/20170524171732
FAQはあくまでFAQだからね。手続きの正当性をなぜFAQでみているのか、どの部分を持って手続きの問題がある、とツイート主がおっしゃってるのかわかりませんが、マニュアルにちゃんと書いてあって、ふつうに執り行われてる手続きであるとは思いますよ。そもそも国連の特別報告者はあくまで準司法quasi-judicialで、問題提起が大事だって書いてあるし、これが初動なわけだから、内容が不適切だとおっしゃるなら質問にちゃんと答えりゃいいんですよ。とりあえずツイート主が言ってることは根拠がないですよ。むしろ、人権侵害がある国にこそ公開でやることで回答する動機づけをしてるのは明らかだし。
国際機関を含む多国間交渉の場は利害も考え方もまちまちだから、手続きが大事で、そこを外すと何も進まなくなる。日本政府は問題を指摘しつつも誠実に対応する(ことが求められる)が、他の国(人権侵害のひどい国)なら「回答する前に書簡が政府攻撃に使われた」として回答拒否の口実にしてくるはず。
これは実例に照らして真反対。緊急性や重大性が低く、相手がちゃんと回答してくる可能性が高い場合にこそconfidentialにしている。
今回の書簡は基本的には「質問」であり、当該政府からの回答に加え、別途行ったその他の調査内容と合わせて検討し、国連人権理事会に報告書を提出するのが特別ラポルトゥールへの委託内容。その報告書はまだ単なる個人作成の文書であるがこの時点で公開されて議論の対象となる。書簡公開はルール違反。
これも事実誤認でルール違反じゃない。ちゃんと書いたように,マニュアルに認められている。
送られた書簡とそれに対する受け取った回答の文章は、受任者が対応した報告書を作成するときまで機密にするか、受任者が、特定の状況によって、それ以前に行動が必要であると決定する。
37. The text of all communications sent and responses received thereon is confidential until such time as they are published in relevant reports of mandateholders or mandate-holders determine that the specific circumstances require action to be taken before that time.
プレスリリースを即座にすることも認められている。
重大な懸念や、政府が書簡に対して本質的な回答が出来ない状態が続く場合などの適切な状況では、受任者は個人で、あるいは他の受任者(特別報告者、作業部会など)プレスリリースやプレスカンファレンス、その他の公的な意見表明などを行う場合がある。
一般的に言って、受任者は政府との対話の中で、プレスリリースなどのプレス向けの声明を発出する前にそのことを明らかにするべきである。受任者が、書簡の中で、プレスリリース等をすぐにおこなう意向を示したい時は、書簡の中にそのような意向を記載することが出来る。受任者は、懸念された国からの応答に対しても公平に明らかにするべきである。
49. In appropriate situations, including those of grave concern or in which a Government has repeatedly failed to provide a substantive response to communications, a Special Procedure mandate-holder may issue a press statement, other public statement or hold a press conference, either individually or jointly with other mandate-holders.
50. In general, mandate holders should engage in a dialogue with the Government through the communications procedure before resorting to a press release or other public statement. When a mandate holder sends a communication with the intention of issuing a press release shortly thereafter, such intention could be indicated to the Government in the communication. Mandate holders should indicate fairly the responses provided by concerned States.
とされているように、初動が一方的に公開であることは別に認められているし、反論の公平性は、反論文を同じ場所に掲示することで保とうという意思が見える。
また前に書いたように、イギリスのSnooper's charterについては、就任直後にガーディアンのインタビューでいきなり問題提起しており、不必要にテロの危険性をマスコミが翼賛的に報道している状態に苦言を呈しているけど別にイギリスは「反論の機会もなしにメディアでしゃべるなんて!」とも批判もしてない。(なぜインタビューされたかというと、このケナタッチ氏の就任は、アメリカがメルケルとかを盗聴してたことが明らかになったのちだったので、親アメリカ派のエストニア人候補が反対されたという経緯でヨーロッパではその就任が注目されていた。)そしてイギリス政府は、ガーディアンに政府の見解を送り、ガーディアンもそれを掲載した。ただそれだけの話なんだよ。
五輪男子の完敗,女子の奮戦などで盛り上がるサッカー,ここらでちょっとオレオレフットボールコラム。サッカーが下手で最近のJリーグもほとんど知らない私が,どんな風に,どうしてサッカーが好きかを自分で再確認するために書くメモ。あるいは,素人戦術好きのメモです。
基本的に選手についても監督についても批判とかを書いたりするのは嫌いなので(やっぱ,がんばってる当事者達に文句を言うのって嫌ですから),今後の日本代表を監督人事や戦術を中心に思うところを書いておきます。
岡田さんの後の監督についても,いろいろとすでに話が出ているけど,やっぱり代表監督には目の前の結果と,将来への育成,この両方を期待してしまうし,でも日本に根本的に欠けているも「マスコミの良識」や,日本に存在する「広告代理店による商業サッカー」を思うと,人選はとても難しいと思います。サッカーの伝統や文化がない(マスコミと広告代理店のせいで育たない)日本は,戦略(主にサッカー協会が考えること)と戦術(主に監督が考えること)の両方で頑張らないと,W杯のような真剣勝負の舞台で世界から相手にしてもらえることは無理っぽいことがドイツW杯,北京五輪で改めて判明しました。サッカー協会はとてもがんばっていると思うけど,致命的に問題なのが日本のマスコミ(とその背後の広告代理店)で,ほぼ全く現代サッカー,特にその本場である欧州サッカーの動向なんかほとんど知らない,興味ない人たちが,代表戦の前後や,人事のゴタゴタだけを「視聴率が取れれば良い」,「ビジネスになればよい」というだけで騒いで終わるだけなので,日本でサッカーに対するまともな文化が育たない(と,偉そうに書いてみました)。W杯とか代表戦で盛り上がっていない普段は日本のサッカー情報は本当にマニアックで詳しい人も多いのだけど,ことW杯絡み,日本絡みとなるととたんに地道な報道や記事は吹っ飛んでしまうのですよね,恐ろしいことに。
現代サッカーは長期戦略(才能ある若手の発掘,育成,優秀な指導者の育成,獲得,有力選手の強化支援)をベースに,極めてシステマティックに構築された戦術と,選手の個人能力を融合であり,その実戦は主に欧州6大リーグで顕著に見ることができます。70年代に名将リヌス・ミケルスに率いられ,空飛ぶオランダ人,ヨハン・クライフによってオランダ代表及びアヤックスで完成されたトータルフットボール,それを内包して80年から90年代にかけて研究され完成したラインディフェンスによる高度にマニュアル化された戦術,これがしばらく世界のサッカーの基本戦術でした。すなわち,現代サッカー戦術において,重要な出来事は2回,ミケルスが率いクライフが体現し世界を驚愕させたオランダのトータルフットボール,そしてプロ経験のない靴のセールスマンだったサッキ監督が80年代後半から90年代初頭に完成させた革命的4バックラインディフェンスです。
この現代サッカーシステムはしばらく打ち破られないと考えられていましたが,2000年以降,皮肉にもこれらの現代サッカーの完成期に現役時代をおくった選手が監督としてピッチに戻ってきて,大きな変化が起きつつあります。W杯ドイツの監督であるクリンスマン,バルセロナを21世紀最初の黄金期へと導いたライカールト,PSVで結果を出したクーマン,批判もあるけれどやはり優れた戦術家であるモウリーニョ(この人はちょっと特殊な例,いろいろ言われてるけど僕は好きです),そしておそらく現在最も優れた天才若手監督であるデシャンなど,僕の世代ならば,小学生や中学生の時に選手としての全盛期のプレーを見ていた彼らは,リッピ,サッキ,クライフ,ベッケンヴァウワー達の下で自分たちがプレーしたラインディフェンスによるマニュアル化されたシステムの強さと限界を知り尽くしているので,その先のシステムが彼らから生まれてくるのも必然の帰結と言えるかもしれません。代表的なのはフランス,リーグ・アンの中堅だったモナコを一気に強豪まで育て上げたデシャンでしょう。彼の指揮するモナコの特徴は「世界初のシステム化されたラインディフェンス破り」と言われています。詳細は多くのサイトが取り上げているので割愛しますが,欧州トップレベルクラブでの戦術は,数秒単位,1m単位で極めて細かくマニュアル化されたシステムの攻防であり,フラットなラインによるDFでは,相手攻撃陣のボール所持位置,向きに応じて一瞬でラインのON/OFFを切り替える必要があり,この判断は基本的にチーム事のマニュアルで細かく決められています。しかしデシャンはこのマニュアルの唯一の弱点と言うべき,ON/OFFの判断ができかねる一瞬(通常これはバイタルエリア,あるいは最終DFラインとボランチの間が約5mから10mの距離の位置で,攻撃側の司令塔,トップ下,あるいはポスト役がボールを持った瞬間)を意図的に数多く作りだし,そしてそれをシステムとして突破する戦術(というか,この状況が形成された無条件で味方アタッカーの位置を考慮せずDFの裏へスルーパスを放り込むという暗黙の了解)を導入しました。極めて強固で洗練されたラインディフェンスによる華麗な守備を誇るスペインの強豪デラポルト・ラ・コルーニャを完膚無きまでに撃破した試合では,解説の人が「これを戦術でやっているならデシャンは天才です」と言っていたそうですが,メンバーの代わった試合でも同じようなことを続けているモナコの姿を見て,デシャンが天才だったことが証明されました。書くと簡単ですが,実戦するのは簡単ではないはずだし,実際欧州でこの戦術が実行された場面を見ると,攻撃陣の絶妙なパスと動き,そして恐ろしいまでの破壊力に驚きます。
このような戦術の話題は,欧州では瞬く間に話が広まり,各チームによって研究,実戦され,より洗練されていきます。日本でも普段からサッカーのニュースではこのような議論が喧々諤々続けられ,小学生から老人までが戦術について熱く語り合わなかればならないのです,たぶん。でも果たして日本のW杯や五輪サッカー関連のマスコミで,「デシャンのラインディフェンス破り」についてきっちり情報を入手して理解しているような記者はどれくらいいるのでしょうか。あまりにも戦術が軽視されているように思います。芸能人に得点予想を聞いたり,一つ覚えのように「3-5-2は守備的,4-4-2は攻撃的」と繰り返すよりも重要なことがたくさんあるように思えてなりません。実際デシャンは攻撃に人数を割くのが攻撃的なのではないと考えているそうで,4-5-1あるいは3-6-1でも攻撃的なシステムを研究し,実践しています。
オシムに決まった監督ですが,候補にジャケ・エメの名前が挙がっていました。同じフランス人ならばデシャンの方が,日本の4年後,そしてその先を考えるとふさわしい気がします。でも,デシャンほどの才能を,サッカーに理解のないマスコミがくだらないことばかり書き立てるアジアのサッカー後進国に迎えるのは世界のサッカーに対する犯罪のような思いもあります。長々書きましたが,とにかく言いたいのは,次期監督は日本に合った戦術をしっかり考えて,実戦できる人にしてくださいということです。
そして,今回の五輪で明らかになった,男子サッカーの衰退と女子の奮闘。特に,澤。この不世出の才能を日本サッカーが今後生かせるかが,日本サッカーが世界について行くことができるかの重要なキーになるかもしれません。澤に率いられた日本女子代表のプレー,皆さん見ましたよね。男子との違い(決定力や個々の位置取りから,システムの機能・実践まで)がここまでわかると,さすがにみんないろいろ考えると思います。