2024-05-13

最も過大評価されている作家三島由紀夫

三島由紀夫日本代表する文豪憂国の士といわれるが、過大評価され過ぎだと思い、所感を書いておく。

駄作が多すぎる

三島由紀夫はかなり多作作家で、小説戯曲だけでおそらく200作を超える。

新潮社三島由紀夫全集バカデカサイズの全42巻からなり、通読した人間三島専門家くらいだろう…専門家すら怪しいが。

なぜならあまりにしょーもない作品が多すぎるから

三島由紀夫といえば金閣寺。少し落ちるものとしては仮面の告白潮騒美徳のよろめき鏡子の家憂国豊饒の海がある。

しかし他の95%の作品・・・

私は三島由紀夫が好きで、小説だけでなく戯曲を含めて結構読んでいる方だと自認しているが、若者がつまら観念を語るだけの作品、あまり紋切り型恋愛作品が多すぎて、読むのが時間無駄苦痛だ。

打率の低さは擁護しきれないほどである

三島由紀夫vs東大全共闘

2021年に『三島由紀夫vs東大全共闘』という映画が公開された。三島由紀夫 = 憂国の士という共通認識を前提とした筋書きのようだ。

しかし当時(1969年)の共通認識は「ややこしい人がクビを突っ込んだな」である

当時の三島由紀夫はボディービルディングに熱中したり、鍛えた裸を披露するために自分映画写真集作ってみたりと、脇道にそれる活動が多く、作家としての存在感が薄らいでいた。

それどころかいい年したおじさんなのにUFO超能力の探求にハマったり、ハタチそこそこの若者を誘って私兵部隊を結成したり(後に市ヶ谷駐屯地突入した楯の会である)と、お騒がせキャラクター確立していた。

まりUFO超能力に興味があり、自分映画写真集をつくり、若者を集めて軍事訓練を積ませている40過ぎのおじさんが、ソ連マルクス主義の嵐が吹きすさぶ東大に入って論戦しようというのであるいくらなんでもツッコミどころが多すぎるよ。

当時は同性愛天皇礼賛主義への偏見が強かったこともマイナスイメージ形成しており、三島由紀夫は"へんなおじさん"であった。

楯の会事件

散々語られていることだが計画性がなさすぎる。拡声器すら用意していなかったとは…。

社会思想を訴えることについて、本気度・想像力が足りない。

偉い人を人質にとって吠えれば自衛隊が動くと思ったのだろうか。組織とはそのような属人的ものではない。

ずさんな計画のわりに、割腹自殺の準備だけはキッチリしていたらしいが。

派手に割腹たかっただけでしょ。割と当たっていると思う。三島由紀夫エッセイ映像インタビューで度々語っているお気に入りエピソードに、終戦の日に夏の静かな日差しを見ていると自分は"生き残ってしまった、後に残されてしまった"という強い感覚を持ち、それ以来死に場所を探しているという話があり、その"死に場所"を選んだということなのだろう。

三島自己満足に付き合って死んだ若者たちが可愛そうだ…。

最後

三島由紀夫エッセイストとして優秀だとおもう。"高貴なる野蛮人たれ"という言葉を残した。上品で、教養があり、裕福な人間一見洗練されているようではあるが、実は個性がなく退屈で、柔順で、脆弱人間なのである種の誇り高き野蛮さを備えておくべきだという三島由紀夫の主張。この主張は私の人生の指針にもなってきた。

ただ文豪憂国の士というのは過大評価であり、観念に引きこもるあまり最期は周りに迷惑をかけて死んだへんてこ作家、くらいが妥当評価だと思う。

  • なんか国粋メンヘラおじさんってイメージ

    • 一般的なイメージはマジでこれ ちょっと関心があっても精々ウィキペディア見て、なんちゃって右翼じゃなくて拗らせガチウヨ自衛隊扇動演説絶頂切腹おじさんだと知る程度 文学的位置...

  • 阿川弘之が硬骨漢として評価されていることの方が過大評価かと。 パウル・カレルみたいな古巣のスポークスマンに過ぎないのにね。

  • シナリオというよりテキスト、文章よりも文そのものの語句選びがうまい印象だったな なので大規模言語モデルのシステムプロンプトで皮を被せるとそれだけでそれっぽい文が生成され...

  • このおっさん、下ネタ書きすぎて何度か出版停止食らってなかったっけ。それを同人出版しようとしてさらに「やめろお前」って三島出禁事件とかなんとか

  • 文化資本をもて余したおぼっちゃんの遊びて感じやな

  • ブコメ>「東京在住だった三島は、農民(肉体労働者)の多い本籍地で兵役検査を受ければ劣位で不合格になれるとの父の企みに従い兵役逃れをしておきながら、戦争が終わってから身体を...

  • その理屈なら手塚治虫も過大評価やな

  • 好評レビューだけの作家はキャズムを超えてないんで失敗していますって話かな。方々に露出して叩かれ得る多才な人間が羨ましい。

  • ワイくんをなんとか六年目で蹴り出してくれた恩師が「最初は三島由紀夫を研究対象にしていたが、どこを切っても『死』に向かうのが嫌になって森鴎外に乗り換えた」てゆうとったな...

  • ここにあげられている項目、めっちゃ文学じゃんね 三島由紀夫は主に文体が評価されている作家だよ

  • 三島由紀夫が美輪明宏と初めて会った時に三島は全身高級ブランドで固めていたので美輪が「そんなの野暮の骨頂よ。高級品の中に一つ安物をまぜておくのがお洒落よ」とアドバイスす...

  • 故・小田嶋隆が三島の文章を絶賛してたくらいだから、少なくとも当たり作品における文章の美しさはやっぱり文豪というに相応しいんじゃないの。 言うて確かに俺も金閣寺くらいしか...

  • この頃のウヨクはウヨクだったよなあ 現世ウヨクは朝鮮カルトラブで右要素がどこにもないのに左を叩くただの朝鮮の犬

  • 打率の高低で作家を評価するのはおかしくないか?名作の絶対数で語るべきだろ。

  • 大江健三郎 中上健次 日本語文法は守ろう。 崩すにしてもたまににしよう。

  • 中学高校だったころの国語の先生がノーベル文学賞は三島がとるべきだったってさわいだのを思い出した。 日本でノーベル文学賞をとったトンネルの人、、、、名まえわすれた。思い出...

  • 現代にいたらインフルエンサーになってそう すごい向いてる面とめちゃくちゃ向いてなさそうな面両方あって常時炎上

  • 俺は残り95%に含まれてる夏子の冒険が大好きというかお前がエンタメ路線を軽視してるだけでは?

  • 「三島の自己満足に付き合って死んだ若者”たち”」って何だ、”たち”って。森田必勝以外に誰が死んだ? しかも森田は三島が制止したのに、三島との心中を自ら希望したのだ。

  • 漫画で例えるならあまりにも高すぎる画力のために内容も高尚なものに見えてくるみたいな現象起きてる気がする

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