正確には軽度のアスペにADHDが混入しており、いわば心のなかで「自閉の弟を多動の兄が連れ回している」状態。
診断受けたときにやった知能テストでは、アスペが強いとされる部分は天才的に凄いと言われた反面、弱い部分は境界知能クラスと言われた。
今までの人生を振り返ると、結局の所、自分の一番弱い部分が事あるごとに足を引っ張ってきたと言っていい。
だから、「長所を伸ばすことが生存戦略として適っている」という、よくある言説は一切信用していない。
むしろ弱い部分を底上げするほうが確実にQOLは上がるだろうと思っている。まあ言うは易く…ってやつなんだが。
あと、障害特性が「軽度」で「混ざっている」というコウモリ野郎なため、普通の人からのみならずガチアスペっぽい人からもADHDっぽい人からも「変人キャラ」扱いされるのが地味に辛い。
さて、長い前置きはこれくらいにして、今まで使っていなかったストラテラを使うことになった。
薬については自分の場合、二次障害に対処するリスパダールとかリボトリールとかは使ったことあるけど、障害の根本部分にコミットする薬は使ってこなかった。
今まで比較的自分に向いていた部署にいたのが、配置転換により、全く向いていないどころか事故多発→クビ路線が確実視される現場に行くことになったから。
正社員につきものの話なのか、はたまた会社が自分を追い出したいからなのかは知らないが。
それで、とにかくなりふりかまっていられない。薬でもなんでも、合法的に使えるものは何でも試してやれと決心。
とはいえアスペに効く薬はないから諦めるとして、せめてADHDの特性だけでも軽減させないと…ということで主治医に相談したところ
「増田さんにどこまで効くかはわからないけど、最小量の25mgから試してみようか」
ということになった。
これが10日くらい前。
その効果だけど、「おお!こういう効き方するのか」と結構納得できる手応えだった。
初日から、仕掛中のタスクもさっくり切り上げて他のタスクに切り替われるようになり、更に集中と俯瞰の切り替えがベストタイミングで発動する感覚を味わった。
翌日には、相手の話を最後まで聞いて話すのがデフォルトになった。
翌々日には、話す前に一呼吸置いて話すようになった。
一週間後には、怒りも悲しみも不安も全て「冷静さを失わず」感じられるようになり、逆に今まで自分の心がいかにざわついていたかを実感した。
そしてここが重要なのだが、薬が効いているときに経験した言動は知らず知らずのうちに脳に記憶されるようで、効き目が切れ始めても、前述の記憶で言動が自然矯正されるのだ。
即ち一度薬を摂取したが最後、摂る前の自分には二度と戻れなくなると。
しかもたった25mgで、前頭葉にしか作用しない、精神系のお薬としては「見劣りする切れ味」と言われているものでも、この効果である。
こりゃ、麻薬や覚醒剤を売るなんて人殺しと一緒だよなと、心の底から思わされた。
というわけで、本格的に新しい部署に赴任するのは来年度で、今は移行期間なのだが、今の所大事故は起きていない。
それでもつまらないミスや必要以上にビビるケースは無くなっていないので、薬の増量を試すのもありかと思っている。
ただそれで治るのは多動のみであり、自身の問題のもうひとつの根幹である、自閉の部分は未だ手つかずである。
よって、話を端的にまとめるとか、相手に合わせて話す内容やアプローチを変えるとか、そういう他者への強い興味とそれに伴う情動がなければ身につかない部分は、多分今後も生きる上の厄介事でありつづけるだろう。
てかMDMAみたいな、情動を喚起する系の薬が早く実用化されて欲しいんだよね。
そんな感じ。
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すごくわかりやすい。 痛し痒しなんだなあ。
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