誰にも明かしたことがないが、つい数年前デビューしたグループのファンをほそぼそとやっている
といっても別にコンサートに行くわけでもなく、グループメンバーが載っている雑誌を買ったり
出ているテレビ番組を見て楽しむ程度のいわゆる「茶の間」である
数年テレビや雑誌を見ていれば、応援しているグループ以外のジャニーズのことも少しずつ分かってくる
そういう流れで、バックで踊るジャニーズジュニアにも興味が湧いたのである
少年倶楽部というジャニーズが出ている番組で私はあるジュニアに興味を惹かれた
ジュニアが出ている番組も殆ど録画たし、雑誌で読むコーナーも増えた
しかし、茶の間にとってジュニアの情報量は想像以上に少なかった
雑誌にも数ページ分はコーナーが確保されているため、これまでの私は情報欲求が満たされないことは殆どなかった
情報不足になった私はジュニアの情報をネットで探し、「タレコミ」という掲示板や2ちゃんねるなども見るようになった
いろいろな掲示板を見て思ったが、ジュニアの掲示板はかなり荒れている
どの掲示板でも殆どの平和に語られているスレは存在しない かならず誹謗中傷が存在している
とくにジャニーズヲタクにとって僻みの対象となるのが「推され」である
新人ジャニーズが突然テレビで出番を獲得したり良いポジションをもらうとたちまちのうちに「推され・ゴリ推し」認定をされる
こうなってしまうとどんなにそのジュニアが能力が高くて推されに値する人物だったとしても、そのジュニア自体を評価してもらえない
私がファンになったジュニアもいわゆる推されであり、読んで気分の悪くなるような悪口しか書かれなかった
( 私には推されどうこうの区切りがよくわからなかった 実力・人気以上に出番が多いジュニアなんていくらでもいる
それなのになぜだか「ゴリ推し」認定をされない人材がいくつかいる
法則として ①一度デビュー漏れなどの「辛そうな」思いをしている ②デビューしてから一定期間露出が少ない ③雑誌で「人気」投票の順位が高い
④色白 ⑤飛び抜けて顔が整っているわけではない ⑥最初に組んだユニットでセンターではなくサイドやバックについている
こういう人材は何故か能力以上の出番を貰っても誹謗中傷されることが少ない)
しかし、それ以上に驚いたことは、ジャニーズジュニアとそのファンの実態だ
この情報化社会の現代においても相等ローカルな世界がジャニーズジュニアの世界には存在している
詳しくは分からないが、コンサートなどのでたジャニーズは、その後、会場近くで列を組んで出待ちしているファンのために
その列に向かい軽いコミュニケーションをファンとの間に交わすようだ
そこでジュニアによってはこっそりと次の自分の出番の話をしたり、あるいは高価な貢物を貰ったり、ファンとの連絡先の交換をする
(よくジャニーズがスタバのドリンクを飲んでいるイメージがあるが、あれはどうやらファンがスタバカードを貢いでいる影響もあるようだ)
そして、そのような情報はツイッターなどのSNSで限られた相手との間でのみ流通する
(ファン同士で秘密のパスワードを付けた掲示板を作る。私もツイッターに入り込んで情報を得たりした。)
信じられないことに、ファンの中にはそのような「現場でのつながり」によってジュニアとの交友関係を獲得するものや、
(別に私はジャニーズだからといって性欲真っ盛りの期間に鬱憤を一人で発散したりホモに走ったりするのもどうかと思うので否定はしないが)
私はジュニアのことを詳しく知るまでは、ジャニーズジュニアはほんの一握りの出番の中で、ファンを獲得するために奔走するレアキャラで
露出が少ない彼らのファンなど存在しないと思っていた 彼らは貧乏でプライベートを捨てて必死にダンス歌を練習する苦学生のような想像をしていた
しかし、彼らはスタバカードでタダでドリンクを飲む 貢ぎとジュニアとしての稼ぎで高級ブランドを身にまとう
各々に濃いファンがいて彼らと直接の交流を交わす 可愛い女の子が見つかればちょっと恋愛をしてみたりもできる おもったより華やかな世界だ
そしてファンもデビュージャニーズよりももっと近い距離で彼らを応援する コンサートには出待ちし、奥様の井戸端会議の様に
SNSでタレコミ情報を交換する お金や自分を貢いで彼らを豊かにさせる
そんな実態を知って私は掲示板の荒れように妙に納得する 自分の彼氏・息子のように近い存在が狭き狭きデビューの門を争っている
そりゃあ新人は面白くない 自分の彼氏・息子が1番で出番なんて誰にも取られたくない 自分だけが詳しく知っている存在でありたい
私はそんなジュニアとそのヲタクの世界を知り「茶の間の自分にはテレビ雑誌露出の多いデビュー組以外無理だ」と悟った
私の生活は元に戻った。今日も録画番組をみて、雑誌を読み満足する。